会長のあいさつ

2014年度会長

安浦 寛人 会長
安浦 寛人
電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2014年度会長
九州大学副学長 工学博士

 情報・システムソサイエティ(ISS)は、コンピュータによる情報処理技術、コンピュータ・通信・人間を融合したシステム化技術に関する基礎から応用までの分野を研究領域としています。ISSの役割は、会員に研究発表と交流の場を提供するとともに、今や重要な社会基盤となった情報技術分野の持続的な発展に貢献することです。平成26年度は、下記のような活動をしていきます。

(1)技報電子化の推進と他の出版物の電子化の推進
 研究会活動の見える化や情報提供サービスの向上を促進するために、平成25年度に始めた技報オンラインサービスのトライアルサービスを、平成26年度は正式運用として開始します。また、将来、技報をオンラインサービス等にて提供することを目指し、過去の技報の遡及電子化を引き続き行います。FIT予稿集についても、平成25年度に過去開催分をすべて大会アーカイブスへの搭載並びにI-Scoverへの登録を終了する予定であり、引き続き今後の開催分についての電子化を進めます。ソサイエティ誌のアーカイブ化・I-Scoverへの搭載を行うなど、会員からのアクセスについて一層の便宜を図ります。

(2)研究会活動の活性化とソサイエティ誌やWebによる情報共有の強化
 会員の研究発表や技術交流を行う研究会の活性化や各研究専門委員会の国際会議の主催・共催などによる国際化も大切です。これらの活動をより効果的に行うために、研究専門委員会、技術会議、運営幹事団との連携を深め、相互に支援できる体制を強化します。一方で、技術の急速な発展に伴い、専門分野間の重なりや距離感も変化しています。研究会相互の情報交流の促進、各研究会活動の見える化、及び研究会間での情報共有が可能な方策を検討します。また、研究会の相関図のようなソサイエティを横断する活動や研究者のユニークな活動を紹介するコンテンツを充実させる等ソサイエティ誌やWebの内容を工夫し、研究会活動の情報発信強化に利用します。

(3)論文誌の質の向上と効率性の改善の検討
 情報・システム研究における日本での中心的活動母体であり続けるためには、継続的に論文誌の質を向上させる仕組み作りが不可欠です。英文論文誌については、引き続き、インパクトファクター向上策、電子ジャーナルの可能性などについて検討します。また、特集号の電子公開トライアルの効果の評価に基づいて、特集号やサーベイ論文を充実させるための研究会との連携について検討します。和文論文誌についても、学生論文特集号やシステム開発論文の継続を行うとともに、秀逸論文認定制度などを活用した論文の質の向上を図ります。両誌ともにサーベイ論文や解説論文の充実とアクセス向上策、早期公開(編集前の採録原稿を公開)の開始、論文誌Webページや広報活動の充実、別刷辞退オプションと論文PDF配信制度の導入などコスト削減策も検討します。

(4)会員サービスの充実と会員数増加施策
 日本語・英語Webページの更改を継続することにより、研究会の活動の一般会員への情報発信や、グローバルな会員への情報発信を強化し、会員サービス・会員数増強の努力を続けます。総合大会の企画として行っている学生ポスターセッションは、評価の方法や継続可能な改善策を検討します。

(5)ISSの運営体制の強化
 運営幹事会で各活動に対するグローバルな議論や、その費用対効果などの検討を行います。今後は、電子会議を積極的に活用するなどにより、各委員が議論に参加しやすい体制を強化します。

情報・システムソサイエティ(ISS)では、以上の活動を考えていますので、会員の皆様や、各研究専門委員会のご協力とご理解を、宜しくお願いいたします。