就任挨拶:通信ソサイエティ会長就任にあたって
2026年度通信ソサイエティ会長を拝命いたしました。伝統と革新の通信ソサイエティを導く立場となり、改めてその責任の大きさを痛感しております。通信ソサイエティに関わる皆様にとってよりよい学術交流の場を提供できるよう努力したいと考えております。1年間という短い期間になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、2026年は、電子情報通信学会、しいては通信ソサイエティにとって、財務的な視点で学会運営の方向性が大きく転換する年になります。これまで、当会は会員の皆様からの会費収入を大きな柱として運営されてまいりました。しかし、少子高齢化等に起因する会員数の減少により、財務的視点で従来の学会運営モデルが成り立たなくなりつつあります。特に会員数のボリュームゾーンであるバブル世代が引退を迎える数年後には、その傾向が顕著になることが予想されています。これは、会費を上げればよいといった単純な問題ではなく、構造的な問題に起因しています。このため、安定的な学会活動を継続していくために、研究会や国際会議等の会議収入により学会運営を支える方針に学会全体として大きく舵を切ることになりました。各会議に参加される皆様、ならびにそれを運営する皆様には、ご負担とご不便をおかけすることになりますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
一方で、学会本来の責務である学術交流の活性化も重要な問題です。通信ソサイエティでは、将来の活性化につながる施策について議論を行い、積極的に投資を行っていきたいと考えています。
研究会については、運営側の負担を軽減する施策を実行するとともに、複数の専門分野の連携を促す施策の議論を開始します。現代社会の複雑な問題を技術的に解決するためには、複数の技術領域の連携や融合が不可欠です。通信ソサイエティでは、3つの第三種研究会がその役割を担うべく活動しています。常設・特別研究専門委員会でも併催という形で異なる専門分野間の連携を進めていますが、これをさらに進めるための施策について議論を進めたいと考えています。
編集活動については、本部施策とも連携しながら論文誌の国際発信力強化に向けた議論を継続して進めます。通信ソサイエティでは、英文論文誌BとComEX誌をIEEE Xploreに掲載し、国際発信をして参りました。その結果、海外研究者からの論文アクセス数は飛躍的に増加し、その結果がインパクトファクターの向上として表れつつあります。これをさらに強化すべく議論を進めていきたいと考えています。
国際活動については、通信ソサイエティのフラッグシップ国際会議であるICETC初の海外開催を成功させ、国際的なプレゼンス向上を図ります。2026年で第7回目となるICETC2026を11月に台北で開催します。また、韓国の情報通信学会であるKICSとの双方向の学術交流を通じて協力関係を強化し、アジアのハブとしての活動を推進してまいります。
以上の施策を実行していくためには、通信ソサイエティの皆様のご理解とご協力が不可欠になります。また、新しい発想やアイディアも必要です。皆様のお力添えをいただけますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。