会長のあいさつ

2018年度会長

相澤 清晴 会長
相澤 清晴
電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2018年度会長
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授 工学博士

 情報・システムソサイエティ(以下、ISS)は、情報処理技術の基礎から応用までの分野を研究領域としています。その中には、情報と通信と人を融合する分野も含んでいます。ISSには、約11,000名の会員がおり、現在、3万人を越える電子情報通信学会の中で、通信ソサイエティとならんで最大規模のソサイエティです。

 本ソサイエティの役割は、会員に研究発表と交流の場を提供することです。ひいては、重要な社会基盤である情報技術分野の持続的な発展と情報社会での様々な問題解決に貢献することです。ISSが同研究分野の日本での中心的活動母体であり続けるために、2018年度は、下記に重点を置いて活動を展開します。

■ 論文誌、研究会、大会等の強化

✔論文誌
 論文は研究の最終成果であり、できるだけ多くの研究者に届くように努力を継続します。2017年の1年間には、英文誌、和文誌とも、934件と374件の論文(レター含む)投稿があり、それぞれ378件と99件の論文が厳正な査読を経て採択されました。
 英文論文誌では、2017年1月より他ソサイエティに先がけて、過去の発行論文を含めた全論文のオープン公開を始めました。その結果、アクセス数は大幅に増加しました。さらに投稿数の増加につながる方策を検討していきます。また、英文、和文論文誌ともに、編集委員、査読委員の増強と質向上に、継続的に取り組んでいます。

✔研究会
 2017年の一年間で、ISSの研究会では、総計2,644件の発表がありました。研究会活動のさらなる充実を図ります。そのために、資料の完全電子化、参加費・登録費制度の実施、スポンサーシップの促進、ショートペーパー論文の受け入れ、活性化準備金の活用を進めていきます。
 研究会資料である技報の電子化は、2017年から試行してきました。2018年からは、完全に電子化へ移行します。それに伴い、研究会への参加費・登録費制度を設け、資料を電子的にダウンロードできるようにします。ISSの個々の研究会ばかりでなく、全研究会のパッケージの年間登録も安価に(15,000円!)可能となります。ぜひ利用ください。
 研究会へのスポンサーシップなどの新たな方策も試行し、活動の充実化を進めます。研究分野も大きく変化しており、その研究会の相互連携の在り方も検討していきます。

✔総合大会,FIT
 総合大会、FITは、広い情報分野の研究者での意見交換や学生の研究発表の場として有効です。2017年の総合大会では、ISSでは、406件の発表があり、FITでは、469件の発表がありました。
 総合大会の学生ポスターセッションは盛況で,このセッションだけで、毎年200件以上の発表(うち150弱がISS)があります。また、ウエルカムパーティなどの交流の企画も2018年3月の大会から始まりました。FITでは、活発な研究会活動との連携を高めます。さらに、これまでの2学会に加えて、情報処理関係の学会が連携を行い発展すると考えています。

✔ソサイエティ誌
 ソサイエティ誌は、ISSの広報として位置づけられてきました。現在のものを継続・充実しながら、より時代に即した形態を模索していきます。

 以上のように、様々な取り組みを進めています。その取り組みは、いずれも会員サービスへの充実につながります。ボランティアで成り立つ運営の在り方も、継続的に見直します。
 ぜひ、ISSで、素晴らしい成果を発表し、多くの会員にお伝えいただければと思います。また、運営へのご意見があれば、ぜひお寄せください。