ICDについて

委員長ご挨拶「電子産業を支える集積回路:若手人材の育成に向けた取組み」

集積回路研究専門委員会 委員長

永田 真(神戸大学)

半導体製品の2020年世界市場規模は約4331億米ドル、うち日本市場は360億米ドル程度と予測されています(世界半導体市場統計:WTSの2020年12月発表による。)さらに、2021年度は世界で約4694億米ドルと予測され、過去の実績最大値である約4688億米ドル(2018年)と同程度もしくは僅かに超えると期待されています。コロナ禍の影響を受けながらも、着実に成長しています。このように巨大な半導体市場は、アナログ、ロジック、プロセッサ、メモリ、その他、の幅広い製品分野を擁しており、電子産業を裾野から支えて続けています。

集積回路研究専門委員会(ICD)は、すべての半導体分野における回路技術、設計技術、システム技術、試験評価技術、等の技術領域を網羅しており、企業・研究所・大学・高専等の多様な機関から、日ごろの研究開発の成果報告や技術動向の調査の場としてご活用頂いています。

2019-2020年度は、通常の研究会(第一種及び第二種)、総合大会・ソサイエティ大会のセッション、そしてLSIとシステムのワークショップを運営し、研究会だけでも240件以上のご発表を頂きました(2019年度の実績)。これらの研究会活動は、幹事団と専門委員の総勢60名による企画と実行の努力に支えられており、毎回、特色のあるプログラムを提供する伝統が続いています。その様子は、以下のように、企画テーマや会合の名称から垣間見ることができます。なお、2020年5月~12月は全てオンライン開催致しました。(2020年4月メモリ研究会のみ開催見送り。)

① 2020年5月:LSIとシステムのワークショップ(「スポーツを革新するエレクトロニクス」)

② 2020年7月:夏の合宿(「回路・システム設計者による本気のマインクラフト」)

③ 2020年8月:第一種研究会(アナログ、RF、イメージセンサ、低電圧・低消費電力、新デバイス応用、等)

④ 2020年9月:ソサイエティ大会(依頼シンポジウム「イメージングテクノロジの開発とその応用におけるデバイス・集積回路技術」)

⑤ 2020年9月:第14回アクセラレーション技術発表討論会 (「COVID-19と戦うアクセラレーション技術」)

⑥ 2020年10月:第一種研究会(ハードウェアセキュリティ)

⑦ 2020年11月:第一種研究会(デザインガイア)

⑧ 2020年12月:学生・若手研究会(熱海市、ハイブリッド開催)

⑨ 2021年3月:第一種研究会(予定)

⑩ 2021年3月:総合大会(依頼シンポジウム「スマートヘルスケアを支える回路技術」)

これらの魅力的なプログラムは、電子情報通信学会における多数の研究会、そして情報処理学会や映像情報メディア学会等に所属する研究会との共催・協力により提供され、幅広い参加を得ています。とりわけ、各界からの著名な講師による招待講演を積極的に取り込んでいます(2019年度は49件)。2020年度の夏の合宿と学生・若手研究会では、集積回路および応用システム分野に興味を持つ学生がオンラインで集い、マインクラフトの世界で回路モジュールを共同開発する試みに参加しました。そして、若手の大学教員や企業研究者と連密にディスカッションし、研究や社会活動の動機づけを得る活動を、コロナ禍の制約を克服して実践しました。プログラムの立案と運営に、我が国の科学技術の将来を担う博士課程の大学院生が積極的に関与していることも特徴です。また、専門委員会のミッションとして、学生・若手研究者に対する授賞制度も公正かつ積極的に運用しています。

2021年度も、様々な領域から魅力的な招待講演を集め、充実したプログラムを提供すべく取り組みます。集積回路研究会を通した研究開発活動の活性化と若手人材の育成機会として、皆様のご参画をお待ちしております。