第5章 電子メールを使いこなす



5.4 マナー・エチケットと楽しいメール

 電子メールはとても簡単に使えますが、メールを受け取る相手のことを考えることも重要です。不必要なメールを出したりしないよう、気をつけなければなりせん。特に初めての相手に出すときは、相手のメールシステムやメールソフトがあなたと違うことがありますから、十分な注意が必要です。

 メールの使い方やマナーを守ることが、インターネットへの参加のエチケットです。最近ではインターネットのネットワーク上のエチケットを「ネチケット」と呼ぶくらいにマナーが重要な問題となっています。5.2節や5.3節でもマナーを考えた設定や送信・受信を説明してきましたが、ここではもう少し補足をしておきます。


5.4.1 メールを出すときの日本語文字についての注意

(a)メールのヘッダ部分(SubjectやFrom)には日本語を入れないようにしましょう。あるいは、英語またはローマ字(つまり半角英数モード)で書いて、その後に日本語を書きましょう。ずいぶん減って来ましたが、メールのシステムによっては、日本語の文字コードを通さないものが一部あります。受信ソフトウェアによっては、日本語の文字コードを表示できないものがあります。

(b)メールの本文部分については、日本語を書いて問題ありません。ただし、相手が読めることを確認してからにした方が無難です。初めての相手へのメールなどでは、英語またはローマ字で「はじめまして」の文章を書いて、その後で、日本語を書いた方が安全です。相手から日本語を受け取って、その返事を書くのならば、最初から日本語で大丈夫です。

(c)メールの本文部分でも、特に「半角カナ」文字は絶対に避けてください。「半角英数記号」は大丈夫です。たいていのメールシステムは、「半角カナ」文字を通しません。例えば、「半角カナを含んでいるので送れません」のメッセージが返ることがあります(図5-17)。そのような場合、書いた文章の「半角カナ」文字を探すには、お使いのワープロの検索機能を使います。検索できたら、「半角カナ」文字を他の文字に変更しましょう。

図5-17 「半角カナ」は使わないようにしましょう

(d)「半角カナ」以外にも、丸で囲んだ数字、などは受信側で文字化けすることがあります。使わない方が無難でしょう。

(e)「半角カナ」は、本人は気づきにくい問題です。会社内で使う個別のメールシステムなどでは「半角カナ」は問題なく通ってしまいます。自分へメールを送って、自分で受信するときも、場合によって通ってしまうことがあります。「半角カナ」が通らないのは、インターネットのネットワークで、メールを次々と転送して行く場合に多いからです。親しい人からのメールが「半角カナ」らしい原因で文字化けしていたら、教えてあげましょう。


5.4.2 メールの文章のスタイル

(a)メールの本文のスタイルに関して、特に決まりはありません。通常のレターと同様に、出す相手によって、おのずとスタイルが違うでしょう。ただし、メールは人間関係をフレンドリィにします。メールを使いだしてから、組織のビューロクラテッィクな部分が無くなり、ビジネスがアグレッシブになった、と電子メールの先進国アメリカではいわれています。

(b)そうはいっても、「拝啓」や「敬具」などは使わないでしょうし、やはり、慣例化したスタイルはあるようです。以下に、最大公約数的なスタイルを2例、挙げておきます。

(c)少しフォーマルな例。

(d)かなりカジュアルな例。


5.4.3 顔文字と略号を使ってメールを楽しく

 メールを使い始めた方で、ちょっと変わった記号(顔の形をした文字)や略号を受け取って「これは何だろう」と思われたこともあるでしょう。顔文字や略号は、さらに人間関係をフレンドリィにします。以下に代表的なものをあげておきましょう。顔文字や略号は、みんなで合意・確認されたものではありませんので、使い方に注意しましょう。また、当然のことですが、親しい関係の人のみに使いましょう。

(a)顔文字

    うれしい   (^_^)  (^o^)   )^o^(  (*^_^*)  (^J^) 
 
    かなしい   (;O;)  (;_:)   (; ;)  (T.T)   (T_T)

    びっくり      (@_@)  (@_@!  (+_+)  (*_*)

    あせった   (^_^;)  (¨;)  (O.O;)

    ねむいよ   (~O~)  (-.-)

    困ったね   (_Z_)  (_-_)

(b)略号

    ASAP        As soon as possible
    BTW         By the way
    FYI        For your information
    IMCO        In my considered opinion
    IMHO        In my humble opinion
    IMO         In my opinion
    IOW         In other words
    NRN         No Reply Necessary
    OTOH        On the other hand
    TIA         Thanks In Advance

5.4.4 メールのアドレス変更は住所変更と同じです

(a)プロバイダを変更したときや、会社のLANなどにつながっているパソコンを移設するときは、かならずプロバイダやメールシステムの管理者に連絡しましょう。連絡なしに移設すると、メールサーバの中に、あなた宛のメールがずーと溜まったままになってしまうおそれがあります。メールの使用を止めたときなどにも、連絡しましょう。

(b)メールアドレスを変更したときは、変更した旨のメールをよく出す相手に出しましょう。住所変更と同じですね。同時に、古い方のプロバイダやメールシステムの管理者にも連絡しましょう。しばらくの間、古いアドレスへ来たメールを、新しいアドレスへ転送してくれるでしょう。これも郵便の転送サービスと同じですね。


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