会長だより

第3号(2020年5月27日配信)

会長だより 2020.5 第3号

中沢 正隆

 皆さんこんにちは。全国に非常事態宣言が出されて約2か月近くが経ち、最近それらがようやく解除されました。新型コロナウイルスへの感染は少なくなってきていますが、すべて駆逐したわけではありませんので、今後とも気を抜かないで「3密防止」のもと新しい普段の生活を始めるのが重要かと思います。会員の皆様方におかれましても日々の生活に不自由なところがおありかと思いますが、今後とも健康に留意して過ごされますよう祈念しております。
 今日は第3号の会長だよりをお送りいたします。早いもので毎年6月に開催される電子情報通信学会の定時社員総会が近くなってきました。昨年6月に会長に就任し、信学会の改革に取り組んできました。昨年6月から今年の2月までは通常の学会運営でしたが、新型コロナの発生以後、ほぼ全ての活動が中止や延期になり、自宅でのテレワークが主体となってしまいました。従いまして、今年2~5月の間の皆さんへのお便りはOn-lineでの理事会や支部との情報共有・意見交換のための拡大幹部会議でのことについてであります。その中でも、私が任期の内に道筋をつけたかったことに関して進展がありましたので、それらについて簡単にご報告致します。

① 電子情報通信学会の体制強化について

 昨年会長就任以来、ソサイティの運営や連携さらには本部とソサイティのつながりを強化し、学会全体の発展のために「CEO」的な専任の職員を新たに雇用して体制強化を図ることを目指してきました。そこで体制強化に向けてのアドホック委員会を設けその中で議論してきました。何回か議論しできた結果、本部に新たに専従の職員を配置しその任に当たっていただくことを決めました。今後の運営に当たっては各ソサイティと密接に協議したうえで、御支援・御協力を頂くことになると思いますので宜しくお願い致します。

② 支部の本部、支部間の連携強化に向けて

 信学会の体制強化に向けての会議の中でもう一つ重要な決定があります。それは本部と支部、支部間の連携を担当する職員を配置することになったことです。本年度の重要な課題として、支部の活性化のために我々がなすべきことは何か、ということを話し合ってきましたが、その結果新職員を配置することになりました。第2回の会長便りでお話し致しましたように、理事会を東北支部で開催し、その後支部合同の拡大幹部会議を持ちました。その中でいただいた多くの意見を基に、新たな職員の配置を決めたものです。
 先日の理事会の後、10支部の役員にも参加していただき本部の役員とOn-lineの拡大幹部会議を開催いたしました。各支部からは以下のような貴重なご意見を頂きました

  • 支部運営のノウハウ(プラットフォーム)を各支部で共有したい。
  • 各支部間の情報交換・支部間連携、さらにはお互いに学ぶことが重要。
  • 本部の考えが良く判らないところがあるので、情報共有を細かく、早めにお願いした い。
  • 支部連合大会などへの参加者を多くしていきたいが、本部も一緒に考えて欲しい。

 今後本部における支部担当職員の配置を含めて、各支部と相談して進めていきたいと思います。
 また今年度からは理事会に各支部長がオブザーバー参加できるようになりました。是非、支部と本部さらにはソサイティ連携を横糸・縦糸として活発に進めていって頂きたいと思います。
 信学会の懸念される事項として、毎年論文数が減少していることです。上記の支部活動の活性化がその歯止めの一助になる可能性があるのではないかと思っています。今までは論文というと各ソサイティの中の話でしたが、支部活動が活発化すれば、その支部に所属する多くの異なったソサイティの会員の間で情報交換や連携ができます。それに、各支部には地元に根付いた文化や伝統がありましすし、なんといっても会員は身近にいます。このような切り口で新たな論文を発表していくことも可能ではないかと思います。支部の皆さんにはチャレンジしていただけると嬉しく思います。

③ 電気学会との強力な連携に向けて

 広島での総合大会において電気学会と電子情報通信学会の合同企画として「社会インフラの自然災害へのレジリエンスに向けた電気・通信技術」と題した特別セッションを開催予定でしたが実現できませんでした。しかし、今年の秋には電気学会ならびに信学会の方でその連携企画が掲載される予定です。電気学会との強い連携については今年度を端緒として発展していくことを期待しています。笹瀬次期会長とは同じ意識を持って取り組んできていますので、今後更なる発展が期待されるところです。

