会長のあいさつ

2008年度会長

畑岡 信夫 会長
畑岡 信夫
電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 2008年度会長
東北工業大学・工学部・知能エレクトロニクス学科・教授 工学博士

 情報システム分野では、今までには経験しなかった速度で技術革新が進んでいる。モバイル、ユビキタス等の言葉で表現される技術革新である。この技術革新の中で、実社会で役立つ応用システムを創生する情報・システムソサイエティのミッション(使命)は重要である。センター、ネットワーク、端末という三つで構成された全体システムを考えた場合、センターの構成、(通信)ネットワークの状況、エレクトロニクス端末の状況等、広く技術分野の動向と技術に関して精通して、初めて意味のある全体システムが構築できる。情報・システムソサイエティは、個別技術から全体システムまでを見据えて対応できる専門技術者集団である。技術革新を先導して、かつ社会的な倫理観も含めて、住みよい社会を作ることが、我々技術者に課せられた役目=学会の役目である。

 以上の学会の役目を念頭に、会員一人一人が将来の技術開発に夢を持ちながら、前向きで、建設的な議論ができるソサイエティ活動を推進するために、次の3点を中心に取り組む。

(1)会員へのサービスの充実(論文の充実、研究会活動の積極的な推進):
 学会の基本活動である。情報の発信をベースに、技術革新へ向けた議論ができる場を更に整備する。これは目的意識を持った専門家集団が推進する活動を全面的に支援することで実現可能である。論文に関しては、早期発行への体制見直し、海外からの投稿への体制作りを積極的に進める。

(2)独立採算に向けた財務体制整備と新規事業の創生:
 現在試行中で、来年度から、本格的に独立採算体制となる。従来の活動をベースに、健全な活動を推進するために、財務体制の更なる整備が重要である。本部との連携も含めて、収支において常時黒字となる予算設定とシンポジウムや国際会議の主催、あるいは共催などの新規事業の実施を検討する。本部のグローバル化と同期を取りながら進める。

(3)Open Innovation(協創)を支援する新規活動の計画と実施:
 現在、いろいろな場で産学官連携が推進されているが、学会が介在した新たな形での産学官連携の推進を検討する。更に、大学での教育科目への産業界からの意見反映の可能性等を検討する。目的は、産業界の会員も含めたサービスの充実である。

 ソサイエティとしての理念を明確にして、会員にとって意義のあるソサイエティとなることが重要である。そのためには、専門家集団各位のボランティア活動に依存するところが大である。ソサイエティの発展のために、ボランティア活動を支援して、更なる学会の活性化を図る。