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技術と社会・倫理研究会(SITE)
Social Implications of Technology and Information Ethics

はじめに

技術と社会・倫理(SITE)研究会は、きたるべき情報化社会において生じるであろう種々の問題に対して、技術一辺倒の対応では対処不可能ではないかとの危惧とこれまでの反省から平成7年に「情報通信倫理研究会」という名称で発足しました。

その後、平成10年にその名称を「情報文化と倫理(FACE)研究会」とし、平成14年から「技術と社会・倫理研究会(SITE)」と改称しました。本研究会では、情報通信や工学一般に関する倫理問題を中心として、情報リテラシー、知的財産権、情報セキュリティー等、種々の分野を対象として講演発表、意見交換を行ってきております。電子情報通信分野に携わる技術者,研究者はもちろん,他分野からの発表も幅広く受け入れていますので,是非講演発表をお願いいたします。

本研究会の対象とする分野

本研究会では,以下の各分野を主要研究分野としています.これ以外にも関連する研究テーマを幅広く扱っています.

情報通信と倫理,コンピュータ倫理,倫理学,思想・哲学, 情報化と人間の変容,プライバシーと個人情報保護,暗号と倫理, 知的財産権と倫理,PL法と倫理,通信の秘密と倫理,マスメディアと倫理, 情報通信倫理綱領,職業倫理,医療情報倫理,経営倫理,情報通信倫理教育, ネットワーク社会と制度,情報リテラシー,マルチメディアコンテンツと倫理, セキュリティポリシー,デジタルデバイド,安全性,人工知能,ロボット倫理,神経倫理

技術と社会・倫理研究会(SITE)へのお誘い

当研究会は、現代の情報文化の産物である電子情報通信技術のもたらす社会/個人への影響、問題点を、倫理、教育、制度、法律、文化など様々な観点から幅広く議論すべく、平成7年に「情報通信倫理研究会」という名称で発足しました。その構成員も、情報通信関係者、法律専門家、倫理学専門家と多岐にわたり、理科系と文科系を融合したテーマを含めた議論を行っております。

その後、平成10年に情報通信倫理に関する「電子情報通信学会倫理綱領」が制定されたのを機に、その名称を「情報文化と倫理研究会」と改称し、情報通信や工学一般に関する倫理問題を中心として、情報リテラシー、知的所有権問題、情報セキュリティー等電子情報通信学会が取り扱う技術を幅広く網羅して講演発表、意見交換を行ってきております。

平成13年1月29日に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長(本部長:森首相)へ電子情報通信学会、情報処理学会、電気学会のIT関連3学会の会長名で行いました提言「21世紀IT社会の健全な発展に向けて」 に記載されている“学会内外の情報通信関係者、法律専門家、倫理学専門家およびネットワーク管理者などでワーキンググループを形成し、大学・学校を中心にした『ネットワーク運用ガイドライン』の制定及び公開”を主体的に進めている研究会でもあります。

更に、最近は、プライバシー保護、デジタル・デバイド、ハンディキャップト地域社会文化対グローバル標準、情報通信技術の経済効果など、困難な問題が新たに生じております。これらの問題は、法制度を含む規範、および経済的な影響等の社会科学的な側面を含んでいると考えられ、個々の技術を開発すれば全てが解決するというものではなく、文理を超えて議論する必要があります。

このため、平成14年4月より、研究会の名称を「技術と社会・倫理研究会」(Social Implications of Technology and Information Ethics 略称:SITE)に変更しました。

当研究会は「基礎・境界ソサエティ」に属していることもあり、これまで他ソサエティの方々の認知度はそれ程高くないことに鑑み、今回、全会員の方々に当研究会の案内をお送りする次第です。上記の問題は、現実の経済活動でも深くかかわっており、当研究会で議論されました結果が民間企業におかれましても活用できるものと思われます。各企業に勤務されている多くの方々が参加されますよう望んでおります。

情報セキュリティの日功労者表彰

「高等教育機関向け情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」策定の活動が情報セキュリティの日功労者表彰を受賞

本会「ネットワーク運用ガイドライン検討ワーキンググループ」と国立情報学研究所「国立大学法人等における情報セキュリティポリシー策定作業部会」が合同で高等教育機関に適した情報セキュリティ規程群の策定の活動により,「情報セキュリティの日功労者表彰」を受賞いたしました.

