HCS研究会 2010年3月研究会参加報告記 †報告者: 大武美香(筑波大学 図書館情報メディア研究科) 報告 †私はこのHCS研究会が初めての学会参加でした。その初めての学会が合宿形式で、私の発表は2日目であったため、発表に対する緊張の他にも、自分の発表が終わるまで1日目から緊張したまま過ごすことになるだろうという不安・知らない人達と過ごすことへの不安を抱えつつ当日を迎えました。しかしいざ発表を聴講してみると、自分の予想していた学会のイメージより和やかな雰囲気の中、発表や質疑が行われていることが分かりました。また同室になった方々は皆とても明るく優しい人達で、リラックスして過ごすことが出来ました。 私は3人によるコミュニケーションが食事の有無によってどう変化するか、発話に着目した分析について発表しました*1。発表中はさすがに緊張してしまって、聴講者に言いたいことが伝わっているか、丁寧に説明できているのか、自分でも分からないまま話してしまいました。しかし質疑の時間では予想以上に多くの方々から質問やコメントを戴き、自分が発表した内容を理解してくれたのだと実感できて安心しました。「なぜ沈黙をこのように定義したのですか?」や「発話の話題の変化にも着目するとまた面白い結果が出るかもしれませんね」などという質問・コメントは、今後研究を進める上でとても参考になりました。 私は一般発表として学会に参加しましたが、ワークショップでは多様な分野の発表がありとても聴き応えがありました。特に印象に残った発表は、産総研の山本吉伸先生の「コミュニケーションメディアの変遷からみる次世代のメディア」です*2。電話が発明されて以来、電子メール、IM、Twitterと時代が進むにつれて、データのサイズが小さいメディアがより多くのユーザを獲得しているという話は、普段Twitterを使用しているのにそのようなことに全く気が付いていなかったため大変驚きました。 一般発表では東京電機大学の北村裕貴さんらの「「人の視線」と「ロボットの視線」が伝える意図の比較分析 - ロボットの「コチラガホシイ」の視線動作デザイン -」が印象に残りました*3。人の視線動作を観察して実装したロボットの「いる」「いらない」の視線動作は人と同様に理解されるが、「欲しい」と解釈される凝視時間については人と同じように解釈されない、という実験結果は、人の行動と同じことをロボットにさせてもそのように解釈されないこともあるのかと大変興味深かったです。 最後になりましたが、研究会の運営などを行っていただいた全ての皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。 |