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信頼性を支える数理:校正の汎化理論と頑健なLLMアライメント
2026.03.04■日 時:2026年3月17日(火) 13:00-14:30
■会 場:九州大学伊都キャンパスウエスト2号館3階313号室
■聴講料:無料(会員、非会員問わず聴講可能)※直接会場にお越し下さい
大阪大学 大学院情報科学研究科 / 理研AIP 藤澤 将広 氏
信頼性を支える数理:校正の汎化理論と頑健なLLMアライメント
データ駆動型アプローチに基づく科学的知識発見において,得られる知見の信頼性をいかに担保するかは,現代の統計・機械学習における重要課題である.その一つのあり方として,「性能の数理的保証」を与えることで,人間がモデルや手法の限界や性質を適切に把握できるようにすることが挙げられるのではないだろうか.本講演では,この観点に立脚して行われた,予測の不確実性を定量化する「校正」と,データに含まれるノイズの影響を抑える「頑健性」に関する最近の研究成果を紹介する.
前半では,多クラス分類モデルにおいて,未知データにおける予測確率とラベル頻度のずれを評価・制御するための「汎化を考慮した再校正」について述べる.校正は信頼性評価の重要な指標である一方,その汎化性能に対する理論的保証はこれまで十分ではなかった.そこで,本研究では,PAC-Bayesの枠組みを応用し,校正誤差に対する最適化可能な汎化誤差上限を導出した.さらに,この理論に基づくPAC-Bayes再校正を提案し,経験的にも良好な校正性能を示すことを報告する.
後半では,大規模言語モデルのアライメントにおけるデータノイズへの頑健性に焦点を当てる.クラウドソーシング等で収集される人間のフィードバックデータには誤ラベルが含まれうるが,本研究の理論解析により,既存の頑健化手法では,その影響が大きい状況においても十分に抑えきれない場合があることを示す.これを踏まえ,極端な誤ラベルの影響が消失するという意味での「再降下性」を理論的に満たすアライメント手法:Holder-DPOを提案する.本手法は,再降下性という意味で強い頑健性を備えるだけでなく,汚染のない検証データを用いずにデータセット内の誤ラベルを推定・同定することを可能にし,頑健なモデル学習とスケーラブルなデータ品質評価との両立を実現する.
最後に,これら二つのアプローチの関連可能性について議論するとともに,今後の発展性を展望する.
当日会場まで直接お越し下さい。
■主催:(一社)電子情報通信学会九州支部
九州大学 末廣大貴
E-mail:suehiro@ait.kyushu-u.ac.jp