表彰式は,平成20年2月4日(月) 総理大臣官邸で行われ,内閣官房長官から表彰状が授与されました.高等教育機関における情報システムの運用ポリシーを策定する際の具体的な参考となる標準的かつ活用可能な情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集を策定し,セキュリティ水準の維持,向上に貢献したことが認められての受賞です.

第二期のネットワーク運用ガイドライン検討ワーキンググループはSITE研究会が提案し,企画室の下に設置されて高等教育機関におけるネットワーク運用ガイドラインを検討してまいりましたが,社会情勢の変化や,対象範囲の広がりに対応するために,平成18年度からの活動にあたり,インターネットアーキテクチャー(IA)研究専門委員会及び技術と社会・倫理(SITE)研究専門委員会に委員の推薦をお願いし,高等教育機関における情報システムの運用ポリシーを策定する際の具体的な参考となる標準的かつ活用可能な情報セキュリティ規程群のサンプルを作成したものです.

なお,受賞の対象となった規程群は国立情報学研究所のホームページで公開されています.

研究会名称変更について (平成10年度)

情報通信倫理研究会平成10年度専門委員長 笠原正雄

1998年7月21日開催の電子情報通信学会理事会で、情報通信倫理に関する電子情報通信学会倫理綱領がめでたく承認されました。情報通信倫理の名は本学会とともに永久に残ることとなり、また、その重要性は時代の経過とともに益々強まることと思います。

情報通信倫理研究会における議論が学会の倫理綱領として結実した訳ですが、学会全体の倫理綱領として成立したことを鑑みますと、情報通信倫理研究会において議論される内容も、電子情報通信学会が取り扱う技術を幅広く網羅していく必要があると考えられます。

本研究会では従来より情報通信に係わる倫理的な側面のみに係わらず、情報教育のあり方や知的所有権、情報通信と法律、暗号政策、(次世代)通信方式や情報セキュリティ技術のあり方など、技術的な議論だけでは解決をみない題材も研究対象として捉えており、それらに関する研究発表も多数なされてまいりましたが、会員の方々の認識は、この考えとは必ずしも一致していなかったことに、若干の反省、すなわち広報的活動を欠いたこと等々反省致しております。事実、企業からの御発表が他研究会に比べ非常に少ない現状に深く憂慮しております。

電子情報通信学会で取り扱う技術、つまり、現代の情報文化の産物である電子情報通信技術のもたらす社会/個人への影響、問題点を、倫理、教育、制度、法律、文化など様々な観点から幅広く議論の対象にしていることを、より広く理解して頂くために名称変更を研究専門委員会において検討してまいりました。その結果、「情報文化と倫理研究専門委員会(研究会)」(Forum for Advanced Communications Enviornments and Ethics 略称:FACE)の名称に変更することになりました。上記題材を対象にして、実り多い研究発表を切に祈念しております。以上を踏まえ今後とも、会員の皆様のあたたかい御支援、御協力をお願い申し上げます。

研究会名称変更について(平成13年度)

情報文化と倫理研究会平成13年度専門委員長 石崎靖敏

情報文化と倫理研究会(FACE)の2001年度までの主要テーマは、倫理綱領、倫理教育、および大学ネットワークの管理でありました。これらの内、倫理綱領については1998>年に学会としての倫理綱領として結実し、現在はその保守の段階にあると考えられます。また大学ネットワークの管理については、ガイドラインの作成がほぼ集約の段階にあります。

これらのテーマの研究は勿論、綱領やガイドラインの作成によって終了するものではありません。一方、情報通信技術と社会とのかかわりという観点で見ると、著作権保護と研究発表の自由、プライバシー保護、デジタル・デバイド、ハンディキャップト、地域社会文化対グローバル標準、情報通信技術の経済効果など、本学会会員がその検討に参加すべき問題は数多くあるように思われます。これらの問題は、法制度を含む規範、および経済的な影響等の社会科学的な側面を含んでいると考えられます。

