大会名称 |
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2003年 情報科学技術フォーラム(FIT) |
大会コ-ド |
F |
開催年 |
2003 |
発行日 |
2003/08/25 |
セッション番号 |
9 |
セッション名 |
こんなものが欲しい、福祉情報システム |
講演日 |
2003/9/11 |
講演場所(会議室等) |
第2メイン会場 |
講演番号 |
I-3 |
タイトル |
欲しいシステム〜重複障害のある立場から (盲ろう者から見たITの開発・普及・利用をめぐる課題) |
著者名 |
福島 智, |
キーワード |
抄録 |
1.「五感不満足」である盲ろう者の認知空間 =「視覚」と「聴覚」という主要な感覚器官に障害を受けている盲ろう者は,「五感不満足」の状態にある.2.忘れられた障害者としての盲ろう者 = ヘレン・ケラーは誰でも知っているけれど,ヘレン以外の盲ろう者については,誰も知らない.技術開発, IT戦略の過程でも,盲ろう者は忘れられている.3.ITのなにが盲ろう者にとって不便なのか = 音声出力,タッチパネル,音声ガイド,文字放送,グラフィカルインタフェース・・・いずれも盲ろう者には不便か,あるいは利用不能である.4.今後の課題,開発方針 = 稀少障害者としての盲ろう者(全国に約2万人)だけをターゲットにした技術開発と普及を市場原理のみで図るのには限界がある. また,ユニバーサルデザインの発送・手法だけでも,すべてのニーズには対応できない. そこで, (1) 公的助成 (2)「受益の再分配」として,便利さを享受している多数派の消費者による負担の分担(価格への適正な上乗せによる特殊・稀少ニーズ対応機器の開発など) (3)盲ろう者対応技術からユニバーサル技術への「逆襲」.見えない,聞こえない状態への対応技術は,例えば,今後開発が期待される深海や宇宙空間での人間への情報提供テクノロジの進展に,予想外の示唆を提供できるかもしれない.5.「夢」の機会 =「五感」における視覚・聴覚以外の「三感」をどのようにデータ化し,再現し,記録・通信のコンテンツに組み込んでいけるかがキーだろう.これが可能になれば,この「三感」に関連した技術や機器・商品のヴァリエーションやアイデアは無限にある. |