 最近、残念に感じたことを述べます。それはコロナウイルスへの対応の中で、On-line会議、授業、あるいはテレワークなどの言葉をよく耳にしますが、ICTを革新してきた電子情報通信学会への要望や質問あるいは感謝の言葉などがどこにもないことです。5G、光通信、電子・光デバイス、通信ネットワーク技術、AIをはじめとする情報処理技術の総本山は電子情報通信学会であるということが皆さんに判って頂けているのか。信学会からの広報が足りないのかもしれませんが、我々の学会に関しての言葉はどこにも出てきません。会長だからではなく、通信技術をやってきたものとしては、なんかつらい気分になりました。ICTは日本だけではなく世界中で発展を遂げ、今や空気のようになっているからかもしれません。しかし、我々が頑張っているのでコロナへの対応が可能なのだよ、とつい言いたくもなります。情報と通信をつかさどる信学会は「コロナ後」に向けて重要な使命が待っており、今後とも世の中のために新たなICT技術を開発していくことが一層期待されています。「コロナ後」は社会や経済をどのように安全に再生させていくかが問われるわけですが、今こそ我々信学会の会員の出番だと思います。皆さん頑張ってやりましょう。

 最後になりますが、1年間の会長任期がアッという間に終わろうとしています。今年度打った新たな施策が電子情報通信学会の発展に役立つことを信じ、未来に輝く電子情報通信学会に繋がっていくことを祈念して、私の会長だよりを閉じたいと思います。短い間でしたが有難うございました。次回からは笹瀬次期会長に繋がっていきますので、ご期待ください。

第2号(2020年3月27日配信)

会長だより 2020.3 第2号

中沢 正隆

 桜が咲き、いよいよ春本番の季節となってきました。例年なら卒業・入学あるいは入社式のシーズンですが、新型コロナウイルスのためそれらの開催の中止を余儀なくされています。会員の皆様方におかれましても日々の生活に不自由なところがおありかと思いますが、何よりも健康に留意して過ごされますよう祈念しております。
 今日は第2号の会長だよりをお送りいたします。昨年12月から今年に入って主な行事あるいは取り組みとして以下のことをご報告いたします。

  • ① 広島大学における春の総合大会を中止
  • ② 電気学会との強い連携を目指した第1回役員懇談会の開催
  • ③ 東北支部における理事会および支部連携拡大幹部会の開催
  • ④ 総務省との意見交換会

① 広島大学における春の総合大会を中止

 時間は前後いたしますが、重要なことなので最初にお話いたします。今年の春の総合大会は広島大学のキャンパスをお借りして開催予定でした。最後まで、開催の可能性を探っていろいろ検討していましたが、今回のことの重要性に鑑み、やむなく中止させていただくことになりました。大変残念ではありますが万一のことを考え、苦渋の決断でした。準備されていた学術講演、プレナリーセッション、フェローならびに学術奨励賞の贈呈式、ならびに支部連絡会議などを挙行できませんでしたこと、お詫び申し上げます。また、開催に向けて長い間準備に携わっていただいた現地準備委員会、本部実行委員会、ならびに関係者の皆様に厚くお礼申し上げるとともに、改めて広島大学で大会が開催される日を心待ちにしております。今回の新型ウイルスが拡大していく中で、電子情報通信学会ばかりでなく電気学会、情報処理学会(現地開催中止、オンライン開催)、応用物理学会など多くの大会も中止されました。誠に残念ですが、今の状況では致し方ないことと思います。

② 電気学会との強い連携を目指した第1回会合の開催

 2月19日に電気学会との連携を深めお互いの発展のために、公式な第1回の役員懇談会を開催いたしました。両学会の会長・副会長をはじめ企画戦略室長ならびに両事務局長も参加しての本格的な意見交換会でした。その時の会議の様子を写真1に示します。電気学会と本会は昔の逓信省の所轄分野から発足しておりまして、他の学会と比べて兄弟のように親密な関係であるともいえます。エネルギーを取り扱う電気学会と通信を取り扱う本会が連携して新たな分野を構築したり、お互いのいいところを学び合って、将来の学会発展のために生かしていくことが重要と思っています。

