大会名称
2005年 情報科学技術フォーラム(FIT)
大会コ-ド
F
開催年
2005
発行日
2005/8/22
セッション番号
17
セッション名
分子計算のしくみ
講演日
2005/9/9
講演場所(会議室等)
第3イベント会場
講演番号
Q-4
タイトル
自律的に動作するDNAコンピュータ=生体高分子を組み合わせた『人工生命』
著者名
木賀 大介
キーワード
抄録
DNA計算の研究は,生体高分子が持つ様々な特性を利用する可能性を秘めていたが,当初は,データを超並列的に検索できる点に注目が集められていた.演者らは,この観点にとどまらず,生命という自律的に動作するシステムを構成するDNA・RNA・タンパク質を用いている以上,自律的に動作する演算システムを人工構成できるはずである,という観点から,研究を行ってきた.さらに最近では,入力を生命が生産した分子とし,出力も生命が利用可能な分子とする,自律型演算システムの構築に成功している.このような「天然の生命と親和性を持つ」自律型生体高分子コンピュータの構築は,生命の持つ様々な特性のうち,環境からの情報を処理して反応を行う,という点に特化した「人工生命」を創り出しているともいえる.この構築は,情報科学の研究としての側面を持つと同時に,医学的応用も可能であり,さらには,科学としての生物学研究の新たな分野,「構成的生物学(合成生物学)」の手段ともなっている.