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ジュニア&学生ポスターセッション

2023年 総合大会

2023年3月7日〜8日 芝浦工業大学(さいたま市)

2023年電子情報通信学会総合大会 情報・システムソサイエティ特別企画
「ジュニア&学生ポスターセッション」にてジュニア会員が多数受賞!

情報・システムソサイエティは,2023年電子情報通信学会総合大会(芝浦工業大学大宮キャンパス)においてジュニア会員や学生員が発表者となる特別企画「ジュニア&学⽣ポスターセッション」を開催しました.
3年ぶりの対面実施で,小学生から大学院生まで計154件の発表がありました.高専生も優秀ポスター賞や特別賞を獲得し,さらに歴代最年少参加者である小学3年生もジュニア奨励賞を受賞しました.その他の発表者の方々からも大学生や大学院生に引けをとらない探求心や力強さを感じました.次回は2024年3月に広島大学で開催予定です.引き続き,ジュニア会員の方々からのチャレンジ精神あふれる発表を心からお待ちしています.

ISS技術会議幹事 福森 隆寛(立命館大)

情報・システムソサイエティ特別企画
ジュニア&学生ポスターセッション受賞者一覧

優秀ポスター賞

選択した雰囲気に合わせた空間デザイン
鷹野礼音,小篠裕子(東京電機大)

研究の詳細
あらまし

ユーザの趣向に合わせた空間デザインは,今後メタバースなどでの活用が期待できる. 従来研究として,ユーザが選択した雰囲気に合わせて,部屋内に置かれたオブジェクトのテクスチャの色を自動調整する空間デザイン手法がある.しかし,この手法は十分に効率的であるとは言えない.本研究ではColor Transferを用いてテクスチャの色を変更し,効率的に雰囲気に合わせた空間をデザインする手法を提案する.

受賞者代表挨拶

東京電機大学修士1年の鷹野礼音です.
ISS優秀ポスター賞を受賞させていただきました.
発表当日は初めての学会でとても緊張していたのを覚えています.
まさか賞を頂けるとは思っていなかったのでとても驚きました.
また,ポスター発表を通して様々な方からコメントをいただきました.
現在は,いただいたコメントを活かせるように研究を続けています.
この発表は,自分が研究に少し自信を持てるきっかけにもなりました.
ありがとうございました.

優秀ポスター賞 鷹野礼音ら写真
優秀ポスター賞 鷹野礼音らポスター

eテスティングにおける学習者の視線移動特徴を用いた本人認証手法の開発と評価
徳永 達,加納 徹,赤倉貴子(東京理科大)

研究の詳細
あらまし

近年、感染症対策などを理由にeテスティングが普及してきているが、不正行為が容易という問題を抱えている。
不正行為への対策として、顔画像や筆跡を用いた本人認証が行われているが、その手法には改良の余地がある。
筆者は人間の視線情報に着目し、eテスティング中に本人認証を行うことを目的とした。
視線を用いて解答を行うテストシステムを作成し、そこで得られたデータから認証精度を算出した結果、EER:15.6%(AUC:0.915)となった。今後は、視線情報収集手法の検討や視線収集デバイスの変更、実環境での運用可能性調査を目標とする。

受賞者代表挨拶

東京理科大学大学院 工学研究科 情報工学専攻に所属しておりました、徳永達と申します。
私は、大学院にて「eテスティングを利用するユーザーが正規の受験者かどうか機械学習を用いて判定する」というテーマで研究しておりました。この度は、ISS優秀ポスター賞という名誉ある賞をいただきまして、大変光栄に思います。
このような結果を得られたのも、お世話になった赤倉先生や加納先生、並びに研究室の皆様のおかげです。
ポスター発表で得られた知見を共有するとともに、私個人としてもより一層精進していく所存です。
この度は誠にありがとうございました。

優秀ポスター賞 徳永達 氏
優秀ポスター賞 徳永達 氏らポスター

記憶型学習に対する性格の影響度評価
羽切まどか,佐久間隆友,山本昇志(都立産技高専)