役員懇談会の様子 役員懇談会の様子
写真1 役員懇談会の様子

 会議の内容としましてはお互いの学会の会員数の推移、収支状況、論文誌の状況、大会・研究会・国際会議の状況、最近のトピックスなどについて話し合いました。会員減少や少々プラスの収支などおおよその状況が似ているように思いました。その後の意見交換会では以下のようなご意見がありましたので共有したいと思います。

  • 最近は短期間で比較的すぐ儲かるような技術が多くみられ、学会がなくても進められる話が増えてきている。 腰を落ち着けて大きな技術開発に取り組む話が少なくなってきている。
  • 海外ジャーナルへの投稿が多く、どのようにして我々の学会に優れた論文を投稿してもらえるようにしていくのか。
  • 連携を進めることで、具体的には仕組みを共通化、システム化することによる効率化、シナジーを出すことで新領域開拓につながっていくことが重要。
  • 企業会員が減っているのは気になる。昔は大会に学生が参加すると企業研究者から厳しいコメントがあった。企業同士の研究者の議論もさかんだったが、最近は少ない。
  • 企業が学会活動に参加しなくなってきている。外から情報を得て見つめなおすことをしていない。 外から学ばないといけないにもかかわらず、学会に行かないし、会員にもならない。また、学生会員は企業に入ると止めてしまう。
  • 若い会員、海外会員は学会に価値を感じていない。ブランディングが必要。そのために一番重要なことはインパクト・ファクター向上が必要ではないか。
  • 若い人の勉強する意欲が減っている。新たな本もあまり出版されない。知識を集約してアピールしないといけないが、負のスパイラルになっているのではないか。
  • 両学会とも収支が黒字なので、現状のまま進めようとする。危機感が足りない。

などであります。今回の会議は単にお互いの意見交換だけではなく、実際に電気学会と電子情報通信学会の合同企画として「社会インフラの自然災害へのレジリエンスに向けた電気・通信技術」と題した特別セッションを広島大学で開催予定でした。今回は中止になりましたが、次回に延期ということで、具体的な電気学会との連携がスタートしていることをお知らせしたいと思います。写真2は会議の後の懇親会の様子(注:新型コロナウイルスの自粛要請前のもので今はこのような懇親会は自粛しています)です。互いの情報交換のため大変有意義でありました。今後このような会議を毎年設けて協力できるところをお互いに増やしていけることを嬉しく思っています。

懇親会の後の記念写真
写真2 懇親会の後の記念写真(注: 参照)

③ 東北支部における理事会および支部合同幹部会の開催

 2月17日に本会始まって103年を経て初めて、支部で理事会を開催しさらに支部の役員と密接な意見交換をface-to-faceで行いました。第1回の会長だよりでお話ししましたように、支部と本部との意思疎通を図るために支部に行ってface-to-faceで拡大幹部会(理事会メンバ+支部メンバ)を開催し、支部と理事会・本部事務局が直接対話して支部活動をサポートすることが重要であるとお話いたしました。私が東北支部の出身であることから、東北支部にお願いしましたところ快くお引き受けくださり、米沢支部長をはじめ幹部の方々と色々なお話ができました。この場をお借りして東北支部の皆さま、お世話になりました東北大学電気通信研究所に厚くお礼申し上げます。写真3はその会議の様子であります。会議では多くのご意見を頂きました。全部を紹介することはできませんが、重要な提案として以下のご意見を頂きました。

  1. 各支部の運営ノウハウの共有
    • ドキュメントなどが共有できる共通プラットフォームの整備
  2. 事務処理の効率化
    • 会計管理の標準システム化
    • 職員の支部配置あるいは共通業務の本部集約
  3. 運営にかかわる人のモチベーション向上のための制度
    • ソサイティ・支部の優れた実績(事業・運営など)を評価する仕組みの導入

これらのご意見は全支部の運営にかかわるもので、できることは早急に進めていくことをお約束いたしました。また、今後の各支部との会議で役立てていきたいと思います。

東北支部との拡大幹部会
写真3 東北支部との拡大幹部会(東北大学電気通信研究所にて)

