第36回 信号処理シンポジウム開催にあたって

信号処理シンポジウムは、本年度で36年目を迎えます。多くの方々を東京工業大学大岡山キャンパスにお迎えさせていただくことを楽しみにしていたのですが、未だ予断を許さないCOVID-19の現状を鑑み、本年度も完全オンライン形式で開催させていただくことを決断いたしました。その代わり、信号処理研究者のみなさまに少しでも明るい気持ちになっていただけるよう、オンライン開催でしか実現できない思いきった企画を数多く盛り込ませていただくことにしました。まず、みなさまを信号処理関連分野の超豪華ランドマークツアーに御招待させていただくべく、信号処理・機械学習・最適化の横断的分野で傑出した業績を上げてこられたSergios Theodoridis先生(National and Kapodistrian Univ. Athens)、 Ali H. Sayed先生(EPFL)、Patrick L. Combettes先生(North Carolina State Univ.)に特別講演をお願いしました。シンポジウム初日(火曜日)には、Konstantinos Slavakis先生(東工大)とRenato L. G. Cavalcante先生(Fraunhofer Heinrich Hertz Institute)に信号処理分野の2つの新潮流についてわかりやすいチュートリアル講演をお願いしました。シンポジウム最終日(金曜日)には、とっておきの目玉企画として「数値線形代数と連続最適化」に関する2つの特別企画セッションを設け、当該分野をリードしてこられた土谷隆先生(GRIPS)、佐藤寛之先生(京大)、相島健助先生(法政大)、速水謙先生(NII)に数理の立場から信号処理分野と関連深い話題について解説していただくことになりました。

更に、本シンポジウムの開催意義は数多くの方々から御賛同いただき、粒よりの論文を集めることができました。また、発表してよかったと思っていただけるよう、 ポスターセッションに十分な時間を確保いたしました。そして4日間の全レクチャーセッションについても、可能な限り余裕のあるシングルセッションとし、どなたにとっても中身の濃い研究発表・ディスカッションが実現できるようプログラム編成させていただきました。本シンポジウムが信号処理分野の研究者の活発な議論や情報交換のための最適な場となれば幸いです。

シンポジウムの計画段階から開催日を迎えるまで、坂東幸浩委員長(NTT)をはじめ、電子情報通信学会信号処理研究専門委員会のみなさまには終始温かな御支援・御協力をいただきました。プログラム編成段階では、田中聡久先生(東京農工大, TPC委員長)と田中雄一先生(東京農工大, TPC副委員長)にお力添えいただきました。湯川正裕先生(慶應大)と山岸昌夫先生(東工大)にはシンポジウムの企画段階から多大な御尽力をいただきました。最後になりましたが、この場をおかりし、御協力を賜った全てのみなさまに心より御礼申し上げます。

2021年11月
第36回 信号処理シンポジウム
実行委員長 山田 功

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