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ヒューマンコミュニケーション賞について

更新:2022年12月22日(木)

本研究会では規定に従って、優秀な発表にヒューマンコミュニケーション賞を贈呈しています。ふるって御発表ください。

2022年度受賞者(受賞:2022年12月)

  • 題目:スポーツ中継番組への解説音声サービスの実証実験における視覚障害者の受容性調査
  • 著者:一木 麻乃・宮崎 勝(NHK)・今井 篤・都木 徹(NHK ES)
  • WIT2021-37 (2021/12)
  • 選定理由:視覚障害者への放送サービスの充実を目的とした研究であり、新規性および有用性を有している点や今後の展望も期待される取り組みである。視覚情報が主体の放送番組を視覚障害者に楽しんでもらうための課題や要素技術に関する、著者らの先行研究での知見が活用され、音声ガイドの作成方法や音声ガイドアプリの実装に加え、スポーツ大会における複数種目を対象とした実証実験が行われおり、研究プロセス全体の質も高く評価された。以上のことから、福祉情報工学分野の発展に資する研究発表としてHC賞候補に推薦する。

2021年度受賞者(受賞:2021年12月)

  • 題目:車椅子バスケットボール用車椅子における旋回時フレーム挙動の分析と最適化に向けた予備的検討
  • 著者:半田隆志・香西良彦・都知木邦裕(埼玉県産技総合センター)・信太奈美(都立大)・杉山真理(東京保健医療専門職大)・森田智之(神奈川リハビリテーション病院)・福江啓太・小林貴訓(埼玉大)・福田悠人(群馬大)・久野義徳(埼玉大)
  • WIT2021-1 (2021/6)
  • 選定理由:障害者スポーツは近年益々盛んになっている。車椅子バスケットボールの競技で用いられる車椅子には、軽量かつ強度が求められるほか、相手選手を巧みにかわす必要があることから、良好な旋回性能を有することが重要である。本発表論文は車椅子の車両タイプごとに旋回性能を解析した論文である。今後、トップクラスの選手の競技成績向上に資する形状等を科学的に明らかにすることで研究の発展が大いに期待できることや、障害者スポーツを支援する研究がより盛んになっていく意味でも福祉情報工学分野の発展に資する研究論文として、HC賞候補に推薦する。

2020年度受賞者(受賞:2020年12月)

  • 題目:盲ろう者のコミュニケーションを支援するフット・インタフェース ~ 語句伝達の了解度を高める触覚刺激提示時間の検討~
  • 著者:小野澤大輔・米村俊一(芝浦工科大学)
  • WIT2019-42 (2019/12)
  • 選定理由:盲ろう者向けに手指を占有しない新たなコミュニケーションツールとして、足底に指点字パターンで刺激を与えるフットインタフェースを提案したものである。アイデアや実装には新規性があり、当事者を対象とした実験結果に基づく性能評価からの考察から有用性が認められる。盲ろう者のコミュニケーション方法の一つとして大いに期待できることから、福祉情報工学分野の発展に資する研究論文として、HC賞候補に推薦する。

2019年度受賞者(受賞:2019年12月)

  • 題目:在宅高齢者を対象とした「こころ」の見守りサービスの試作と予備的評価
  • 著者:三浦稚咲・前田晴久・佐伯幸郎・中村匡秀(神戸大)・安田 清(阪工大)
  • WIT-2019-9 (2019/8/3)
  • 選定理由:在宅高齢者の自立生活を支援するための見守りサービスを提案したものである。「こころ」という定量化の困難な対象の評価を目的とした意欲的な研究であり、予備的評価とはいえ、プロトタイプシステムの実装と評価を通して一定の成果が得られている点を評価した。高齢者に対する幅広い評価なども予定しており、今後の展開も大いに期待できる。

2018年度受賞者(受賞:2018年12月)

  • 題目:視覚障がい教育の授業応用を目指した遠隔力覚誘導提示システムの開発と評価
  • 著者:坂井忠裕(NHKエンジニアリングシステム)・坂尻正次(筑波技大)・半田拓也・清水俊宏(NHK)・大西淳児・緒方昭広(筑波技大)
  • WIT-2017-41 (2017/10/19)
  • 選定理由:視覚障害者の教育への活用を目指した遠隔力覚提示システムの提案である。指導者が、複数の学習者の指を同時に誘導して図の内容を伝えることを可能にした。実際の教育場面を想定した教材を用いた実験を通して、システムの有効性が示されている。提案されたシステムは実用性だけでなく、新たな教育方法への寄与,新たな情報伝達手段としての活用などの将来性も高い。
  • 題名:PCノートテイカーによる誤入力文章の自動修正システム
  • 著者:平井康義・伊藤敏彦(北大)
  • WIT-2017-73(2018/03/09)
  • 推薦理由: 聴覚障害者のための発話を文字化するPCノートテイクを対象とした、誤入力の分析とその解決方法の提案である。複数のPCノートテイカーの文字化テクニックを分析して誤入力を分類し、言語モデルなどの従来研究を適切に応用して自動修正を試みた。実験結果から、自動修正ができなかった誤入力の原因や解決方法について議論されており、今後の修正率向上ならびに実用的システムへの応用が期待できる。

