8月研究会企画「機械学習がもたらす新たなアンテナ・伝搬技術」
8月AP研(8/21,オンライン開催)では,下記のオーガナイズドセッションが予定されています.
皆様のご参加をお待ちしています.
企画趣旨
昨今の機械学習の進化は,ビジネスや社会の様々な場面で多くの変化をもたらせつつある.また,アンテナ・伝搬の研究分野においても,機械学習の利用は難解な問題の解決や新しい領域の開拓のツールとして可能性を秘めており,その需要が高まっている.本セッションでは,機械学習の基礎から各分野での機械学習の効果的な利用方法までの理解を目指し,機械学習の基礎,電波伝搬,アンテナ,アンテナシステム分野への応用例について5名の講師による講演を行う.
プログラム
13:05-15:10 | オーガナイズドセッション 「機械学習がもたらす新たなアンテナ・伝搬技術」 (オーガナイザ:中林寛暁 (千葉工大)) 座長: 今井 哲朗 (東京電機大) |
13:05-13:30 | タイトル:無線通信分野への応用に向けた機械学習の基礎 講演者:西尾理志(京大) |
13:30-13:55 | タイトル:機械学習の電波伝搬分野への応用 講演者:中林寛暁(千葉工大) |
13:55-14:20 | タイトル:固有モード電流と人工ニューラルネットワークを用いたアレーアンテナの故障診断 講演者:今野佳祐(東北大) |
14:20-14:45 | タイトル:機械学習と超広帯域レーダによる非接触心拍計測 講演者:阪本卓也(京大) |
14:45-15:10 | タイトル:浅いニューラルネットワークによるアレーアンテナ励振係数推定および近傍界設計への応用 講演者:飴谷充隆(産総研) |
「無線通信分野への応用に向けた機械学習の基礎」 西尾理志(京大)
ますます発展する機械学習は無線通信分野でも応用研究が盛んに行われている.本講演では,初学者向けに機械学習について概説する.特に,教師あり学習について,その学習原理を解説し,実例を用いて応用時の注意点や工夫点を紹介する.
「機械学習の電波伝搬分野への応用」中林寛暁(千葉工大)
陸上移動通信の伝搬損失は,これまでに数多くのモデルが提案され,特性化法としては重回帰分析や解析的手法が用いられてきた.本報告では,機械学習の電波伝搬分野への応用として伝搬損失推定を取り上げ,これまで提案されている代表的な伝搬モデルを融合した機械学習により,高精度な推定が可能となることを解説する.
「固有モード電流と人工ニューラルネットワークを用いたアレーアンテナの故障診断」今野佳祐(東北大)
本発表では,人工ニューラルネットワークに固有モード電流を応用し,アレーアンテナの電流分布および故障素子の推定を高精度化する方法を提案する.提案法は,アレーアンテナの近傍界の振幅から電流の位相を推定できる.数値シミュレーションにより,提案法が給電位相に誤差のある素子を特定できることを示す.
「機械学習と超広帯域レーダによる非接触心拍計測」阪本卓也(京大)
本研究では,ミリ波レーダと畳み込みニューラルネットワークを用いた非接触心拍計測技術を開発し,心拍に干渉する呼吸成分の有無に依らない高精度計測が可能であることを示す.さらに,開発技術により対象者の個人識別と心拍計測が同時に実現されることも示す.
「浅いニューラルネットワークによるアレーアンテナ励振係数推定および近傍界設計への応用」飴谷充隆(産総研)
従来のバックプロジェクション法に代わるアレーアンテナの点検法として,浅いニューラルネットワークを用いた点検法を提案する.具体的には,遠方界あるいは近傍界の測定結果から,アレーアンテナの励振係数が精度よく推定できることを示す.また,本手法の近傍界設計あるいは遠方界設計への応用についても報告する.