当研究会のもう一つの問題は、企業からの参加が少ないという点でありました。その是非については議論があるかもしれませんが、企業の通常の業務活動として文化への参加は抵抗があるという指摘もありました。

これらの問題について研究専門委員会で検討してまいりました結果、「技術と社会・倫理研究専門委員会(研究会)」(Social Implications of Technology and Information Ethics略称:SITEの名称に変更することになりました。多くの方々の研究発表を期待しております。

研究会情報

2022年度の研究会の開催スケジュール

過去の研究会

2021年度

2020年度

2019年度

2018年度

2017年度

2016年度

2015年度

2014年度

2013年度

2012年度

2011年度

2010年度

2009年度

2008年度

2007年度

2006年度

2005年度

2003年度

2003年度

2002年度

2021年SITE研究会連続講演・シンポジウムの予定

SITE研究会2021年度連続講演・シンポジウムシリーズ:データの科学・技術のELSIとその教育

2021年度電子情報通信学会技術と社会・倫理研究会(SITE研究会)は、数理・データサイエンス・AIの科学と技術にかかわる倫理的・法的・社会的側面(ELSI: Ethical, Legal, and Social Implications)とその教育に関する連続講演およびシンポジウムを実施することとしました。

日常的に生成される大量のデータを収集し分析して価値を取り出すデータサイエンスの研究と実践は、各地の大学で学部・学科・コースが設置されるなど、社会的ニーズが高まっています。一方、2000年代になって、ハードウェア技術の向上によってディープラーニングなどの機械学習が飛躍的進歩を遂げ、社会的応用が進むとともに、研究開発も継続的に進展しています。これらの科学・技術の背景には、統計学的手法の応用があり、数理科学の工学的応用の社会的インパクトはきわめて大きなものとなってきています。

文部科学省は、各大学に対して数理・データサイエンス・AI教育の取組みを奨励し、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度を開始しました。放送大学は、この動きに対応して、数理・データサイエンス・AI講座を開設し、この分野に関心をもつ受講生のニーズにこたえるだけでなく、大学設置基準19条の解釈によって、上記プログラム認定制度に関心を持つものの、スタッフ等の制約からプログラム実施が難しい大学に対して、同講座を活用してカリキュラムを編成する支援を行い始めています。

技術と社会・倫理とのかかわりに関して研究を行ってきたSITE研究会は、このような社会的なニーズを受けて、数理・データサイエンス・AIを包摂する「データの科学・技術のELSIとその教育」に関して、次のような連続講演・シンポジウムを企画しました。電子情報通信学会員でなくても聴講ができます(有料:前日までのオンライン決済4950円)。会員になると、価格は相当下がりますので(前日までのオンライン決済で3300円)、ぜひこの機会に入会をご検討ください。なお、学生は無料での聴講が可能です(論文のダウンロード権なし)。

シンポジウムの開催スケジュール

2021年6月開催「データサイエンスのELSIと教育」

招待講演

シンポジウム

  • 2021年7月19日(月)シンポジウム「データサイエンスのELSIと教育」(13:30-16:30)(電子情報通信学会・情報処理学会6研究会合同「セキュリティーサマーサミット2021」の招待講演として実施)
  • プログラム等詳細はこちらをご覧ください。

2021年11月開催「電子情報通信技術におけるELSIの実践と教育」

SITE研究会2021年度連続講演・シンポジウムシリーズ:「データの科学・技術のELSIとその教育」の第3回目として、来る11月の研究会の企画セッションとして、電子情報通信技術におけるELSIの実践と教育、そしてその橋渡しに関するシンポジウムを開催します。詳細は下記のとおりです。参加費・聴講費などにつきましては、下記をご覧下さい。なお、同研究会は、電子情報通信学会技術と社会・倫理研究会(SITE)/情報セキュリティ研究会(ISEC)/ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会 (LOIS) の共催です。

趣旨

本シンポジウムは、人工知能やデータサイエンスなどの電子情報通信技術(ICT)分野におけるELSI(倫理的・法的・社会的側面)の教育と実践、およびその橋渡しについて総合的に検討します。

