会長のあいさつ

2013年度会長

村瀬 洋 会長
村瀬 洋
電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2013年度会長
名古屋大学大学院・情報科学研究科・教授 工学博士

 情報・システムソサイエティは、コンピュータによる情報処理技術やコンピュータ・通信・人間を融合したシステム化技術に関する研究分野を対象としています。近年、情報処理と通信が結合した新しい技術や、大量のデータから新しい価値を創造するビッグデータ関連の技術が急速に発展しています。本ソサイエティ(以下ISSと呼ぶ)の役割は、研究発表や技術交流の場を提供し、これらの技術を含む幅広い技術の持続的な発展に貢献することにあります。ISSが同分野の中心的活動母体となるように、下記に重点を置いて活動を展開していきたいと思います。

(1)研究会活動の活性化と、情報共有の方策の検討
 研究会活動や研究専門委員会活動はソサイエティ活動の中核を担っていて、その活性化は極めて重要です。また技術の急速な発展に伴い、専門分野間の重なりや距離感も変化しています。そこで、ISS内での各研究会活動の見える化、および研究会間での情報共有が可能な方策や、研究専門委員会、技術会議、運営幹事団との連携を深め、相互に支援できる体制を検討します。

(2)ソサイエティ誌の充実
 ソサイエティ誌は平成8年度創刊以来、ソサイエティの活動と技術分野の動向を会員に提供することを使命としてきました。ISSの各研究専門分野を横断的に活性化するコンテンツの充実や、研究者の独自活動を紹介するコンテンツの充実を図ります。またソサイエティ誌の電子化による提供の可能性を検討します。

(3)論文誌の質を向上させる仕組みの検討
 更なる論文誌の質を向上させる仕組みづくりが必要です。英文論文誌については、平成23年度から検討ワーキングを立ち上げ、インパクトファクタ向上策、電子ジャーナルの可能性などについて検討しています。平成25年度は、特集号の電子公開のトライアルとその効果の評価、特集号やサーベイ論文を充実させるための研究会との連携について検討します。和文論文誌については、学生論文特集号やシステム開発論文の継続を行うと共に、サーベイ論文や解説論文の充実、論文の査読方法の改善についても検討を開始します。

(4)会員サービス充実と会員数増加施策
 平成24年度から着手している日本語・英語ホームページ更改を継続し、研究会の活動の一般会員への情報発信や、グローバルな会員への情報発信を強化し、会員サービス・会員数増強につなげたいと思います。

(5)技報電子化の推進と大会原稿電子化の検討
 研究会活動の見える化を促進するために、技報の電子化を早期に実現したいと思います。今年度は電子化のトライアル運用を開始します。また論文の横断検索システムであるI-Scoverとの連携を深め、ISSの技報、大会論文、論文誌の論文等への会員からのアクセスについて一層の便宜を図ります。

(6)ISS の運営体制の強化
 平成23年度から、開始している運営幹事会(会長、次期会長、各副会長、庶務幹事、和文論文誌・英文論文誌・ソサイエティ誌の各編集委員長が参加)を発展的に継続し、運営方針や特定の施策に的を絞った議論を電子会議など積極的に活用することにより行い、ISSの運営体制の強化を図ります。

情報・システムソサイエティ(ISS)では、以上の活動を考えていますので、会員の皆様や、各研究専門委員会のご協力とご理解を、宜しくお願いいたします。