ICDについて

委員長ご挨拶「未来を切り拓く半導体産業への貢献と人材育成に向けて」

集積回路研究専門委員会 委員長

若林 準人(ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社)

現在、私たちの社会は急速にデジタル化が進んでおり、半導体産業はその中心的な役割を果たしています。特にAIや5Gの普及、自動運転、スマートシティの発展に向けて、その重要性はますます高まっています。世界的な半導体投資の増加は、各国の政策や企業の取り組みがこの動向を後押ししていることを示しています。日本でも、地政学的および安全保障的な側面から大きな投資が続いている状況です。

さらに、生成AIの急速な普及に伴い、計算リソースの需要が増大し、電力消費の増加という課題が浮上しています。このため、産業界はカーボンニュートラルに向けた社会的責任を果たすことが重要視されています。性能やコストだけでなく、エネルギー効率を最大化するアルゴリズムやアーキテクチャ、ハードウエア設計の融合による低消費電力化が、環境に配慮した研究開発としてこれまで以上に求められます。高度デジタル社会と持続可能な社会の両立に向けて、半導体開発は新たな局面を迎えています。トランジスタ微細化による性能向上を目指す「More Moore」から、集積システムで価値を追求する「More than Moore」へと、新たな技術革新は今後も続いていくでしょう。

このような背景の下、1987年に発足した集積回路研究専門委員会は、半導体集積回路に関する技術を議論する場として、半導体産業の発展と半導体に携わる人材の育成に取り組んできました。我々委員会の目指すべき方向は、持続可能な「集積回路の研究開発と産業活動の連携」です。その議論はアーキテクチャ、システムからアナログ、デジタル、メモリ、センサ回路、設計手法、基盤技術の分野まで多岐にわたり、今後も集積回路の未来を切り拓いていく活動を進めていきたいと考えています。

現在のポストコロナ時代を受け、我々は対面を主としながらもハイブリッド開催での研究会の実施をしています。2025年度も同様の方針で研究会を進めていく予定です。
毎年5月に開催しているLSIとシステムのワークショップは、ICDの総力を結集した最大のイベントとして位置づけられています。このワークショップでは半導体業界全体やエレクトロニクス分野の最新技術動向を踏まえた招待講演、パネルセッション、ポスターセッションを含む構成で、2日間にわたり開催されます。2025年は5月13~14日に開催され、600名を超える非常に多くの参加者を集めることができました。また、2026年も5月13日~14日に開催予定です。

優秀なポスター発表には「LSIとシステムのワークショップ優秀ポスター賞」を授与し、さらなる研究の発展を支援しています。

また、12月の学生・若手研究会、8月から9月には夏の合宿を開催することで、発表に加えネットワークを広め深める活動にも積極的に取り組んでいます。

さらに、IEEEの関連分野であるSolid-State Circuits SocietyのJapan/Kansai Chapter、電子情報通信学会、情報処理学会などに所属する研究会との共催・協賛を得ることで、相乗効果を高めています。これにより専門分野の異なる研究者間の議論の場としても活用いただいています。
2025年の研究会活動は以下を予定しております。

集積回路研究専門委員会を通じた研究開発活動の活性化と若手人材の育成機会として、皆さまのご参画をお待ちしています。