2017年度受賞者(受賞:2017年12月)

  • 題目:自閉スペクトラム症による自動ソーシャルスキルトレーナの訓練効果
  • 著者:田中宏季(奈良先端科学技術大学院大学),根來秀樹(奈良教育大), 岩坂英巳(ハートランドしぎさん),中村哲(奈良先端科学技術大学院大学)
  • WIT-2016-52(2016/12/08)
  • 選定理由:自動ソーシャルスキルトレーナを構築し、実際の利用者である自閉症スペクトラム症者の協力を得て実験を行い、その効果を検証した研究である。十分な規模の協力者に対して堅実な評価実験が行われている。今後、異なる協力者に対して実験を重ね、システムにフィードバックしていくことによって、実用に向けた今後の研究開発に期待がもてる。
  • 題目:ろうベースの盲ろう者の自立した情報獲得を目指した触指文字ロボットの開発
  • 著者:關達也(電気通信大学), 森浩一(国立障害者リハビリテーションセンター), 横井浩史(電気通信大学)
  • WIT-2016-87(2017/3/08)
  • 選定理由:触指文字の学習支援やコミュニケーション支援によって、盲ろう者のQOL向上ならびに自立を目指す研究であり、ロボットハンドによる工学的アプローチで課題に取り組んでいる。ロボットハンドの運動自由度の観点から指文字の手指運動の要件を検討し、従来と異なる機構で試作機を実装している点が評価できる。また、試作機による実証実験など今後の展開に期待がもてる。

2016年度受賞者(受賞:2016年12月)

  • 題目:汎用コミュニケーションエイドVCAN/3Aのログデータを用いた利用者のコミュニケーション能力評価
  • 著者:笹川佳蓮・林 豊彦・棚橋重仁・入山満恵子(新潟大)・青木さつき(白根大通病院)
  • WIT-2015-82(2015/12/08)
  • 推薦理由:VOCAなどを用いたコミュニケーションの向上に関する取り組みや研究は、これまでも行われてきた。本研究では、ログ取得が容易であるというアプリの利点を生かし、どのボタンを活用してコミュニケーションを取っているかについて記録をおこなっており、従来得られなかった結果をもとに新たな発見につながる可能性がある。今後、対象者の持っているコミュニケーション力とVCAN活用後の変化などの関係を定量的に示すことができれば、対象者をサポートする人にとって、その変化に合わせた効果的・効率的なコミュニケーションの提供が可能になると考える。以上のことから、福祉情報工学分野を発展させる可能性を秘めた研究論文として、HC賞候補として推薦する。

2015年度受賞者(受賞:2015年12月)

  • 題目:情報コストに基づく支援機器開発スタートアップ時における確認項目
  • 著者:梶谷勇(産総研)
  • WIT-2015-16(2015/6/18)
  • 推薦理由:支援機器開発開始時において、シーズとニーズをマッチングさせるために、開発者が知っておくべき有益な情報を示唆している。特に情報コストという概念を導入して情報ライスサイクルを整理したこと、情報の理解・伝達・質の3側面から考察を試みたことは評価できる。シーズ開発や既存シーズの適用(実践)が先行しがちな開発研究において、開発者が質を高めユーザのニーズと適合させる上で、本研究の知見は有効であり、HC賞にふさわしい研究である。
  • 題目:マルチプラットフォームに対応した視野疑似体験システムの評価
  • 著者:池原洋(沖縄高専)・高良修平(琉球大)・神里志穂子・佐竹卓彦(沖縄高専)・山田孝治(琉球大)
  • WIT-2014-68(2014/12/11)
  • 推薦理由:特別支援学校児童の視野計測を簡便に行える再生可能なシステムを構築し、計測 結果について現場の教諭、あるいは不特定のユーザがその児童の視野を疑似体験し実態を把握できることに有用性を認める。また視野の経年変化を記録できるなど将来に渡っての使用に期待できる部分が多いことも高く評価できる。

2014年度受賞者(受賞:2014年12月)

