IEICE JUNIORWEBINAR SERIES
- 講演内容
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【講演】
講義1:「生成AIのしくみの基礎 − どうやって生成AIは文章や画像を作るのか −」 東京都市大学 神野 健哉教授
最近、「生成AI」という言葉をニュースや新聞で目にしたり、聞いたりしない日はありません。「生成AI」は、今後の情報社会を大きく変える革命的な技術であると言われています。皆さんの中には、ChatGPTなどを使って実際に文章生成を試したことがある方もいるかと思います。このChatGPTは、インターネット上の大量の文章を学習することで、高度な文章生成能力を獲得したと説明されています。これは正しいのですが、根本的にどのような仕組みで文章が生成されるのか、不思議に思っている方も多いでしょう。本講義では、高校までの数学の知識を使って、「生成AI」がどのように文章や画像を生成しているのか、その基本を解説します。
講義2:「サイバーフィジカル社会:コンピュータと実世界をつなぐ情報の流れとその活用」 慶應義塾大学 久保 亮吾教授
サイバーフィジカルシステム(CPS)は,実世界(フィジカル空間)の情報をデジタル化した上でコンピュータ(サイバー空間)に取り込み,処理・加工し,さらに目的をもって実世界に還元する仕組みを持ったシステムのことを指しています.サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合し,我々が意識せずともCPSの恩恵を享受できる社会がサイバーフィジカル社会であり,幅広い分野において研究開発が行われています.特に国内では,CPSによって実現される経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を「Society 5.0」と呼び,研究開発が推進されています.本講演では,高等学校の教科「情報」で学ぶ内容がCPSの仕組みにどのように活かされているのか,その先にある社会システムはどうあるべきなのか,等について情報通信と計測制御の観点から紹介します.

神野健哉先生
(東京都市大学教授)
- 講師略歴
- 1991年法政大学工学部電気工学科卒業.1996年同大学大学院工学研究科博士後期課程修了.1996年上智大学理工学部電気電子工学科助手.1999年日本工業大学電気電子工学科助手.2002年日本工業大学工学部電気電子工学科助教授,2011年日本工業大学工学部電気電子工学科教授.2018年東京都市大学知識工学部情報通信工学科教授.2020年電子情報通学会フェロー.現在,東京都市大学情報工学部知能情報工学科教授.非線形工学,進化計算,機械学習,深層学習等の研究に従事.博士(工学).

久保亮吾先生
(慶應義塾大学教授)
- 講師略歴
- 2005年慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業.2007年同大学大学院理工学研究科修士課程修了.同年日本電信電話(株)入社.2009年慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了.2010年慶應義塾大学理工学部電子工学科助教,現在同学部電気情報工学科教授.2019~2020年UCL(University College London)客員研究員.通信ネットワーク,システム制御等の研究に従事.博士(工学).