 その後場所を移して、東北支部の皆さんと本部役員・事務局の皆さんとで懇親会を持ちました。その様子を写真4に示します(注:新型コロナウイルスの自粛要請前のもので今はこのような懇親会は自粛しています)。支部の幹部とこのような形でface-to-faceでフランクにお話できたのは大変いいことであったと思います。また驚いたことに、理事会の20人以上のメンバーで懇親を深めたのは初めてであり、今後理事会においても懇親会などもう少し余裕をもって学会の運営に当たることが重要と思った次第です。次期会長の笹瀬先生はそのことも考慮して理事会を運営されるとのことで嬉しく思っています。支部との合同拡大会議は年に2回ほどの割合で開催し5年をかけて全部を回る一方で、毎年2回開催される全支部参加の支部会議を通じて、支部の更なる発展ならびに本部との連携の促進を願っています。

東北支部との拡大幹部会
写真4 東北支部幹部と理事及び事務局の懇親会(注:参照)

④ 総務省との意見交換会

 ちょっとさかのぼりますが昨年12月の始めに、情報通信の監督官庁である総務省との意見交換会を行いました。これは10年ほど前に学会と省庁との連携の一環として始めた会であります。総務省の国際戦略局の局長をはじめ、官房審議官、多くの課長クラスの方が出席してくださり、こちらからも会長、次期会長、副会長、ソサイティ会長が参加いたしました。はじめに総務省の各課における戦略や今後のプロジェクト、予算の申請状況などをお話しいただきました。こちらからは信学会の現状と課題さらには各ソサイティの活動状況を話しました。2時間ほどの会合でしたが、学会側にとっては国の施策や情報通信に対する将来ビジョンが良く判りました。総務省側からは、彼らが掲げる施策の屋台骨を支えてくれているのが電子情報通信学会であることがソサイティ会長の話を聞いて良く判ったとの話をお聞きし、嬉しく思った次第です。色々お聞きしたいこともあったのですが、時間が足りなくなり、それが残念でした。意見交換会の最後に、今後の信学会の活動により積極的に参加していただけるようにお願いした次第です。おかげで、今年度から本会の維持員(賛助会員)になって頂くことができました。
 このような国の機関とアカデミアあるいは企業の間を橋渡しする活動も本学会にとっては重要であり、今後も大事にしていきたい活動です。また昨年より本会の企画戦略室が中心となって省庁連携の特別講演会を開催しており、毎回満員の状況です。これらの活動に鑑み省庁の施策を直接会員の皆さんにお伝えすべく、省庁だよりのページを会誌に掲載する予定であります。

 最後になりますが、3月の総合大会で本部・支部ならびに支部・支部連携や電気学会との連携を深めていく予定でしたが、それがかなわず残念でありました。しかし、支部連携は本会の発展にとって不可欠であり、できるだけ早急に次のアクションを取っていきたいと思います。また電気学会との合同セッションで新たな融合分野の創出を目指し、活動がスタートしていますので次回に期待していす。
 会員の皆様におかれましては、普段の生活とは少し異なった活動状況と思われますが、お体ご自愛ください。

第1号(2020年1月4日配信)

会長だより 2020.1 第1号

中沢 正隆

 新年明けましておめでとうございます。

 会長の中沢です。2020年1月から「会長だより」を電子版で始めることに致しました。どうぞ宜しくお願い致します。年3~4回お便りを出す予定で、次期会長にも繋がっていきます。会長だよりを始めるきっかけは、電気学会中川会長との学会連携などに関する意見交換会の中で、中川会長が「会長からのShort Message」を始められるということで、一緒に始めませんかとご提案がありました。これは大変いいことだとの思いから電子情報通信学会としても今日の運びとなりました。
 どのようなことを書くか、長さも自由とのことですが、まずは会員の皆さんに電子情報通信学会がどのように運営されているか、いくつかのトピックスを通じて私が感じていることをお話ししたいと思います。昨年の6月に会長に就任し、早6か月が経過しました。その間学会が抱える様々な課題について理事会を中心に一歩一歩改革を進めてきています。昨年の9月から12月にかけての活動について皆さんにご報告し、共有したい案件が3つあります。その3つとは、