「第6期科学技術・イノベーション基本計画」において、「ELSI」ということばがキーワードの一つとして登場しました。科学技術論・科学技術政策分野以外では、「ELSI」ということばはやや耳慣れないかもしれません。本シンポジウムは、ICTにおけるELSIをどのように実践し、教育すべきか、そして、その橋渡しをどのように行うか講演とディスカッションを通じて理解を深めることを目的としています。

このシンポジウムでは、実際にELSIの教育と実践にかかわる活動を進めてきた3名の先生方をお招きしてご講演をいただき、議論します。岸本充生先生(大阪大学)からは、産学連携によって企業活動のELSI対応を支援してきたご経験から、大学の企業のELSIの実践への貢献についてご講演をいただきます。浜田良樹先生(旭川工業高等専門学校)には、カードゲームを活用するELSI教育にかかわる話題も含め、科学技術をめぐる合意形成についてご講演いただきます。村上祐子先生(立教大学)には、ディスカッションを活用する大学院レベルの先端科学技術のELSI教育についてご講演をいただきます。

3名の先生方のご講演を踏まえて、ICT分野におけるELSIの教育と実践をどう橋渡ししていくか、ディスカッションを行います。

日時・場所

  • 完全オンライン開催
  • 2021年11月12日(金)
  • 15:30-17:30

※聴講には、参加費が必要です。参加費は、会員・非会員等の区別によって変わります。

※各講演の講演時間等、詳細なプログラムにつきましては 、こちらをご覧ください。

趣旨説明・講演(招待講演)

趣旨説明・講演(招待講演): 15:30 〜 16:55

  1. 委員長挨拶および趣旨説明
  2. 岸本充生(大阪大学教授・ELSIセンター長):企業活動にELSI対応を統合する ~ 人社系産学連携の実践 ~
  3. 浜田良樹(旭川工業高等専門学校教授):科学技術をめぐる合意形成とエンジニアリングデザイン
  4. 村上祐子(立教大学教授):大学院レベルのICT-ELSI教育 ~ 科目「先端科学技術の倫理」を通じて ~

パネルディスカッション

17:05 〜 17:30

  • テーマ: 電信情報通信技術におけるELSIの実践と教育
  • 登壇者:岸本充生大阪大学教授、浜田良樹旭川工業高等専門学校教授、村上祐子立教大学教授

申込方法

  1. 次のURLにアクセスしてください。
    https://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgid=IEICE-SITE
  2. 2021年11月12日(金)の研究会の項目の一番右コラムの「参加費について」をクリックしてください。または、下記のURLにアクセスしてください。
    https://www.ieice.org/ken/user/index.php?cmd=participation&tgs_regid=56444f118f15a036b38b6afd364f845bee89c8bbf1909f253a353bcaa04d71ec
  3. 電子情報通信学会の会員でない方は、「聴講参加費(この開催のみ有効な参加費)」から、該当する参加費をお支払いください。なお、学生で、予稿論文が必要がない方は、支払いの必要がありませんので、6)に進んでください。
  4. SITE/ISEC/SITE研究会の年間登録費を支払っている方は、「年間登録費(年度末まで有効な参加費)」から該当する「種別」を選び、支払いを行ってください。
  5. 参加費の支払いが終わりましたら、下記のURLにアクセスしてください。
    https://www.ieice.org/ken/form/partform.php?tgs_regid=56444f118f15a036b38b6afd364f845bee89c8bbf1909f253a353bcaa04d71ec
  6. 指示に従って、聴講申込を行ってください。「メインとして出席する研究会」は、上記の3)で支払いを選んだ研究会を指定してください。

懇親会

オンライン懇親会を予定しています。上記の講演申込をいただいた方にはURLをお送りします。

後援

  • IEEE SSITJ(Society on Social Implications of Technology, Japan 技術の社会との関わり合いソサイエティ)

2021年12月開催「データサイエンス・人工知能のELSIと大学・初中等教育」(SITE/IPSJ-CE連催研究会)

趣旨

大学における教育プログラムの認定制度の開始など、数理・データサイエンス・人工知能の教育への社会的期待とニーズは高いものである。とくに、学際的分野である「心得」編に関しては、いわゆる文系・理系にまたがる知識・知見が求められることから、どのように教育を行うべきか頭を悩ませる教育関係者も多いかもしれない。

