会長のあいさつ

2016年度会長

坂井 修一 会長
坂井 修一
電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2016年度会長
京都大学 学術情報メディアセンター 教授

 情報・システムソサイエティ(ISS)は、コンピュータによる情報処理技術、コンピュータ・通信・人間を融合したシステム化技術に関する基礎から応用までの分野を研究領域としています。会員に研究発表と交流の場を提供するとともに、情報技術分野の持続的な発展に貢献しています。ISSが同研究分野の日本での中心的活動母体であり続けるだけでなく、情報社会の健全な発展に貢献していくために、平成28年度は、中長期計画に従って、以下の諸点に重点を置いて活動を展開していきます。

(1) 研究プロセスに応じた研究資料の公表支援

○新しい時代に相応しい論文誌の検討
 和英論文誌では、受賞論文、サーベイ論文等のオープン化を開始しました。今年度は、論文誌全体の公開をめざし、最初に英語論文誌のオープン化を進めます。さらに、常任査読委員の早期推薦制度、キーワード見直し、研究専門委員会との連携による特集号の充実、別刷辞退オプション普及による省資源化、100周年懸賞論文のタイトル決定などを行います。

○研究会のあり方と活性化
 技報への掲載が既発表とみなされる問題に対して、①梗概相当だけで発表できる方式の採用、②一定期間技報の原稿を非公開とし、非公開文書であることに承諾した人だけが原稿にアクセスできるサービス、の2つを検討しています。
 また、研究会の活性化、国際会議の開催などをより効果的に行うために、研究専門委員会、技術会議、運営幹事会との連携を深め、相互に支援できる体制を強化します。これに加えて、研究会相互の情報交流の促進、各研究会活動の見える化、研究会間での情報共有が可能な方策の検討を深めます。また、補助金の効率的な運用についても精査・検討いたします。さらに、各研究専門委員会の活動の評価を行い、活性化資金の運用を技術会議で行えるような仕組みを検討します。また、活動の見える化のため、過去の研究会開催件数と投稿件数などをWebに掲載するなどする予定です。

○総合大会、FITの位置づけと活性化
 FITの体制の見直し、収益力向上をめざした企画の見直しを行い、大胆な改革を行っているところです。総合大会のISS企画である学生ポスターセッションは盛況ですが、優秀ポスター賞も、より客観的な選定になるよう工夫を重ねます。

○ソサイエティ誌の活性化
 ソサイエティ内活動の紹介に加え、ソサイエティ外活動の紹介も充実させます。また、J-Stageへ掲載することで、広く活動を紹介します。

○I-Scoverへの対応
 I-Scover構築に関しては、費用対効果を精査しながら貢献をはかっていきます。

(2) 社会的課題に対する情報発信
 技術者集団として政府の行うパブコメに積極的に意見を述べるだけでなく、社会課題に対する意見を公表する仕組みを作ってゆきます。

(3) 会員サービスの充実
 日本語・英語Webページの更改を継続することにより、会員への情報発信を強化し、会員サービス増強の努力を続けます。コミュニケーション委員会と連携して、ホームページ作成の外注や、その更新体制の効率化と強化も検討します。

(4) ISS の運営体制の強化
 運営幹事会の定期的開催により、各活動に対するグローバルな議論や、その費用対効果などの検討を行い、ISSの運営の強化を図っていきます。また、ISSの活動全般において、収益力の向上を意識した活動を目指します。

情報・システムソサイエティ(ISS)では、以上のような活動を積極的に進めていきますので、会員の皆様のご協力とご理解を、宜しくお願いいたします。