  • 題目:力覚誘導の提示条件が空間位置認知に与える影響の評価
  • 著者:坂井忠裕・半田拓也・清水俊宏(NHK)
  • WIT2013-90(2014/3/8)
  • 推薦理由:本研究は、視覚障害者支援において重要なデバイスである触覚ディスプレーにおいて、音声では伝えにくいグラフや図などの非言語情報の提示方法として、局所振動提示と力覚融合提示を複合した方法を提案している。平面に提示される触覚情報と力覚情報の融合という本研究のアイディアは挑戦的なテーマであり、そのアプローチに先見性と優位性を有している。そして実験では、力覚誘導の提示条件によって空間位置の認知に影響を与えるという基礎的なデータを収集した。この結果に基づき、誘導された空間位置と認知された空間位置の誤差を最小にする速度を検出できる可能性を示すなど、その実効性について丁寧な評価を行っている。本研究の成果は、触行動による空間認知のメカニズム研究といった基礎的研究や一般の工学応用にも貢献できると考えられる。問題解決のためのアイディア、基礎的な実験を通して得られた結果および今後の研究の発展性、さらに関連研究分野への本研究結果の応用が期待されることから、HC賞にふさわしい研究である。

2013年度受賞者(受賞:2013年12月)

  • 題目:高齢者に適した番組音調整装置の開発 ~ 家庭内で聞きとりやすい受信機を目指して ~
  • 著者:小森智康(NHKエンジニアリングシステム)・今井篤・清山信正・田高礼子(NHK)・都木徹(NHKエンジニアリングシステム)・及川靖広(早大)
  • WIT2013-19(2013/6/14)
  • 推薦理由:ブラインド実験を用いて、適用フィルタの効果について詳細な評価を行った実践的な研究であるため。適用先が明確で実用性が高い。既存技術の応用が多いものの、段階を踏んだ様々な主観評価実験に、アンケートによる実ユーザの声も加えたことで、内容に説得力がある。公共放送の観点から、高齢者を対象として番組の聞きやすさという利用場面の課題を技術的に落とし研究している。数値的な指針まで提示できたことは社会に対して本研究の重要な成果である。

2012年度受賞者(受賞:2012年12月)

  • 題目:点図におけるドットパターンの識別特性の評価
  • 著者:渡部 謙・渡辺哲也・山口俊光(新潟大)・大内 進(特総研)・高岡裕(神戸大医学部附属病院)・喜多伸一・石橋和也(神戸大)
  • WIT2011-59(2012/1/28)
  • 推薦理由:課題設定が明確で、点種と点間隔の主観的に適した組み合わせ関係を詳細に調べ、信頼性の高い実験によって、基礎的な定量的データを得ている。考察も丁寧にまとめられている。また、実験した触地図以外にも、近年増加する中途失明者に対し、商品の操作上で併用される触覚記号への応用など、応用範囲も広いと考えられる。

2011年度受賞者(受賞:2011年12月)

  • 題目:手話の音韻構造に基づいたHMM手話認識の改善
  • 著者:酒向慎司・有賀光希・北村 正(名工大)
  • WIT2011-8(2011/5/20)
  • 推薦理由:筆者らが提案しているサブユニットを用いたHMMによる手話認識は、特殊な前提をあまり必要としない、より一般的な環境での手話認識につながる可能性が高く、有望である。特に、本発表では、音韻構造を考慮することの有効性が示されており、成果として十分であると考えられる。今後の成果も十分に期待できる.

2010年度受賞者(受賞:2010年12月)

  • 題目:高齢者にも聞きやすい放送番組の音量バランス客観評価技術~聴取音量の影響による高齢者が知覚する放送番組背景音の大きさについて~
  • 著者:小森智康・都木 徹(NHK)・黒住幸一(NHKエンジニアリングサービス)・庄田清武(NHK)・村川一広(ヤマキ)
  • WIT2010-24(2010/8/6)
  • 推薦理由:まず、高齢の視聴者が増加している昨今、高齢者にとってのテレビ音声の聞き取りやすさの改善という課題設定が適切である。次に、この課題に対して、背景音に対するナレーションの大きさの特性を実験を通じて客観的に評価しており、報告の信頼性が高い。更に、実験結果を応用した評価装置を組み上げており、研究成果の実用化可能性が高い。これらの理由により、本報告は福祉情報工学研究会からのHC賞受賞にふさわしいと判断された。

2009年度受賞者(受賞:2009年12月)