研究の詳細
あらまし

COVID-19の蔓延に伴い、学生が自主学習を行う機会が以前に比べて増加した結果、自主学習が不得意な学生の学習能力が低下している。
その中でも記憶力は集中力の持続と記憶を持続させる連想力が重要であるため、今までの勉強方法や取り組み姿勢の見直しが必要となる。
そこで本研究では対象者の取り組み姿勢を性格と紐付けてデータ分析を行い、機械学習を活用して各対象者に適切な取り組み姿勢を推薦できるシステムを提案している。

受賞者代表挨拶

東京都立産業技術高等専門学校(発表当時)専攻科1年の羽切まどかと申します。
私は性格から個人の能力を推定し、適した勉強方法を推薦するシステムの構築を目指して研究を行っています。
学会発表はコロナの影響で人前で発表するのは初めてであり、他の研究者の方々と研究についての議論やアドバイスを戴きとても勉強になりました。そしてジュニア会員であるにも関わらず、優秀ポスター賞という名誉ある賞を戴き身に余る光栄でございます。
これからも研究を続け、日本の社会に貢献できる研究者になりたいと思います。

優秀ポスター賞 羽切まどか 氏
優秀ポスター賞 羽切まどか 氏らポスター

テーマ別特別賞 協創

サスティナブルファッションへ向けたセンシングデバイスによる打ち込みのDX化
川﨑大誠,宜保達哉(旭川高専)

research map 研究の詳細
あらまし

大量消費,大量廃棄が問題になっているファッション産業では,環境負荷の低減を目的とした「サスティナブルファッション」への取り組みが急速に広がっているが,日本では再利用への抵抗感が強い.服飾製品を手に取らなくても生地の質感がわかれば,再利用に足る質感であるかを数値として確かめることができる.そこで,本研究は電気や応力を用いて生地をDX 化したいと考えた.
本研究は,生地の電圧と抵抗を測定することで,生地を識別する手法を開発し,実測値と比較した.応力を用いて生地を識別し,打ち込みを数値化できた.ファッション業界で無駄の発生を抑え,サスティナブルな活動に繋げていきたい.

受賞者代表挨拶

私は旭川高専で電気・電子・情報を中心に学びながら,起業にも興味をもって研究活動に取り組んでおります.
コロナ禍で観戦が制限されたスポーツ大会では,ICTを活用した配信の実施と,その効果の検討で神奈川大学高校生理科・科学論文大賞の努力賞を受賞.札幌商工会議所主催のビジネスコンテストでは本研究に関するビジネスプランを提案し,優秀賞を頂きました.
この度の総合大会のセッションで多くの先生方と議論できたこと,そしてISS特別賞を頂くことができたこと,大変嬉しく思っております.賜ったご意見を今後の研究に活かし,次は海外に出て国際学会の場で,発表してみたいです.

テーマ別特別賞 受賞者写真
テーマ別特別賞 受賞者ポスター

既存の救助訓練用ダミーへの装着を前提とした救助訓練評価システム
三宅翔大,太田俊介(岡山県立大),西岡裕助,服部良介,柳迫浩之(岡山市消防局),佐藤洋一郎(岡山県立大)

研究の詳細
あらまし

消防隊の救助訓練では結果の定量的なフィードバックが求められています。
そこで、私たちは消防隊が使用しているダミーに対して簡便に装着できる救助訓練評価システムを開発しています。
講演では、本システムの概要、主要な機能である訓練者への情報フィードバック手法の提案とその評価結果について発表しました。

受賞者代表挨拶

岡山県立大学 情報系工学研究科の三宅翔大です。
電子情報通信学会ISSジュニア&学生ポスターセッションでISS特別賞「協創」をいただき大変嬉しいです。
誠にありがとうございます。今回の特別賞のテーマであった「協創」は、「地域の方々と協力して社会問題を解決するためのイノベーションを創出する」と解釈しております。
本研究が「協創」と合致し受賞できたのは、岡山市消防局の協力のもと試行錯誤を重ねられたおかげだと思います。
私は大学院修了を機にこの研究から離れることとなりますが、今後研究が進み後継のシステムが消防局の救助の質を更に向上させ、一人でも多くの命が救われることを心から願っています。

