IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第55弾~
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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会
情報通信と性能評価モデリング
〜マルチメディア・クラウド・ビットコイン〜
笠原正治(奈良先端科学技術大学院大学)
【開催日時】2024年9月26日(木)14:00~15:30
非会員で聴講をご希望の皆様へ
IEICE Pioneer Webinarの御聴講ですが、本講演より会員およびアソシエートメンバーの特典として提供されることとなりました。非会員の方で聴講をご希望される場合は、まずアソシエートメンバーにご登録下さい(無料)。非会員のままでの聴講はご遠慮いただいておりますので、予めご了承ください。ご協力のほど、お願い申し上げます。
講演内容
通信トラヒック理論(待ち行列理論)は20世紀初頭にA.K.Erlangの電話交換網解析によって誕生し,その後100年以上の間,それぞれの時代に出現したアプリケーションの性能評価やシステム設計問題を解決することで大きく発展してきた.近年では計算機単体の高性能化やOS・ソフトウェアの高機能化,さらには情報ネットワークの高速化と無線通信技術の発展により,情報システムは未曾有の規模に巨大化し,ユーザの遍在化が進んで,提供される情報サービスは多様化の一途を辿っている.このような大規模・複雑化した情報システムに対し,構築コストとユーザ満足度のトレードオフを捉えたシステム横断的な性能評価法が益々重要になってきている.本講演では,1990年代の非同期通信(ATM)に代表されるマルチメディア通信技術から,高品質ストリーミング技術,大規模データセンター,さらにはビットコインのブロック・チェーン技術まで,講演者が取り組んできた性能評価研究を概観し,評価対象の特性抽出に向けた数理モデルの構築法を紹介するとともに,性能評価モデリングの重要性と意義について議論する.
中尾CS会長からの紹介文
笠原正治氏は、1989年に京都大学工学部を卒業後、博士(工学)の学位を取得され、奈良先端科学技術大学院大学にて教授として、情報システムの性能評価およびシステム設計に関する理論的枠組みの構築に精力的に取り組んでいらっしゃいます。特に、通信トラヒック理論や待ち行列理論といった数理モデルを活用し、実システムに貢献することを目指しておられます。
電子情報通信学会においては、編集理事、編集会議編集長、英文論文誌B編集委員長を歴任され、2023年には、通信ソサエティ会長を務められ、情報通信の学術分野の推進に貢献されつつ、様々な大学・企業との連携を進めていらっしゃいます。また、電子情報通信学会フェローおよび日本オペレーションズ・リサーチ学会フェローに選出されています。
笠原教授の研究は、数理的手法に基づき現実世界の問題を確率モデルや最適化手法で解決することを目的としており、通信や情報科学分野における資源競合の問題、特に周波数帯域の有効活用に貢献しています。複雑化した現代の情報システムにおいて、コストとユーザ満足度のトレードオフを考慮したシステム横断的な性能評価の重要性を強調し、通信分野の技術革新に寄与し続けていらっしゃいます。
笠原教授は、「理論研究に取り組んでいますが、学会活動や企業との交流を通じて、実用的なモデルを作り上げてきました。理論モデルの利点は、微調整による性能向上を予測し、基本設計の改善に活かせることです」と強調していらっしゃいます。最近では、「通信におけるAIの利活用、高周波無線通信、量子情報通信など、新たな学理が生まれつつある中でも、理論モデルという基礎を用いれば、全ての新たな学術領域に素早く追従が可能になる」という理論研究の有用性を確信していらっしゃいます。
今回のICT Pioneers Seriesでは、笠原先生が長年取り組まれてきた数理的手法による学術的成果を俯瞰し、その手法の重要性についてご講演頂きます。
講師略歴

笠原 正治
1989年京都大学工学部卒業.1993年同大学院博士課程退学.現在奈良先端科学技術大学院大学・教授.博士(工学).マルコフ解析や極値統計等の応用確率論によるシステム性能モデリングの研究に従事.本会編集理事,通信ソサイエティ会長,編集会議・編集長,英文論文誌B編集委員長等を歴任.本会フェロー,日本オペレーションズ・リサーチ学会フェロー.