  • ① 大阪大学におけるソサイティ大会での支部との意見交換会
  • ② CEATEC 特別シンポジウム講演会
  • ③ 名誉員・歴代会長を囲む会

でありますが、これらについてお話ししたいと思います。

① 大阪大学におけるソサイティ大会での支部との意見交換会

 本学会の各研究開発分野に関してはソサイティ制度があって活発に活動されているわけですが、支部活動に関しては、各支部がどのように考えて活動をしているか、理事会との連携など希薄な面がありました。そこで、思い切って、9月大阪大学でのソサイティ大会の折、10支部の支部長とヒアリング&意見交換をしました。会長と支部長が面と向かって話すことは今まではなく、本部が考えていること、支部が考えていること、また両者の課題を率直に話し合いました。多くの貴重なご意見を頂き、今後もこのような直接対話の意見交換を積極的に行っていくことの重要性をお互いに認識させていただきました。全支部長が集まって頂けましたので、お互いの課題や支部間の連携についても話し合うことができました。いただいたご意見は大変貴重なものであり、今後の支部運営に役立てていきたいと思います。
 その折感じたのは、我々は今までソサイティの重要性と同じくらいの重みで支部を大事にしてきたのかという思いでありました。以前より、支部の意見を聞くためにその支部に行って拡大幹部会(理事会メンバ+支部メンバ)を開催し、支部と理事会が直接対話して支部活動をサポートすることが重要と考えておりました。この思いがさらに強くなり、理事会との支部連携拡大幹部会を今年の2月に東北支部でキックオフする予定であります。年2回程度の支部開催を検討中であり、10支部ありますので5年程度で支部全部を回れることになります。これにより支部活動が一層活発になることを期待しています。余談ですがこのような試みはIEEEの日本支部では以前から行われており、Sectionと呼ばれる支部の運営が本部と直結しています。

② CEATEC 特別シンポジウム講演会

 10月に幕張メッセでCEATECが開催されましたが、2011年から電子情報通信学会はこのような講演会を開催しております。CEATECで開催される数十の講演会の中でも、本会の特別講演会は予約でいっぱいとなり、当日500名近く入る会場は満員でした。私は最初に電子情報通信学会を紹介し、その魅力や今日の情報通信社会における重要性をアピールしました。そして我々の学会をよく知っていただくための行事を継続的に進めていくことが重要と思った次第です。その後3名の著名な講演者に大変興味深いご講演をいただきました。写真は宇宙飛行士の山崎直子さんとご講演の後、一緒に写真を取らせていただいたものです。講演会が終わった後、「自分は応物学会と機械学会に入っているのだが、電子情報通信学会にも入ってみたい」という方が一人現れましたので、「是非ご加入ください」とお話しした次第です。Society 5.0や 5Gの実現には電子情報通信学会の活動が大きな役割を果たしておりますので、会員の皆様も周りの方に我々の学会の魅力をアピールしていただければと思います。それが少しでも会員数の増加につながっていけば嬉しい限りです。

CEATEC 特別シンポジウム講演会

③ 名誉員・歴代会長を囲む会

 毎年10月に本会の名誉員・歴代会長をお招きして本会の運営に関する意見交換会を開催しております。例年20~30名の諸先輩が参加してくださり、電子情報通信学会の問題点、将来ビジョンなど様々な方面からご意見を頂いています。出席者の中には素晴らしいいご意見を持ちながらもお話になられないでお帰りになる方も毎年いらっしゃいます。それは大変もったいないことなので、今年はご出席くださった全員の方に思うところをお話ししていただきました。大変示唆に富んだご意見を多くの方から頂き、大きな励みになっています。初めて参加した現役の理事の中には針のむしろになっていろいろ言われるのかと思っていたという者もいましたが、そのようなことはなく、本学会が繁栄していくための愛情のこもったご意見を沢山いただきました。特に企業会員の増加、広報、学会としての情報発信、将来ビジョンについて貴重なご意見を頂き、参加していただいた諸先輩にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。

 最後ですが、今重要と思うことを述べます。情報通信が発達するほど、情報通信に魅力を感ずる人たちが増えてくれればいいのですが、現状は会員の減少を食い止めることができていません。色々な問題があると思いますが、やはり、次世代の情報通信技術は新たな研究分野から生まれるわけですので、本学会の論文誌にそのような種を沢山発表していただけることを期待しています。会員増強に向けて他にもいろいろな施策があろうかと思います。この件についてお考えがありましたら、事務局にご意見をお寄せください。