この「心得」が扱う範囲は、科学技術の倫理的・法的・社会的課題--ELSI(Ethical, Legal, Social Issues)と呼ばれる領域と重なる。1990年米国において開始されたヒトゲノム解読計画で、はじめてELSI研究プログラムが設けられた。ヒトゲノム解読計画のなかでは、研究計画全体の3%~5%の予算が与えられることとなった。

こののち、ナノテクノロジーや脳科学、コンピュータ科学など、人や社会、自然環境への影響が懸念され、その規制や方向づけが問題となるテクノロジーのELSIについて、テクノロジーの研究開発と併せて、考察・検討が行われてきた。

データサイエンスや人工知能にも、さまざまなELSIが存在する。たとえば、その使い方によって人々の差別や偏見を増幅する可能性があるほか、人々の自由な選択を阻害したり、その選択の前提となる世界の認識をゆがめたりする危険性があることが知られている。また、自動運転車のように、人間の制御の手を離れて、機械が社会の中で自律的に作動するとき、その結果生じた危害の責任は誰が負うかという問題も議論が継続している。上記の数理・データサイエンス・AI教育プログラムの「心得」編では、こうした問題が扱われることが期待される。

ところが、身の回りを見ると人工知能やデータサイエンスを応用した製品やサービスがすでに社会に多く出回りつつあることがわかる。自動運転はまだ十分な自律性を有した製品・サービスは一般に登場してはいないものの、人工知能やデータサイエンスを応用して人間の選択を支援する、つまり人間の選択に影響を与えるサービスはすでに数多く存在し、学習データの性質によっては、その選択におけるバイアスや差別を増幅する可能性が常にある。これは、有名ICT企業における採用面接によるバイアス問題などで、一般によく知られている。

そうすると、大学教育に限らず、初等中等教育における人工知能・データサイエンスのELSI教育もすでに必要な時代に突入したと考えてよいだろう。

本シンポジウムでは、放送大学の数理・データサイエンス・AIリテラシー講座「心得」編の2人の講師に加え、初中等教育における人工知能のELSI問題に取り組む論者を迎えて、初中等教育および大学教育において、データサイエンス・人工知能のELSIについて何をどのように教育すべきかを考察する。

招待講演

  • 村上祐子立教大学教授: データサイエンス・人工知能のELSIと大学教育 ~デジタルシティズンシップとリベラルアーツ~
  • 辰己丈夫放送大学教授: 情報倫理教育における「数理・データサイエンス・AI」と放送大学の取り組み
  • 中園長新麗澤大学准教授: 初等中等教育における人工知能・データサイエンスとELSI教育

シンポジウム

  • 司会: 鈴木大助北陸大学教授
  • パネリスト: 村上祐子立教大学教授
  • パネリスト :辰己丈夫放送大学教授
  • パネリスト: 中園長新麗澤大学准教授
  • ディスカッサント:兼宗進大阪電気通信大学教授

後援

  • IEEE SSITJ(Society on Social Implications of Technology, Japan 技術の社会との関わり合いソサイエティ)   
  • (本シンポジウムは、科学研究費基盤研究(A)「ポストトゥルースの時代における新しい情報リテラシーの学際的探求」(研究代表:名古屋大学久木田水生准教授)(課題番号:19H00518)の助成を受けています。)

2022年3月開催「それは人を対象とする研究か:医学から社会科学まで、データサイエンスとAIの倫理を考えるI」

SITE/IOT/IA共催研究会

趣旨

電子情報通信学会技術と社会・倫理研究会(SITE研究会)は、2021年度電子情報通信学会連続講演・シンポジウムシリーズ「データの科学・技術のELSIとその教育」として、一連の講演・シンポジウムを開催してきました。

このシリーズの最終回として、本シンポジウムは、人に由来するデータを扱う科学として発展しつつある電子情報通信技術の倫理的・法的・社会的問題について、広い分野から識者を集めて議論・検討することを目的とする。

