会長のあいさつ

2024年度会長

斎藤 英雄 会長
斎藤 英雄
電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2024年度会長

 情報・システムソサイエティ(以下ISS)は,情報処理技術とコンピュータ・通信・人間を融合したシステム化に関する基礎・応用技術,さらにはその社会実装までを研究領域としています.会員に研究発表と交流の場を提供し,情報技術分野の持続的な発展と社会問題解決に貢献することを目的とする本会最大規模のソサイエティです.2024年度も前年度に引き続き,論文誌、研究会、総合大会・FIT、国際化,メンターシップ等において,新しい施策を取り入れながら活動を展開してまいります.

(1) 論文誌
 論文誌は研究の最終成果ともいえるものであり,充実に努めます.英文論文誌EDでは,2020年1月から全論文をオープンアクセス化してからは,アクセス数・引用数が向上し,インパクトファクタも上昇傾向です.さらに今後は,通信ソサイエティでも始まったIEEE Xploreからの公開にも足並みをそろえるなどしてよりオープン化の効果を狙っていきます.和文論文誌Dでは,引き続き質の高い査読の継続,査読期間の短縮化に加え,学生やジュニア会員からの投稿や,事例研究等新しい種別の投稿を活性化する施策を実行していきます.
 さらに,研専等が主催する国際会議やシンポジウムにおいて行われる発表論文の査読と論文誌の査読を連携させ,著者の希望に合わせて論文誌への投稿みなすことにより,論文誌への投稿をさらに活性化できる施策をスタートさせました.研専主催の国際会議やシンポジウムから論文誌採択を狙える選択肢が増えることによって,研専活動を活性化するとともに論文誌の意義を向上できると考えています.

(2) 研究会
 現在,ISSでは26の研専(特別研専を含む)が研究会を開催し,各専門分野の研究を議論し,人的ネットワークの形成の場を提供してきています.ほぼコロナ禍の去ったいま,ハイブリット開催の運営コストを抑えることや,研究会の人的ネットワーク形成機能を復活させる意義から,ハイブリットを特別講演等に限定するなど,従来の対面開催に回帰する流れも見受けられます.各研専の研究会企画・運営が会員の満足度を最大にできることを目指して,ISSとしてもしっかりと支援していきます.

(3) 総合大会とFIT
 2022年度からFITは完全ハイブリッド開催となり,対面参加が可能になりました.さらに2024年3月の総合大会は原則対面形式の開催となり,企画セッションのみオンライン聴講可能となりました.オンラインは一部のみで完全対面開催,というのがafterコロナ時代の新しい運営形態になってきました.ISSが始めた総合大会における学生ポスターセッションも,今回は高校生も含む若い研究者の熱い議論が大変盛況でした.これは他のソサイエティでも行われることになり,ISSとしても引き続きジュニア世代も含めた研究活動の活性化に努めてまいります.

(4) 国際化・メンターシップ
 学会全体として国際化を支援する施策が強化されています.その一つとして,海外会員の増加のために,研専が海外で主催する国際会議・ワークショップへの支援が始まっています.ISSでは,メンターシッププログラムによりトップコンファレンスに採択された学生を国際会議に派遣するための旅費支援も開始しました.また,25年以上の歴史のある隔年開催の国際会議MVA2023をISS主催で開催し成功させ,既にMVA2025に向けた準備も既にスタートしています.今後もこのようにISS研専が主催する国際会議やワークショップが増えるような施策をしていきます.

 以上のようにISSでは,引き続き会員の皆様の研究・技術開発の成功の一助となることを目指します.引き続きご支援・ご協力のほど,よろしくお願い申し上げます.

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