  • 題目:牽引力錯覚を利用した牽引式羅針盤による視覚障がい者の歩行誘導の評価」
  • 著者:雨宮智浩(NTT)・杉山 久(京都市消防局)
  • WIT2009-43(2009/5/15)
  • 推薦理由:この研究は、牽引式羅針盤という力覚提示装置を視覚障害者の歩行支援機器に用いることを提案したものです。従来からある音声や触覚ではなく、力覚を用いた点で、多くの専門委員・審査委員が新規性があると評価しました。歩行中に手がふさがるなどの実用的な課題も指摘されましたが、GPSとの組み合わせに期待が持てるなど将来の発展が嘱望されました。また、設計・開発から実証実験まで緻密になされており、論文自体の完成度が高いものでした。

2008年度受賞者(受賞:2009年3月)

  • 題目:字幕作成担当者のための専門性の高い講義に対応した遠隔地リアルタイム字幕提示システムの開発
  • 著者:三好茂樹・河野純大・加藤伸子・西岡知之・内藤一郎・村上裕史・皆川洋喜・白澤麻弓・石原保志・黒木速人・小林正幸(筑波技大)
  • WIT2008-39 (2008/12/3)
  • 推薦理由:遠隔地リアルタイム字幕提示システムの有用性を明確にした質の高い論文であり、著者らの長期にわたる着実な研究の集大成ともいえる。情報保障ツールとしての意義はもちろん、実用レベルに近い完成度、その有用性を高く評価する。長期間の実使用を経て、諸問題に的確に対処しており、非常にしっかりした構成に仕上がっている。裁判員システムなど他の機関での利用も含め、聴覚に障害のある方の社会参加や高等教育に大きく寄与するであろう今後の発展性も高く評価する。
  • 題目:視覚障害者用位置情報提供システムにおける案内情報提供方式
  • 著者:小西孝史・前田義信(新潟大)・田野英一(能開大)・牧野秀夫(新潟大)
  • WIT2008-24(2008/7/28)
  • 推薦理由:本研究は、視覚に障害のある方のガイダンスのために考慮すべき尺度を的確に抽出し、それらを考慮しながら独自の手法で案内内容を最適化している。位置情報提供方法としてニューラルネットワークを利用してランドマークの重要度を算出しているなど新規性も認められる。また、実験しにくい屋外で検証実験を行っているなど、特に視覚障害者に対する実環境での評価でもその有効性が示されており、考慮した尺度の妥当性も示されている。以上、その新規性と有用性を高く評価する。

2007年受賞者(授賞:2008年3月)

  • 題目:中途視覚障害者の学習支援を目的としたペン入力学習ノート"PenTalker"の開発
  • 著者:清田公保(熊本電波高専)・江崎修央(鳥羽商船高専)・伊藤和之・伊藤和幸(国立リハ)
  • WIT2006-77(2007/1/25)
  • 推薦理由:中途の視覚障害者の就学支援を目的としたペン入力方式による学習電子ノートシステムの研究開発報告である.明確な障害当事者のニーズと文字の崩れに対応するアルゴリズムというシーズのバランスがとれた研究である.点字などを新たに学習することなく,ペンによる文字入力ができるなど有用かつ実践的な研究である.どのような文字が入力されやすいかを分析し,それを考慮した提案手法による高い認識精度が得られているなど今後の発展も期待できるため。
  • 題目:歯の接触音を用いた個人特性適応型ユーザインターフェースの開発とECSへの応用
  • 著者:渡邉文浩・森本猛・林恭平・葛目幸一(弓削商船)
  • WIT2006-126(2007/3/24)
  • 推薦理由: 重度な四肢麻痺者のための「歯の接触音を用いたユーザインターフェース」の研究開発報告である。現時点では実際には環境制御装置(ECS)への応用には及んでいないが、歯の接触音をインタフェースに用いるという独創性、新規性を高く評価する。加えて、小型で負担が小さくコストも抑えられており、今後の発展が期待できるため。

2006年受賞者(授賞:2007年3月)

  • 題目:絶縁物電極を用いた筋電センサの開発
  • 著者:梶谷勇・樋口哲也(産総研)
  • WIT2006-13(2006/5/20)
  • 推薦理由: 義肢装具のための非侵襲な絶縁物電極を用いた静電型の筋電計測方式の提案と、実際の使用を考慮してアンプの試作、断端袋、シリコンライナーを用いた詳細な分析を行なっている。従来の表面電極では不可能であった、非接触での筋電情報取得の可能性を示している。開発に成功すると、どのような皮膚状態であっても筋電計測が可能となる。さらに、使用者にとっても不快感を低減できると思われる。また、昨年からシリーズで発表しており着実な進展が見られていることも評価する。
  • 題目:視覚障害者向けインテリジェント車椅子"ひとみ"の研究開発
  • 著者:神山洋一(山梨大)・森英雄・中田貴映(ロッタ(有))
  • WIT2006-54(2006/12/6)
  • 推薦理由: 試作品が完成し実際に機能する事が確認されており、他の装置への応用も期待できる。展示会や施設で地道な評価をおこない、施設での移動手段として有効性も示している。施設での利用に関して信頼性や有効性を評価できる。また、成熟された既存のテクノロジーを主に用いて、信頼度の高いシステムを構築したことも評価できる。将来性に非常に期待が持てる研究である。

