IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第70弾~
無料
主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会
非会員で聴講をご希望の皆様へ
IEICE Pioneer Webinarの御聴講ですが、本講演より会員およびアソシエートメンバーの特典として提供されることとなりました。非会員の方で聴講をご希望される場合は、まずアソシエートメンバーにご登録下さい(無料)。非会員のままでの聴講はご遠慮いただいておりますので、予めご了承ください。ご協力のほど、お願い申し上げます。
講演内容
制御工学は,(第1次)産業革命のとき,ガバナーを使って蒸気機関を安定に動作させるための工学として誕生した.その後,様々な最先端技術の登場とともに制御工学も発展してきた.1950年代にサンプル値制御が注目されるようになり,計算機の発展とともに計算機を利用した制御システムが開発されてきた,現在では様々なシステム・機器の制御にコンピュータが利用されている.コンピュータを利用することで,複雑な制御則を実装することができるが,その一方でサンプリング周期,時間遅延,量子化が制御系の振る舞いに影響を与える.本講演では,まず,この影響について紹介する.次に,計算機科学の分野で発展してきた形式手法を応用して量子化による誤差を評価する方法を説明する.また,制御理論のリアルタイムスケジューリングへの応用についても紹介する.最後に,ドローンの飛行制御を例にとり,分岐現象とその制御について紹介し,システム開発には現象論的視点と信号論的視点を持つことが重要であることを述べる.本講演がコンピュータ制御の理解の一助になれば幸いです.
関屋 大雄NLS会長からの紹介文
潮先生は1980年に神戸大学工学部をご卒業、1985年に同大学大学院で学術博士を取得後、大阪大学で教授を務められ、2023年に大阪大学名誉教授の称号を授与され、現在は南山大学で教鞭を取っておられます。また著書『カオス制御』(朝倉書店)をご執筆されるなど、精力的に教育研究活動に取り組まれ、IEICEからはIEICEフェローの称号を始め、論文賞・功労賞・貢献賞などを多数授与されておられます。
先生は、コンピュータの登場によってシステム理論や制御理論に生じた新たなる課題に精力的に取り組まれてきました。そのご研究は、サイバーフィジカルシステムに見られる離散事象システムやハイブリッドシステムに対し、時相論理など形式的手法や制御バリア関数などの制御理論を融合するものです。遅延フィードバック制御の限界を示した1996年のご研究は、IEEE Transactions on Circuits and Systems-IのMost cited papersに選ばれています。
近年では「安全でセキュアなスマート社会を支えるシステム制御」を掲げ、ドローンの独自機構を用いた変形・追従・撮影制御など実システムへの展開にも取り組まれています。
今回のセミナーでは、潮先生に、コンピュータ制御システムに関する講義をして頂きます。コンピュータが離散系であることを正しく意識した理論は、電子情報通信学会に関わる研究においてますます重要性を増しているように思われます。多くの皆様のご聴講をお待ちしております。
講師略歴

潮 俊光
1980年神戸大・工・システム卒.1985年同大学博士後期課程修了.学術博士.1985年UCB研究員.1986年神戸大・工・助手.1990年神戸女学院大・講師,1994年大阪大・工・助教授.1997年同大学・基礎工・教授.2023年同大学名誉教授,2023年南山大・理工・教授.電子情報通信学会論文賞(2007, 2019, 2023).日本ロボット学会論文賞(2022).電子情報通信学会フェロー