研究会概要

設立目的

メディア処理技術やそれを用いた放送,媒体,ネットワークメディアの発展に伴い,ディジタル化された文書,写真,映画,音楽などのデジタルコンテンツの流通が急増し,社会事業や産業への適用が進んでいます.また,通信・放送メディアの融合やデジタル・アナログメディアの融合といった異種メディア融合の進展や,複数メディアに同一コンテンツを出力するクロスメディア化の進展により,これまで考えられなかったコンテンツの流通形態が生まれています.

このようにメディア上のコンテンツ流通が急速に多様化・複雑化するなかで,セキュリティ対策やプライバシ保護によるコンテンツの保護や,メディアに依存したコンテンツの統合方法や高付加価値化が強く求められています.そこで,メディアを流通するコンテンツの『価値』を守る・高める・創るための技術および制度設計について,コンテンツ種別の垣根を掃って,幅広い議論や意見交換を行う場として,本研究専門委員会は設立されました.

なお本研究専門委員会は画像工学研究専門委員会(IE)において2007年5月に発足した第2種研究会マルチメディア情報ハイディング研究会(MIH)の運営母体を発展させたものです.

研究分野

本研究専門委員会では以下のような研究分野を扱います.

EMM研究会の位置づけ

(1) コンテンツの価値を守る研究

多様なメディアを流通するコンテンツを対象としたセキュリティ基盤技術,およびセキュリティシステムに関連する技術などを対象とします.

キーワード
メディアセキュリティ,コンテンツセキュリティ,ディジタル著作権管理,真正性保証,フォレンジクス,プライバシ保護,コンテンツデリバリネットワーク,アクセス制御,秘匿通信,匿名通信,秘密分散,難読化,電子透かし,ディジタル指紋,ステガノグラフィ,ステガナリシスなど

(2) コンテンツの価値を高める研究

すでに存在するコンテンツを処理・変換することにより価値を高める技術などを対象とします.

キーワード
コンテンツ統合,異種メディア融合,異種メディア横断検索,マルチメディアアーカイブシステム,コンテンツ処理,メディア修復,マルチメディア・アノテーション,マルチメディア自動要約など

(3) コンテンツの価値を創る研究

複数のコンテンツの統合,新たなコンテンツ提示方法,コンテンツの流通方法等を検討することで,新しいメディアを創造しその価値を高める分野などを対象とします.

キーワード
コンテンツ設計,臨場感生成,ユニバーサルメディア,ディジタルエンタテインメントなど

(4) コンテンツの価値を測る研究

コンテンツの品質を主観的,客観的に評価する技術を対象とします.

キーワード
コンテンツ評価,画質・音質評価,知覚・認知メトリクス,人間視聴覚システムなど