2005年受賞者(授賞:2006年3月)

  • 題目:脳血量変化に基づく完全Locked-in状態ALS患者の意思判定
  • 著者:内藤 正美(東京女子大), 道岡 洋子(鹿児島大), 小澤 邦昭, 伊藤 嘉敏, 木口 雅史, 大坂 浩(日立), 金澤 恒雄(エクセル オブ メカトロニクス)
  • 発表日:2005年3月25日
  • 論文番号:WIT2004-80(2005/3/25)
  • 選定理由: 決定的なコミュニケーション手段が無い重度のALS患者の支援方法として、無侵襲な前頭葉の脳血流量の変動を近赤外光の吸収量の差異から判定する試みである。手法自体も新規性に富んでおり、また従来手法に比べて高い判別精度が得られている。有用性、完成度ともに優れた論文であり、今後の研究の発展も期待できるため。

2004年受賞者(授賞:2005年3月)

  • 題目:聴覚障害者支援を目的とした報知音の振動呈示による伝達方法とその有効性の検証
  • 著者:○織田修平(NTTサイバースペース研),水島昌英(ATR音声言語コミュニケーション研究所),○古家賢一・○羽田陽一・○片岡章俊(NTTサイバースペース研)
  • 発表日:2004年10月28日 (WIT2004年度第3回研究会)
  • 論文番号:WIT2004-45(2004/10/28)
  • 選定理由: 本論文では、聴覚障害のある人に対して、いかに日常生活での様々な警告・報知音を伝えるかという、基本的かつ重要な問題について、実用的なシステムを提案するとともに、システムの有効性について様々な観点から検証を行っている。仮説-健聴の人による実験-考察、仮説-聴覚障害のある人による実験-内観も含めた考察、仮説-聴覚障害のある人による実験検証-内観も含めた考察、結論の形式を取り、論理展開は申し分ない。各実験条件の設定が明確に述べられており、実験結果に対しても統計的手法で検定が行われているため、他の研究者による追試が可能であり、その場合でも、実験結果、考察には大きな差異がないことが予想される。基本的かつ重要な問題でありながら、従来、このような客観的評価を利用した有効性の評価がきちんと行われていなかったことに取り組んでいるため、充分な新規性があると判断できる。聴覚障害のある人に対する情報伝達に限らず、音を出せない環境における健聴の人に対する情報伝達に新しい途を拓く。

規定

  • 第1条
    ヒューマンコミュニケーショングループ(以下HCG)にヒューマンコミュニケーション賞(以下HC賞という)を設ける。
  • 第2条
    HC賞は、ヒューマンコミュニケーションに関する優れた研究報告の発表者を表彰し、もって、この分野の発展に寄与することを目的とする。
  • 第3条
    HC賞は、HCGの第1種研究会に直接申し込まれかつ最近1年間に発表された研究報告を対象に選定する。ただし、最近1年間とは表彰の前年の1月から12月をさすものとする。
  • 第4条
    表彰の対象者は、優れた研究報告の著者全員(連名を含む)とし、そのうち少なくとも1名は電子情報通信学会の正会員、学生会員とする。但し,贈呈式までに会員登録を行った場合には、表彰の対象とする。
  • 第5条
    受賞者には賞状ならびに副賞を贈呈する。
  • 第6条
    表彰は毎年度1回HCGシンポジウムの当日に行う。
  • 第7条
    HC賞を審査するため、第1種研究会にそれぞれHC賞審査委員会をおく。HC賞審査委員会の委員長には第1種研究会委員長を、委員には第1種研究会の推薦した若干名をそれぞれHCG運営委員長が委嘱する。
  • 第8条
    第1種研究会のそれぞれのHC賞審査委員会はHC賞の授賞候補を選定し、順位と理由を付してHCG拡大運営委員会に報告する。
  • 第9条
    HCG拡大運営委員会は審査委員会の報告にもとづき、審議のうえ、授賞を決定する。
  • 第10条
    本規程の改廃はHCG拡大運営委員会において決める。

付則 本規程は2003年9月30日よりこれを施行する。以上

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