IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第81弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

LLM(大規模言語モデル)を科学する​​

辻井潤一(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

【開催日時】2026年10月7日(水)14:00~15:00

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講演内容

 現在の生成AIで中心的な役割を果たすLLMでは、そのブラックボックス性が大きな課題となっている。このブラックボックス性を解消するための研究は、Mechanistic Interpretationと呼ばれ、現在のAI研究での重要課題の一つと見なされている。
 LLMが言語の構造を解析し、理解に結びつける過程の解明は、人間の内的な計算機序を明らかにすることにつながる。後者は、認知科学からの人工知能研究や計算言語学の中心課題でもある。LLMと人間という2つのブラックボックスの内的な計算機序を相互に関係づけることは、新たなAI技術の構築という工学的な立場からだけでなく、人間の「心」の解明という科学的な立場からも重要である。本講演では、過去の研究成果をこの内部機序の解明の枠組みとする立場から、この新たな研究分野がどのようなものになるかについて考える。  

情報・システムソサイエティ会長 内田誠一 先生からの紹介文

 辻井潤一先生は,日本の自然言語処理研究の草分けのお一人であり,機械翻訳や構文解析, 生命科学分野のテキストマイニングなど,幅広い研究を国際的に牽引してこられました. 京都大学,マンチェスター大学,東京大学,マイクロソフト研究所などで研究を展開され, 産総研では人工知能研究センター長として日本のAI研究を主導されてきました.ACL会長 などを歴任され,最近でも文化功労者への選出など,そのご業績は国内外で高く評価され ています.
 LLMの進歩に驚き,その活用を考える一方で,「そもそも機械が言葉を理解するとはどう いうことなのか」と立ち止まって考えてみることも大切ではないでしょうか.今回のウェ ビナーでは,LLMと人間という二つのブラックボックスを関係づけ,言語理解の仕組みを 探る新たな研究の展望をお話しいただけるようです.この分野を切り拓いてこられた 辻井先生ならではのお話を伺えることを,私自身,大変楽しみにしております.自然言語 処理を専門とされる方はもちろん,AIや人間の知能に関心をお持ちの皆様も,ぜひご聴講 いただければ幸いです.

講師略歴

辻井潤一

現職:産総研フェロー、マンチェスター大学教授。京大工学博士(1978年)。機械翻訳などの自然言語処理研究に従事。産総研で日本のAIプロジェクトの主導。ACL、ICCLなどの会長。京大助教授、マンチェスター大学・東大教授、マイクロソフト研究所首席研究員、産総研人工知能研究センター長を経て、現職。受賞:日本IBM科学賞、大川賞、ACL生涯功績賞など。ACLフェロー、情報処理学会フェロー。紫綬褒章(2010年)、文化功労者(2024年より)。