テーマ:「データ市場特集Ⅱ:イノベーション資源としての論理とデータ」および一般 bookmark

電子情報通信学会 人工知能と知識処理研究会の12月研究会では、「データ市場特集Ⅱ:イノベーション資源としての論理とデータ」と題し、データに基づくイノベーションを開花させていくための論理やデータに関する論文を、広く募集いたします。

ここでいうデータ市場とは、「データは世界の資源、みんなで使おう」という公開派も、「データをオープンにしろと研究者や官僚が言い出してはいるが、現場の事情からすれば、出せるわけがない」という非公開派も、その中間的な立場をとる人々も、安心できる条件で必要に応じてデータを共有し、また必要に応じて結合したり分析したりして使い、新たなビジネスを生み出すデータの取引市場です。

近年、data.go.jpのようなデータ公開の場とは別に、データに価格を付して売買するデータ市場も発生していますが、Webページにメタデータを羅列するだけでは、異種データのシナジーからイノベーションを実現し続ける社会システムの実現には至っていないのが現実です。

これら現状を打開するため、本特集テーマの提案委員らは、データ市場を創成するための仕組み、異種データのシナジーを用いたシステムデザインを行うための技術を対象とした国内外の学会活動としてもICDMや(Workshop on Designing the Market of Data: MoDAT2013, 2014, 2015), KES2014(Chance Discovery and Market of Data), IJCAI2015(Chance Discovery, Data Synthesis, Curation and Data Market),情報通信学会研究会2014「創造的社会システムとしてのデータ市場のデザイン」、ヒューマンインタフェース学会2015;企画記事「データジャケットを用いた市場型ワークショップの展開」などを開催しています。

さらに、これら研究成果を、実社会へ適用する活動も積極的に展開しています。その結果、経済産業省「データ駆動型イノベーション創出戦略協議会」「先端課題に対応したベンチャー事業化支援等事業(データ利活用促進支援事業)」、データ・エクスチェンジ・コンソーシアム(DXC)のほか、国土交通省における調査業務などに実地適用されるに至っております。

一方、異種データを用いたシステムデザインには、場合により、異なる母集団から収集されたデータを融合することが必要となり、個々のデータセットの妥当性の検証とともに、これら異種データのシナジーを活用したシステム全体のデザインロジックの妥当性・健全性の検証方法の確立が非常に重要になってきています。さらに、これらシステムは、一般的にシステムのターゲットドメインが、複雑・広域にわたってくるため、従来以上に、多種多様なステークホルダの都合(価値観・制約・前提)を考慮に入れることができるデザイン手法が必要になってきています。

今回の研究会では、異種データのシナジーを活用したシステムデザインを行うために必須のデータ融合・デザインロジック(論理)・人の都合(価値観・制約・前提)を扱う方法を、人工知能と知識処理の視点から考えてみたく考えています。

1. データ市場の環境デザイン
ア)  データの表現、モデリング、オントロジー構築
イ)  情報アーカイブ,データベースの設計と構築
ウ)  データコンテンツの記述方法(データジャケット)およびこれらの生成・蓄積

2. データのアナリシスとシンセシス
ア) データ活用サービスとデータ提供
イ) 大規模/中規模/小規模のデータにおける検索,分析, 統合, 可視化
ウ) セキュリティ、信頼性、プライバシーのためのデータ管理, 分析
エ) データ融合活用のための手法・ツール

3. データを用いたシステムデザイン手法
ア) デザインロジックの妥当性・健全性の検証手法
イ) システム設計のための要求獲得
ウ) ステークホルダの都合を踏まえたシステムデザイン手法
エ) システムデザインの支援手法・ツール

4. データ市場における人の営み
ア) 創造的コミュニケーション環境のデザイン
イ) マーケティング、市場経済とその理論
ウ) 教育システム、教育支援技術
エ) 認知科学、創造性の理論

古いようでまだまだ変化と革新の可能性に満ちた新しい分野ですので、確立した問題ではなく、愚問と揶揄されるほど発しにくい問題にチャレンジする論文も、敢えて果敢に歓迎します。

