
システム数理と応用(MSS)研究専門委員会の前身であるコンカレント工学研究専門委員会(CST)は、平成5年に創設され、我が国のコンカレントシステムに関する研究を牽引してきました。
分散協調システム、自律分散システム、グループウェアなどの非手続き型人間ー機械系システムのコンカンレントモデリング、並行・非同期・協調 動作解析、性能評価およびその実現手法を系統的に研究し、人間を含む分散非同期システムの効率的でオープンな戦略的運用を可能とするコンカレント制御機構を追求することにより、無集中管理を念頭においた知的自律個の相互通信による協調や柔軟なシステム統合といった将来の重要な工学的課題に対する、ネット理論的な図的アプローチ、オブジェクト指向などの言語論的・代数的アプローチ、人工知能・シナジェティクスなどの認知論的・生物学的アプローチを、コンカレント工学(Concurrent System Technology)として統合・確立することを目的とする。
以来、通信・情報システムを取り巻く環境は大きく変化し、システムの信頼性への要求はますます高まっています。複数のシステム・プロセスが複雑に情報交換を行うようなコンカレントな振る舞いを洗い出すには、何らかの数理的な手法が必要不可欠となっています。すでに、ソフトウェアやハードウェアの検証では、モデル検査法を代表とする数理的手法と呼ばれる方法論が普及してきています。このような問題はまさにコンカレントシステムの問題であり、CSTの中心的な研究課題でありました。しかし、現状では、対象の数理モデルを作成し、そのモデルを用いて解析・設計・制御する「数理的アプローチ」もしくは「数理的手法」という表現で扱われることが多くなっています。また、CSTで扱われる研究対象も創設時に比べると大きく広がりました。
このような実情を考慮し、研究会の実態に合わせるため、名称をより普遍的な「システム数理と応用研究専門委員会」(Mathematical Systems Science and its Applications: 略称MSS)に変更することになりました。CSTで活動されてきた研究者・技術者が中心となってMSSを発足させますが、数理的手法に関心を持つ研究者・技術者の参加を広く呼びかけ、電子情報通信学会における数理的手法の研究拠点として、電子情報通信分野の発展に大きく貢献する研究専門委員会となることを目指しています。


