会長のあいさつ
2025年度会長

電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2025年度会長
情報・システムソサイエティ(以下ISS)は,情報処理技術とコンピュータ・通信・人間を融合したシステム化に関する基礎・応用技術,さらにはその社会実装までを研究領域としています.会員に研究発表と交流の場を提供し,情報技術分野の持続的な発展と社会問題解決に貢献することを目的とする本会最大規模のソサイエティです.2025 年度も前年度に引き続き,論文誌,研究会,総合大会・FIT,国際化,メンターシップ WGなどの新しい施策にも挑戦しながら活動を展開してまいります.
(1) 論文誌
論文誌は会員の発表の場であるとともに,最新の研究成果を知るための重要な媒体です.引き続き,質・量の充実に努めます.英文論文誌EDは,2010年1月から全論文をJ-STAGEでオープンアクセス化しました.アクセス数は2016年に比べ約8倍,引用数はScopusのCiteScore値が0.8から1.4(2023年度)と上昇し,インパクトファクタは2023年度には0.72まで上昇し,その効果が表れています.さらに今後は,通信ソサイエティでも始まったIEEE Xploreからの公開も検討します.そして,査読期間の短縮,査読の質向上,査読負荷の分散も併せて進めます.さらに,研専等が主催するイベントにおいて投稿論文の査読を行っている場合,その査読と論文誌の査読を連携させる同時査読制度を2024年に制定しました.2025年度は研専主催・協賛のシンポジウムにもこの制度を適用します.
(2) 研究会
現在,ISSでは26の研専(特別研専を含む)が研究会を開催し,各専門分野の研究を議論し,人的ネットワークの形成の場を提供してきています.コロナ禍では完全オンラインが2年間続きましたが,現在ではオンラインと現地開催の長所を併せもつハイブリッド開催が効果的な方法になってきています.一方で,その運用コストの増大が課題です.2025年度は,Slackを活用して研専間でのノウハウの共有を図るとともに,幹事団に対し研究会登録費や研究会資料のダウンロード権の無償化などのインセンティブを付与するなどの施策講じ,会員の満足度を最大化する研専活動・運営を目指します.
(3) 総合大会とFIT
総合大会ではISSが始めた総合大会における学生ポスターセッションがたいへん盛況で,2024年度から学会全体での行事と格上げになりました.ISSは引き続きその運営において中心的な役割を果たします.FITでは,著名国際会議の発表を集めたトップコンフェレンスセッションが例年好評です.今後も,ジュニア世代,若い研究者世代にとってより魅力あるイベントとなるべく活性化に努めてまいります.
(4) 国際化
学会全体として国際化を支援する施策を進めています.その一環として,海外会員の増加のために,研専が海外で主催する国際会議・ワークショップへの支援が始まっています.ISSでは,2024年にアジア・太平洋信号処理連合(APSIPA)とSister Society Agreementを更
新しました.また,2025年度にPRMUが主催する国際会議MVA2025への支援を行います.さらに,ISSが主催して国際会議を開催することを検討します.
(5) メンターシップWG
メンターシップWGでは,2年間の準備期間を経て,学生や若手研究者に対するトップ国際会議や国際ジャーナルへの論文採択への支援を目的としたメンターシッププログラムを開始し,昨年度は2件が採択されました.本年度はさらに発展させます.以上のように,ISSは引き続き会員の皆様の研究・技術開発の成功の一助となることを目指します.ご支援・ご協力のほど,よろしくお願い申し上げます.