テーマ別特別賞 受賞者写真
テーマ別特別賞 受賞者ポスター

学生によるポインタデザインに基づくハイフレックス授業環境に適した音量ポインタの検討
三宅 匠(福山大),吉原和明(近畿大),中道 上(福山大/アンカーデザイン)

研究の詳細
あらまし

私は,学生が望むデジタル技術を駆使した高度な教育を提供できる環境を開発するため,学生評価に基づいたハイフレックス授業環境を検討している. 本研究では,学生がデザインしたポインタの結果を通して,学生評価に基づいたハイフレックス授業環境に適した音量ポインタを検討した.
分析の結果,音声がある場合は,「教員が指をさした先に塗りつぶし黒のデフォルトのarrowデザインのポインタの周りに音量に対応した塗りつぶし赤のサークルを表示」を行うことが求められていると明らかとなった.
今後は,Remote Touch Pointingといった非接触操作技術を用いて,学生が求める音量ポインタが可能な操作手法について検討を進める.

受賞者代表挨拶

初めて対面でのポスター発表を経験し、様々な意見をいただけ、とても有意義な1日となりました。
また賞もいただくことができたため、研究を進めていく上での自信にもなりました。
今後も音量ポインタ環境を開発し、実際に体験していただける環境を提供できればと思います。

テーマ別特別賞 受賞者写真

ジュニア奨励賞

発達心理学に基づいた子供の家庭における読書活動促進システムの提案
太田 葵(川崎市立真福寺小学校),太田 晶(日本工学院八王子専門学校)

研究の詳細
あらまし

本研究では、子供が読書習慣を身につけられる仕組みを目指し、家庭において子供の読書活動を促進するシステムを提案した。
子供の視点を反映したシステムを実現するため、研究する小学生自身が周囲の子供の読書活動を質的調査した。
調査結果の整理は、研究グループの大人との対話と発達心理学の文献調査により行っている。
今回の発表では、読書を促進する仕組みとして、動機づけをポイント加算から始める理由や、心理学におけるモデリングの対象としてキャラクター育成を行うこと、図書館等で借りた本の返却忘れ予防について説明した。

受賞者代表挨拶

私は小学4年生(発表時3年生)で、趣味は一輪車や演技すること、読書やマイクラです。
今回、受賞してとても嬉しく、頑張って研究したかいがありました。
発表までに大変だったことは、子供目線で本をどうしたら読んでくれるか考えることとポスター制作です。
ポスター制作はdraw.ioを使った慣れない作業で、図形を入れて調整したり、出典として適切な図を探したりすることに時間がかかりました。
それだけに完成したポスターを見ると、達成感がありました。
初めての発表は、1回目の説明は少し緊張しましたが、その後は緊張がほぐれ、発表が楽しくなりました。
これは、皆さんが興味をもって説明を聞いてくれたおかげだと思います。

ジュニア奨励賞 受賞者
ジュニア奨励賞 受賞者ポスター

ロボット・VR・AI技術を用いたキクラゲ自動収穫システムの開発
田口 創,松村 遼,北風裕教(大島商船高専)

研究の詳細
受賞者代表挨拶

私は大島商船高等専門学校電子・情報システム工学専攻に所属しており、キノコの1種であるキクラゲを対象とした自動収穫システムについて約3年間研究してきました。
特にキクラゲを認識するための物体検出について、深層学習の教師データを工夫することによって、高い認識精度を実現しました。
電子情報通信学会ISSジュニア&学生ポスターセッションでは本研究結果を発表し、賞をいただくことができました。自身の努力と様々な方々にご協力により実現した本研究結果が、学術的に評価されたことを非常に嬉しく感じております。ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

ジュニア奨励賞 受賞者
ジュニア奨励賞 受賞者ポスター