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研究賞2019年被表彰者

委員による厳正な審査の結果,2019年の優秀研究賞・学生研究賞はそれぞれ以下のように決定しました(2020年1月16日決定,2020年2月16日公表).なお,規程に基づき,優秀研究賞は共著者を含む全員,学生研究賞は筆頭著者である学生が表彰の対象となります.

優秀研究賞 (Best Paper Award)

受賞者

武井友香・宮太郎・後藤 淳(NHK)

タイトル

感情極性に着目したトレンド情報抽出手法の検討

概要

放送局では,SNS上で話題となっている出来事を番組の題材として取り上げることが多々ある.話題の情報を効率的に見つけるために,リツイート等の反響件数を参考にする場合もあるが,それらの情報は携帯ゲームや企業広告などに関するものであることが多く,番組制作に不要な情報も多く含まれている.そこで本稿では,反響件数だけでなく,投稿文が示す感情極性に着目する.SNS上の感情は現実の出来事の発生を反映しており, SNS上で話題の情報を抽出する際に有効な指標であると考えられる.放送局内で共有している情報を基に評価した結果,SNS投稿文の感情極性割合を時系列に解析することで,投稿件数のみに着目した手法よりも番組制作に役立つ情報を抽出できることを確認した.

選奨理由

SNS上の感情の変化を捉えるために,SNS投稿文が示す感情極性割合の変化に着目したトレンド情報抽出手法を提案し,その性能評価を行った研究です.SNS上の感情極性に着目し,ニューラルネットワーク手法によって感情極性を分類している点に萌芽性があり,加えて,評価実験から提案手法の有用性が示されている.さらに,定性的な分析が十分になれており,信頼性も高いといえる.これらの萌芽性,有用性,信頼性から本研究が優秀研究賞にふさわしいと判断しました.

学生研究賞 (Best Student Paper Award)

受賞者

高木涼太(和歌山大)

タイトル

既知の単語の分散表現を用いた未知の複合語の分散表現の推定法

  • 2019年9月28日 第15回テキストアナリティクス・シンポジウム@成蹊大学 における発表
  • 著者:高木涼太・風間一洋(和歌山大)・榊 剛史(ホットリンク)
概要

近年,単語の意味を低次元のベクトル表現として扱う分散表現が広く使われている.この分散表現を求める手法は様々であるが,例えば Mikolov らが提案した word2vec では,単語とその周辺の単語をニューラルネットワー クで学習し,学習結果の中間層の重みのベクトルを分散表現として用いる.しかし,word2vec では学習に用いた単語の分散表現しか得られないために,既知の単語を組み合わせた複合語であっても再学習する必要があるが,そのためには多大な追加コストが必要になる.このような再学習を避けるために,本稿では,学習済みの分散表現データと単語に関する統計値を用いて,未知の複合語の分散表現を比較的高い精度で推定する手法を提案する.実際には,日本語の複合語を構成する名詞間の修飾関係に着目して,単名詞 2-gram の連接頻度から重み付けを行う.さらに,単語の分散表現から文の分散表現を求めるために用いられるベクトルの単純平均や Arora らの手法などと類似度・MRR を比較し,提案手法の有効性を示す.

選奨理由

既知の単語の分散表現を用いて,未知の複合語の分散表現を推定する手法を提案し,コサイン類似度を用いて評価実験した研究です.複合語の未知語に着目し,既存の単語の分散表現を利用することで,その分散表現を得ようとする試みに高い萌芽性があると考えられます.また,多くの比較手法をコサイン類似度の平均・分散などの様々な指標で評価しているのに加え,エラー解析もされていることから,信頼性だけではなく,どのように改善していけばよくなるかを示していることで将来性もあると考えられます.上記のような,萌芽性・将来性という観点から,本研究が学生研究賞にふさわしいと判断しました.

リンク

最終更新時間:2020年03月26日 18時22分35秒