モデルの概要
奥村-秦モデルの適用できる周波数範囲は150MHzから1500MHzまでとなっている.それに対し,1500MHzから2000MHzの伝搬測定結果を考慮して適用周波数帯を拡張したものがCOST 231 Extended Hata Model[1]である.モデルの構成は奥村-秦モデルと同様になっており,周波数,基地局アンテナ高,移動局アンテナ高等の通信条件に対して,大都市・中小都市等の通信環境に応じた補正値を考慮して統計的な伝搬損失値を計算する.
数式
伝搬損失(dB):
\(
L_p = 46.3 + 33.9 \log f – 13.82 \log h_b – a(h_m) + (44.9 – 6.55 \log h_b) \log d + C_M
\tag{1}
\)
\(C_M\)は都市環境に応じた補正値であり,以下の値を取る
中小都市:\(C_M=0\)
大都市:\(C_M=3\)
\(a(h_m)\)は移動局高に対する補正項であり,都市環境に応じて以下の式で定義される (奥村-秦モデルと同様)
中小都市:
\(
a(h_m) = (1.1 \log f – 0.7) h_m – (1.56 \log f – 0.8)
\tag{2}
\)
大都市:
\(
a(h_m) = 8.29 [\log (1.54 h_m)]^2 – 1.1 \quad ( f≤400{\rm MHz})
\tag{3}
\)
\(
a(h_m) = 3.2 [\log (11.75 h_m)]^2 – 4.97 \quad ( 400{\rm MHz}<f )
\tag{4}
\)
パラメータ
記号 | パラメータ説明[単位] | 適用範囲 |
\(f\) | 周波数 | (MHz単位,1500~2000 MHz) |
\(h_b\) | 基地局アンテナ高 | (m単位,30~120 m) |
\(h_m\) | 移動局アンテナ高 | (m単位,1~10 m) |
\(d\) | 距離 | (km単位,1~20km) |
計算例
