IEICEジュニアWebinar「電子情報とAIの土台:未来を創るのはあなた」ジュニア&学生ポスターセッション

IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第59弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

手話の工学的研究へのいざない~コミュニケーション支援研究の経験から~

長嶋 祐二(工学院大学 )

【開催日時】2025年1月27日(月)15:00~16:00

非会員で聴講をご希望の皆様へ

IEICE Pioneer Webinarの御聴講ですが、本講演より会員およびアソシエートメンバーの特典として提供されることとなりました。非会員の方で聴講をご希望される場合は、まずアソシエートメンバーにご登録下さい(無料)。非会員のままでの聴講はご遠慮いただいておりますので、予めご了承ください。ご協力のほど、お願い申し上げます。

講演内容

 聴覚に障害のある人たちの用いるコミュニケーション手段の一つに手話があります。 手話は手指動作と非手指動作より構成され、手指動作は手型、位置、動きで、非手指動作は視線、表情、口形などの要素で構成され、豊かな表現力をもつ対話言語です。 手話は、複数の構成要素より語が形成されています。 音声言語と同じ言語にもかかわらず、音声言語のような定まった書記法が未だに存在しません。 そのような中、1995年に電子情報通信学会内に手話工学研究会が時限で発足しました。 手話工学とは、手話を学際的に研究したり、支援に必要な諸技術を獲得したりすることを目的とした研究分野です。 コミュニケーション支援を目指して、30年以上にわたり手話の解析やデータベース構築に携わってきました。 本講演では、手話の言語的特性を概説してから、「何故、どうして」という疑問から始まった研究を通して得られた言語理解過程、視覚認知特性とそれを応用した符号化法、記述法などについて述べます。 また、国立情報学研究所 情報学研究データリポジトリから提供されている「多用途型日本手話言語データベース:KoSign」を紹介します。 そして、最近の手話の研究動向についても触れます。 この講演をきっかけにして手話工学に興味をもっていただけることを期待します。

伊藤京子ヒューマンコミュニケーショングループ運営委員長からの紹介文

 「手話工学」をご存じでしょうか?講演者の長嶋祐二先生は、30年以上にわたり、手話工学に携わってこられました。目指すところは、コミュニケーション支援です。「手話」ではどのように思いを伝えるのか、「手話工学」はどのような分野なのか、そして、「なぜ、どうして」の疑問からどのように研究を進められ、手話工学がどのように展開していったのか、お話しいただけることとなりました。手話の表現力の豊かさ、そこからのコミュニケーションの可能性をまとめてうかがえるこの機会に、ぜひ、ご一緒にご参加ください。

講師略歴

長嶋 祐二

長嶋 祐二

略歴:
1980年工学院大学大学院工学研究科修士課程修了。同年同大学電子工学科助手、講師、助教授を経て同大学情報学部情報デザイン学科教授、名誉教授。 1993年に博士(工学)の取得を機に、「ひと」に関わる研究に移行して、手話の工学的な研究を開始しする。 発達障害のある子どもたち、盲ろう者などの支援研究にも携わってきた。 本会フェロー。