電子情報通信技術の発展と社会的浸透にともなって、従来の質問票調査によらずとも、さまざまな手法で人由来のデータを入手できるようになりつつある。たとえば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのインターネット上のコミュニケーションの痕跡を取得して分析したり、モノのインターネット(IoT)の発展と普及によって、行動や身体的・心理的状態に関するデータを直接人から取得したりすることが可能となっている。医療データの社会的活用に関しては、医療費のコストダウンに加えて、生活習慣病や遺伝的基盤を有する病気の治療やケアへの活用のため推進されつつある。これらのデータは、機械学習(いわゆるAI)の学習データとして活用させることで、医師の診断支援やセルフメディケーションへの活用も期待される。

ところが、こうした人由来のデータの取得・保存・利用活用には、広く法的・倫理的・社会的問題が存在することが知られている。医学生物学分野における人を対象とする研究は直接身体的・精神的侵襲が懸念され、その倫理や規制は、ニュルンベルク綱領以来着実に整備が進んできた。また、心理学や社会学、歴史(オーラルヒストリー)、文化人類学などの人文・社会科学分野の研究においても、人由来のデータの不適切な取扱いによる心理的・社会的危害の問題は指摘され、その対応が行われてきている。個人情報保護法や著作権法などの法的対応だけでは、十分な研究対象者・被験者・関係者の保護ができないことも知られてきた。医学生物学や心理学の研究倫理を厳格に適用した場合、社会科学的研究の実施が困難になる可能性も指摘されている。

そうすると規制を厳格にする、研究倫理が整備された分野の規制をほかの分野に転用して適用するだけでは研究が不可能になる可能性がある一方で、ELSIに関する配慮のない研究は被験者や研究対象者・関係者に社会的利益や彼らが得られる利益を上回る苦痛・苦悩を与える一方的なものとなったり、社会に対して思わぬ悪影響を与えたりする可能性がある。身勝手な研究推進は、研究対象者や公衆の信頼を失うことで、結果として研究資源の獲得・確保に支障をきたして研究を実施することができなくなる可能性がある。研究におけるELSIへの配慮は、健全な研究を実現し、研究分野に対する広く社会の信頼を構築・維持し、持続可能性がある健全な研究環境を整備するためにも不可欠のものとなっている。

本シンポジウムは、上記のような状況に照らして、幅広く現代における電子情報通信技術分野における人を対象とする研究に関して、そのELSIと教育に関して考察をする。 放送大学数理・データサイエンス・AI講座の「心得」編の講師陣に加えて、医療データの活用や、インターネット研究倫理ガイドラインにかかわる倫理・法の専門家を迎えて、総合的に、人を対象とし、または人由来のデータを研究する数理・データサイエンス・AIのELSIとその教育について、総合的に考察・議論を行う。

日時・場所

  • 京都大学 吉田キャンパス(ハイブリッド開催,主:現地開催,副:オンライン開催)
  • 2022年3月8日(火)
  • 9:20-12:00

聴講には、参加費が必要です。参加費は、会員・非会員等の区別によって変わります。

各講演の講演時間等、詳細なプログラムにつきましては 、こちらをご覧ください。

招待講演

  • 9:25~9:45 横野恵(早稲田大学社会科学総合学術院准教授):人由来のデータ活用のイノベーションとその倫理的問題:医療データを中心として
  • 9:45~10:05 大谷卓史(吉備国際大学アニメーション文化学部准教授):インターネット研究倫理:AoIRの倫理的判断を支える倫理ガイドライン
  • 10:05~10:25 加藤尚徳(株式会社KDDI総合研究所アナリスト):健康データ活用の法的側面:米国HIPPA等の規制から
  • 10:25~10:45 村上祐子(立教大学大学院人工知能科学研究科教授): デジタル版悪という凡庸 ~ AI/データサイエンス社会における差別と社会的偏見 ~
  • 10:45~11:05 辰己丈夫(放送大学教養学部教授):大学教育で ELSI を扱う際の構成や工夫について

シンポジウム

  • ディスカッサント:久木田水生(名古屋大学大学院情報学研究科准教授)
  • ディスカッサント:森下壮一郎(株式会社サイバーエージェント秋葉原ラボデータマイニングエンジニア)

