【締切延長のお知らせ】発表申込の締切を7月10日(金)まで延長いたしました
2026年9月研究会では、「行動心理モデリング、および一般」をテーマとして開催します。「行動心理モデリング」とは、人間の行動や認知・感情といった心理過程を、統計的に検証可能な形で記述し、量的に表現するアプローチを指します。コンピュータを用いた人と人とのコミュニケーション支援を実現するためには、対象となるユーザーの行動や心理の背後にあるメカニズムを適切に理解し、それらを理論的かつ実証的に扱うことが不可欠です。
行動心理モデリングの具体例としては、ソーシャルメディアにおける情報拡散過程のモデル化、ユーザーの意思決定過程の確率的モデリング、対人コミュニケーションにおける印象形成や信頼形成のダイナミクスの定量化、ヒューマン-AIインタラクションにおける行動適応やフィードバック過程のモデル化などが挙げられます。さらに、消費者行動のモデル化(例:購買意思決定プロセスやブランド選択行動の分析)や、行動経済学に基づく意思決定バイアスやナッジの効果のモデル化といった、経営学・経済学分野に関連する研究も重要な対象となります。これらのモデルは、単なる現象の記述にとどまらず、ユーザー体験の向上や行動変容の支援といった実応用への展開を可能にするものです。
一方で、このような量的モデルを構築するためには、その前提として適切な構成概念の設定と操作的定義が不可欠です。すなわち、「何をどのように測定するのか」という問いに対して理論的・経験的に妥当な解を与える必要があります。この点において、聞き取り調査や参与観察などの質的調査は重要な役割を果たします。特に、日常的な相互行為の中に埋め込まれた意味生成のプロセスを明らかにするためには、エスノメソドロジー的アプローチに基づく詳細な記録と、それに基づく仮説生成が有効です。こうした質的知見と量的モデルの往還により、より妥当性と説明力の高い行動心理モデリングが実現されます。
本研究会では、これらの観点に基づき、行動心理モデリングそのものに関する研究に加え、モデル構築に資する質的・量的調査手法、さらにはそれらを応用したヒューマンコミュニケーション支援に関する研究発表を広く募集いたします。理論的研究から実証研究、応用システムの開発まで、多様なアプローチによる発表を歓迎いたします。また、「一般」テーマとして、ヒューマンコミュニケーションおよびヴァーバル・ノンヴァーバルコミュニケーションに関する幅広い研究発表も歓迎いたします。
本研究会では、特別講演として、生き物を対象とした映像データ解析に基づく行動モデリングに関する講演を企画しています。本講演では、機械学習を用いた物体認識技術により個体や部位を高精度に検出・追跡し、その時系列データから行動パターンや相互作用を定量的に抽出する手法についてご紹介いただく予定です。
具体的には、動物や人間の行動を対象とした映像データに対し、姿勢推定や行動分類などの技術を組み合わせることで、従来は観察者の主観に依存していた行動記述を客観的かつ再現可能な形でモデル化するアプローチが取り上げられます。また、こうした定量化された行動データを基に、行動の遷移構造や意思決定過程のモデル化を行うことで、行動の背後にあるメカニズムの理解にどのように貢献できるかについても議論されます。
さらに、これらの手法が生態学や心理学といった基礎研究のみならず、ヒューマンコミュニケーション支援や行動変容支援、ユーザー理解の高度化といった応用領域にどのように展開可能であるかについて、具体的な実践例を交えてご講演いただく予定です。機械学習と行動科学の融合による新たな研究可能性を示す内容として、多くの参加者にとって有益な示唆が得られることが期待されます。
※注意:原稿枚数は6ページまで。
原稿のフォーマットはこちらです。 https://www.ieice.org/jpn/kenkyuukai/shorui.html
以下の発表申込システムをご利用下さい。
https://ken.ieice.org/ken/program/index.php?tgid=IEICE-HCS