招待講演


招待講演1:生体認証技術の進化と今後の挑戦~「顔」でつながる新たな社会像~

今岡 仁 (NECフェロー)

令和5年春紫綬褒章受章を受けて、研究開発の歩みと今後の取り組みについて話します。 自身の研究を年表に基づいて振り返り、最新の動向やヘルスケア分野での新しい挑戦に焦点を当てます。 本講演が「何も持たずに個人を認めてもらえる社会」の実現に向けた、顔認証の未来についての議論を促進する一助となることを願っています。

講演者略歴

1997年 NEC入社
2002年~顔認証技術に関する研究開発・製品の事業化に貢献
2009年~NIST(米国国立標準技術研究所)の顔認証ベンチマークテストにおいて世界No.1評価を5回獲得
2015年~内視鏡がん診断サポートシステム、遠隔視線推定技術、耳音響認証技術等顔認証技術の知見を活かした新領域の研究開発
2019年 NECフェローに就任
2021年~デジタルビジネスプラットフォームユニット、グローバルイノベーションユニット担当
2022年 令和4年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
2023年 令和5年春の褒章「紫綬褒章」を受章

招待講演2:人工物メトリクスの可能性と課題

松本 勉 (横浜国立大学・環境情報研究院 教授 / 産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター長)

人工物メトリクス(Artifact metricsまたはArtefact metrics)は、個体に固有の物理的特徴を測定し活用する技術である。この技術による照合や識別に基づく個体管理技術は、製品や部品の製造・流通に係るサプライチェーンおける個体管理や模倣品対策として利用されるようになってきた。人工物メトリクスの適合性、信頼性、有効性を認定するためのプロセス等を定めた国際標準規格 ISO22387:2022 が出版され、この技術に対する国際的な認知度が高まっている。本講演では、人工物メトリクス技術の仕組みや具体的方式の発展の経緯と、チャレンジすべき課題、そして今後の応用の展望につき解説する。

講演者略歴

1986年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了、同年より横浜国立大学勤務。2001より同大学・環境情報研究院 教授。2018年11月から産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター長(クロスアポイントメント)。

1981年から一貫して、基礎から実践に至る多様な分野のセキュリティ研究と高度人材育成・産学官連携に力を注ぐ。1982年に「明るい暗号研究会」を4名で創設。暗号と情報セキュリティシンポジウムSCIS、暗号学国際会議Asiacryptシリーズ、電子情報通信学会の情報セキュリティ研究会、バイオメトリクス研究会、ハードウェアセキュリティ研究会の創設に貢献。我が国の各種セキュリティ評価認証制度等の創設・運用にも貢献。2015年よりIoTセキュリティフォーラムを開催、2023年9月で第8回を迎えた。

これまで、日本銀行金融研究所客員研究員、独カールスルーエ大学客員教授、日本学術振興会学術システム研究センター専門研究員、国際暗号学会IACR理事等を歴任。

現在CRYPTREC暗号技術検討会座長、内閣サイバーセキュリティセンターNISC研究開発戦略専門調査会会長、科学技術振興機構K Program「AIセキュリティ」「ソフトウェア不正機能検証」プログラム・オフィサー、ロボット革命・産業IoT協議会 産業セキュリティアクショングループ主査等を兼任。

電子情報通信学会業績賞、第5回ドコモ・モバイル・サイエンス賞、第4回情報セキュリティ文化賞、2010年文部科学大臣表彰・科学技術賞、令和5年度「情報通信月間」総務大臣表彰等を受賞。