後援

  • IEEE技術の社会との関わり合いソサイエティ(IEEE/SSITJ: The Society on Social Implications of Technology (SSIT) of the Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) Japan Chapter)
  • 科学研究費基盤研究(A)「ポストトゥルースの時代における新しい情報リテラシーの学際的探求」(研究代表:名古屋大学久木田水生准教授)(課題番号:19H00518)
  • 科学研究費基盤研究(B)「インターネット研究倫理の構築-倫理問題の考察と倫理ガイドラインの提案」(研究代表:吉備国際大学准教授大谷卓史)(課題番号:18H00608)

研究会への講演発表申込方法

技術と社会・倫理研究会(SITE)における講演発表を希望される方は、次の各項目を研究会発表申し込みシステムにて入力してお申し込みください。

研究会発表申し込みシステムhttp://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgid=SITE

 

申し込み研究会(発表希望日)

本文の言語

講演の分類

タイトル(和文、英文)

著者名(氏名、所属)

講演者

所属学会

発表概要(プログラム編成に使用します。キーワード程度で可)

連絡先、同報先

使用機器(PCプロジェクタ、OHP)

備考(発表に関して幹事に考慮してもらいたい事項などがある場合)

アンケート(会場セッティング、懇親会参加などについて)

 

参考:

  • なお、申し込みをされてから5日以内に受付確認の連絡がない場合は、お手数ですが、幹事までその旨をご連絡ください。
  • http://www.ieice.org/jpn/toukou/kenkyukai.htmlに詳細な案内があります
  • 講演発表申込締切は、通常、研究会開催日の約2ヵ月前です。
  • 原稿提出締切は、通常、研究会開催日の約1ヵ月前です。
  • 講演発表者は、原則として、電子情報通信学会員に限られます。そうでない場合は、幹事までご相談ください。

SITE研究会の運営体制

SITE研究会は下記のメンバーで運営を行なっています。

幹事

  • 委員長 大谷 卓史 (吉備国際大学)
  • 副委員長 辰己 丈夫(放送大学)
  • 副委員長 森下 壮一郎(サイバーエージェント)
  • 幹事 鈴木 大助(北陸大学)
  • 幹事 藤井 秀之 (NRIセキュアテクノロジー)
  • 幹事補佐 橘 雄介 (福岡工業大学)

専門委員

  • 高橋 寛幸(日本電信電話株式会社)
  • 宮田 純子 (芝浦工業大学)
  • 村上 祐子(立教大学)
  • 上田 浩(京都大学)
  • 山肩 大祐(日本医療情報システム総合研究所)
  • 鈴木 一弘(高知大学)
  • 上杉 志朗(松山短期大学)
  • 成瀬 一明(松山大学)
  • 杉山 典正 (大阪工業大学)
  • 多川 孝央 (九州大学)
  • 芳賀 高洋 (岐阜聖徳学園大学)
  • 川口 嘉奈子 (東京医療保健大学)
  • 壁谷 彰慶(東洋英和女学院大学)
  • 加藤 尚徳(KDDI総合研究所)
  • 吉永 敦征(山口県立大学)

顧問

電子情報通信学会技術と社会・倫理研究会顧問の長尾眞京都大学名誉教授が、2021年(令和3年)5月23日に亡くなられました。心からご冥福をお祈りします。
  • 辻井 重男(中央大学)
  • 田崎 三郎(愛媛県IT推進協会)
  • 稲垣 康善(豊橋技術科学大学)
  • 笠原 正雄(早稲田大学・中央大学)
  • 三木 哲也(電気通信大学)
  • 石﨑 靖敏(中央大学)
  • 鎌田 一雄(宇都宮大学)
  • 佐々木 良一(東京電機大学)
  • 酒井 善則(放送大学)
  • 木下 宏揚(神奈川大学)
  • 鶴原 稔也(仁ラボ)
  • 稲葉 宏幸(京都工芸繊維大学)
  • 中西 通雄 (追手門学院大学)
  • 吉開 範章 (日本大学)
  • 岡田 仁志 (国立情報学研究所)
  • 森住 哲也(神奈川大学)
  • 小川 賢 (神戸学院大学)

SITE研究会への連絡

SITE研究会へのご連絡・ご質問・ご要望等ありましたら下記のメールアドレスへお問い合せください。

SITE研究会 幹事
鈴木 大助(北陸大学)
si-conct