毎日の新聞にインターネットやWWW(World Wide Web)の文字を見ない日はない、という時代になりました。WWWで情報発信する個人が激増しています。また、企業内のネットワークはインターネットを利用したイントラネットへと進み始めました。情報ハイウェイやマルチメディアなどの、新しい波が来ているのです。
もちろん、WWWだけがインターネットではありません。むしろ、従来のインターネットは、電子メールやファイル転送などが主流であり、WWWはここ数年で急に広まってきた技術です。でも、WWWによって、インターネット上の情報流通が飛躍的に拡大し、インターネット上で交流する人口も、専門家から一般の人々へと拡大しました。つまり、「WWWはインターネットへの参加形態を質的に変革し、草の根からの情報ハイウェイやマルチメディア技術発展の礎になっている」といっていいでしょう。
インターネットやWWWがこのような性格をもつ以上、これを紙の上で理解するのではなく、ぜひ、みなさんにも参加していただきたいと思います。この本は、そのような主旨から書きました。まずは、WWWからインターネットの世界へ入ってください。インターネットの上で、たくさんの人々が自由活達に情報交換しているのが見えます。そして、気にいったテーマを探して、電子メールで参加してください。さらには、あなたがWWWのホームページをつくって、世界に情報を発信してください。インターネットは、みんなが参加する世界です。
ところでWWWの読み方です。「ワールド・ワイド・ウェブ」や「ダブリュ・ダブリュ・ダブリュ」の英語読みがフォーマルですが、もっとカジュアルに「ウェブ」という読み方がありますので、こちらをお勧めします。
では、インターネットとウェブの世界へどうぞ。
第一の方法は、端末が自宅などにあって、電話などでインターネットへ接続する場合です。これをダイアルアップアクセスあるいはダイアルアップIP(Internet Protocol)接続といいます。個人でインターネットへ参加するときの一番ふつうのアクセス方法です。
図1-1 インターネットとWWWアクセス
本書では、「第1章 インターネットを始めましょう」でプロバイダの選び方、モデムなどの購入の注意や接続を説明します。インターネット接続の方法を、Windows95の場合は「第2章 Windows95でインターネットへ接続」で、Macintoshの場合は「第3章 Macintoshでインターネットへ接続」で説明します。インターネット接続とWWWアクセスに必要なすべてのソフトウェアが、添付のCD-ROMに入っています。本書の第1章を読み、第2章あるいは第3章に従って設定すれば、2時間でインターネットアクセスができます。
インターネットアクセスの第2の方法は、あなたの端末が会社や大学のネットワーク(LAN:Local Area Networkといいます)に接続されている場合です。この場合のインターネットへの接続は、そのLANを管理しているネットワーク管理者に聞いてください。本書の第2章あるいは第3章に相当する部分は、LANからのアクセスで代替されます。
本書の「第4章 WWWで世界の情報にアクセス」ではWWWの使い方を、「第5章 電子メールを使いこなす」では電子メールの使い方を説明します。これらを終了した人は、「第6章 やさしくわかるインターネットの仕組み」を読んでください。インターネットの仕組みが少し理解できて、インターネットアクセスがちょっと楽しくなります。ここまでが初級編です。
初級編を卒業したら、WWWで自分のホームページを作りましょう。「第7章 WWWのホームページを作る」から「第9章 ホームページをプロバイダのサーバへ登録する」までは、ホームページの作り方です。自分でホームページを作って、プロバイダのサーバに登録するまでを説明します。特に、写真やムービーなどの扱い方を、やさしく解説します。
この本は上級者向けには書かれていません。実は、インターネットの上級者になるには書籍は不要なのです。ネットワーク上でWWWや電子ニュースを読んだり、新しいWWWの使い方を自分で試したり、などが上級者への道です。本書では、第10章から第12章で上級者になる方法を説明します。
ところで、インターネットを楽しむためには、ある程度はパソコンを使いこなせることが必要です。本書では、だいたい、以下のようなことをできる方を対象にしています。
図1-2 ダイアルアップ・インターネットに必要なもの
パソコンの形はデスクトップ形やノートブック形、あるいはモニタ一体形などいろいろありますが、置場所と好みで選んでください。WindowsとMacintoshのどちらでもかまいません。本書添付のCD-ROMのソフトウェアを利用するために、CD-ROM装置が内蔵されいることが必要です。
本書ではWindowsについては、基本ソフトとしてWindows95搭載パソコンについて説明しています。Windows98でも基本的な部分はそのままです。Macintoshについては、基本ソフトとして漢字Talk7.5以上を前提にしています。
電話回線をISDN(Integrated Services Digital Network:NTTはINSネット64サービスと呼んでいます)に替えて、モデムの替わりに端末アダプタ(TA:Terminal Adapter)を使うと、通信速度が64kbpsになり高速アクセスが可能になります。インターネットアクセスもISDNの利用が広まりつつあります。1.4節でISDNとTAの使い方を説明します。
最近では、持ち運びできる小型のパソコンが安く入手できるようになってきました。小さなパソコンとモデム、そして携帯電話あるいはPHSがあれば、いつでもどこでも電子メールを出したり読んだりできます。1.5節では携帯電話やPHSからのインターネットアクセスを説明します。
図1-4 インターネットを楽しむにはいろいろなソフトが必要
図1-5 家庭用ビデオなどから写真を取り込んでホームページを作る
本書ではドキュメント自体の書き方はパソコンに依存しないで説明しますが、写真やイラスト、ムービーの操作はMacintoshを使って説明します。システムとして漢字Talk7.5が望ましいです。性能は高い方が望ましいのはもちろんですが、そのようなMacintoshはちょっと個人用としては高価です。Macintoshがムービーを編集している間、ゆっくりコーヒーを飲む余裕のある人は、ごく普通のMacintosh(20〜30万円)にしましょう。
でも、ビデオ端子付きのMacintoshがなくても大丈夫です。WWWサーバには、イラストや写真を集めて提供しているものがあります。それらを集めて使いましょう。本書では、そのようなイラストや写真を集めているホームページも紹介しています。また、ホームページを作成するためのWindows95とMacintoshのソフトはCD-ROMに入っています。