さらに、本テーマとは別に、AIと知識処理一般のご発表も大歓迎ですので、奮ってお申し込み下さい。なお、研究会終了後には「交流会」も予定していますので、こちらへの参加もよろしくお願いいたします。

日程と会場 bookmark

  • 【日程】 2015年12月4日(金)11時〜17時(開始時間等は,変更の可能性あります)
  • 【会場】 九州工業大学 サテライト福岡天神
    福岡市中央区天神1丁目7番11号 天神イムズ11階
  • 【共催】 イノベーション・システム研究環(~愚人の輪~)

申込方法 bookmark

申し込みは終了いたしました.ありがとうございました.

申込締切 bookmark

申し込みは終了いたしました.ありがとうございました.

原稿締切は開催日の3週間前頃になります。正確な日程については、プログラム確定後、学会事務局から連絡差し上げます。
また、原稿フォーマット等、その他規定については、下記ページをご参照下さい。

研究会発表・参加方法・FAQ bookmark

http://www.ieice.org/jpn/toukou/kenkyukai.html

プログラム bookmark

ーーー 開会の挨拶 ーーー

ーーー 午前の部 ーーー
1.10時15分〜10時35分
○大澤幸生(東大)
共創的アブダクションの場としてのIMDJ

2.10時35分〜10時55分
○阿部明典(千葉大)
IMDJデータの論理的な扱いについて

3.10時55分〜11時15分
○清水拓朗・久代紀之(九工大)
ゴールグラフを用いた要求間のコンフリクト発見

4.11時15分〜11時35分
○中村 潤(金沢工大)・寺本正彦(ボルボ)
フレームワークによる思考プロセス 〜 QFDの定量化と求められるスキルの探究 〜

5.11時35分〜11時55分
○谷中 瞳・大澤幸生(東大)
データジャケットを活用した、同業種間で共有できる課題管理システムの提案

6.11時55分〜12時15分
○奈良由美子(放送大)
対話・協働・共創を基盤としたイノベーションについての検討

ーーー 休憩(60分) ーーー

7.13時15分〜13時55分
[特別講演] IMDJで拡がるデータ駆動型イノベーション
○秋元正博・高階勇人(構造計画)

8.13時55分〜14時15分
○久代紀之・江平達哉(九工大)
ビジョンセンサを用いたゲームストーミング支援ツール 〜 ゲームストーミング支援ツールの試作と評価 〜

9.14時15分〜14時35分
○江平達哉・久代紀之(九工大)
ゲームストーミング支援ツールを用いた設計のプロセスの分析 〜 設計のプロセスにおける、会話と人の動きの特徴や違い 〜

10.14時35分〜14時55分
○松田貴成(東大)
クロックマップ不安可視化手法

ーーー 休憩(20分) ーーー

11.15時15分〜15時35分
○春日 瑛・大澤幸生(東大)・吉野貴晶・蘆田峻一(大和証券)
時系列データの特徴抽出による変化点検知手法

12.15時35分〜15時55分
○Marat Zhanikeev(Kyutech)
A Streaming Algorithm on a Big Data Replay Engine is Best Written as a jQuery Script

13.15時55分〜16時15分
○中田大貴・久代紀之(九工大)
動作音から見た真空ポンプの磨耗性故障モデルの構築

14.16時15分〜16時35分
○友永一生・久代紀之(九工大)
ライフイベントセンサ組込み実装とフィールドデータによる評価

15.16時35分〜16時55分
○江本 守・大澤幸生(東大)
レシピ共有サイトにおける料理間分類と特徴抽出

ーーー 閉会の挨拶 ーーー

参加費 bookmark

無料 (ただし予稿集は別途有料)

問い合わせ先 bookmark

メールのタイトルに「j-modat:」と記載し、下記のアドレスに送付ください。

  • 大澤 幸生(Ohsawa, Yukio) 東京大学大学院・工学系研究科
    info at panda.t.u-tokyo.ac.jp (秘書と兼用)
  • 久代 紀之 (Kushiro, Noriyuki) 九州工業大学大学院・情報創成
    kushiro at ai.kyutech.ac.jp