IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第52弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

大容量陸上光通信ネットワークの研究開発:~Tbps級リンク容量の研究開発・実用化からPbps級リンク容量を目指して~

宮本裕(日本電信電話株式会社)

【開催日時】2024年6月18日(火)15:00~16:00

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講演内容

光通信システムは、1981年に、当時の日本電信電話公社により日本で初めてF-32M方式(リンク容量32Mbps)が実用システムとして実用化された。以来、重層的に数々のパラダイムシフトを起こす技術革新を積み重ねることで飛躍的な発展を遂げ、現在では、多値デジタル変復調技術の実用化により、単一モード光ファイバ(SMF)1心でリンク容量16 Tbpsの実用システムが導入され、約40年で100万倍(10の6乗)近い大容量化が実現されている。本講演では、前半部で、自身が主に関わった1波長あたりのチャンネル容量40 Gbpsの波長多重システム(リンク容量1.6 Tbps)について、当時の時代背景と実用化した技術要素について述べる。具体的には、①陸上波長多重光ネットワークおいて、データトラヒックを柔軟に収容するための強力な誤り訂正符号を具備したデジタルフレームフォーマット(OTN: Optical Transport Network)技術と、②従来の2値強度変調直接検波方式にかわる多値差動位相変調遅延検波方式について解説する。後半部では、その後大きく発展し今日の実用システムを支えている光通信用多値デジタル変復調技術(デジタルコヒーレント検波方式)の発展について触れる。さらに、長距離伝送時の既存のSMFのリンク容量の物理限界(100 Tbps)を超えるPbps級リンク容量を目指した近年の研究動向について展望する。

岡宗一前総務理事からの紹介文

 宮本様はNTTフェローとして通信の大容量化というメインテーマを先導する第一人者です。当学会の業績賞や功績賞はもちろんのこと、令和3年の紫綬褒章に輝き、そして今もなお最難関会議である北米光通信国際会議(OFC)や欧州光通信国際会議(ECOC)のポステッドライン論文に採択される成果創出に貢献し続けています。近年の宮本様のご活動を紐解きますと、「キャパシティクランチ」という既存の長距離光ファイバ通信システムの容量限界に挑む多数の研究開発に貢献されています。私達の現代生活に不可欠なインターネットを支える光通信システムをここまで発展させた実績と、物理限界とともに実用システム上の技術課題をふまえた研究者スピリッツこそ、まさにパイオニアシリーズに相応しいものと言えるでしょう。本講演では、進化を続ける大容量通信の歴史と展望を語って頂きます。是非ご期待下さい。

講師略歴

宮本裕

宮本 裕

1986年 早大・工・電気卒.1988年 同大学院修士課程了程了.1988年 日本電信電話株式会社(NTT)伝送システム研究所入所以来、陸上大容量光伝送方式の研究開発・実用化に従事.1995年 NTTエレクトロニクステクノロジ株式会社 担当課長、1997年 NTT光ネットワーク研究所 主任研究員、2001年 NTT未来ねっと研究所 伝送方式研究G グループリーダ・主幹研究員(2004年)、上席特別研究員(2011)を経て、2020年から同研究所NTTフェローとしてペタビット級リンク容量の実現に向けたスケーラブル光伝送基盤技術の研究開発に従事。博士(工学)。電子情報通信学会論文賞(2003)、業績賞(2010)、功績賞(2019)を受賞。紫綬褒章受章(2021)。電子情報通信学会フェロー。