IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第44弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

外国語を「聞く耳」「話す口」の獲得を技術的に支援する〜日本人が誰でも英語ペラペラになる未来はあるのか?ないのか?〜

峯松 信明(東京大学教授)

【開催日時】2023年11月30日(木)16:30~17:30

講演内容

 野球,サッカー,バスケ,ラグビー,卓球,ボクシングなど,ここ数年スポーツの分野で日本人の活躍が目立つ.かつてはW杯出場を夢見ていた国民が,今ではW杯優勝を現実の目標として語るようになった.目を日本人の英語力に向けると,OECD加盟国で最下位,アジア諸国でも底辺に位置し,最近では中3のスピーキングテストで正答率12%という報道があった. 講演者は高校時代に英語教師を目指し,大学時代は英語劇の舞台に立ち,音声科学・工学の分野に進み,技術を教える教授(東大工学系)となり,外国語音声教育支援を手広く手掛けている.2023年度からは,これまでの研究成果を総括する意味で,東大工学部にて,英語を聞く・話す素地を授ける授業を展開している.W杯出場が夢だった国民が,今,W杯優勝を語っている.それでは(おそらく明治維新以来)ずっと英語学習劣等生だった日本人が,誰でも英語ペラペラになる未来というのは存在するのだろうか?科学者・技術者視点でこの問いを論じてみたい.

和田 親宗 ヒューマンコミュニケーショングループ会長からの紹介文

講師の峯松先生は,東京大学において工学系の教育・研究に携わっていらっしゃいますが,高校時代は英語教師を目指しておいででした.英語に関する興味が,音声科学・音声工学の研究につながり,数々の輝かしい研究成果となっています.その成果を活用し,今年度からは工学部学生を対象に英語を「聞き取れる耳」「伝わりやすく話せる口」を授ける特訓型授業を開講されています.本日のご講演では,各種プロジェクトの成果と特訓授業の様子を含め,「英語ペラペラ」の実現可能性をお話しいただきます.

講師略歴

峯松 信明

峯松 信明

1995年東大院工学系・博士課程修了.博士(工学).2000同大学院助教授,2012同大学院教授.高校時代は英語教師を目指すも,理系の道を選択.大学時代は英語劇の舞台の上で発音を磨き,やがて,音声科学・工学の研究の道に進む.外国語音声教育支援を幅広く手掛けており,2023年度からは工学部学生向けに英語を聞く・話す素地を授ける特訓型授業を展開中.ISCA board member, 電子情報通信学会フェロー