MVE研究会では2007年6月より、各回の研究会で発表された発表論文からベストペーパーを選出し、「MVE賞」を贈呈することになりました。
MVE賞に選出された方々には、研究会での表彰をはじめとし、HCG賞へのご推薦や論文特集号投稿へのご推薦など様々な特典が用意されております。
皆様におかれましては、今までにも増しての、研究会への積極的なご投稿をよろしくお願い申し上げます。
― MVE賞概要 ―
- ■ 趣旨
- この賞は、MVE研究会で発表された研究の中から内容、発表等が優秀なものを 表彰することにより、研究会活動の活性化を図ることを目的とします。
- ■ 賞の選出・運用等について
- 原則として毎回の研究会発表から1件を選びます。候補の選出は当該研究会の 会場で講演を聴講した者に制限し、幹事団が合議により授賞講演を決定します。
- 受賞者には後日委員会名で通知を送付します。また発表のあった翌月以降の研 究会会場で表彰式を行います。
- 受賞者(発表者)には表彰状の授与と、表彰式を行う月の研究会へ招くととも に、懇親会に無料で招待します。
- なお、MVE受の授賞論文は、毎年度末にHCG傘下の各研究専門委員会が選出する HCG賞の候補とします。
― 2008年受賞者 ―
- 講演番号:MVE2008-5
「香りプロジェクタのための距離画像カメラを用いた軌道予測の検討」(6月研究会) - 著者: 増田 雄一(名城大),北野 啓一(名城大/リンナイ),柳田 康幸(名城大)(敬称略)
- 従来は立ち止まっている人および着座している人に対象が限定されていた局所的香り提示技術に関して、対象を歩行者へ拡張し、歩行者のトラッキング結果を用いて香り提示装置を制御するシステムを実現した点が高く評価できる。非接触の位置検出が可能な距離画像カメラを用いて、システム全体としての非装着性が確保されており、将来、公共空間での五感広告等に応用できる可能性が期待できる。香り提示の精度向上等、まだ検討の余地は残されているものの、香り研究の新たな領域を切り拓いた点、および、新たな応用の可能性を示した点は評価に値する。よって、MVE賞の授賞に相応しい。
- 講演番号:MVE2007-86
「可視光通信プロジェクタを用いた3次元形状ディスプレイの基礎検討」(3月研究会) - 著者: 大口 諒(東大),谷田 英生(東大),筧 康明(JSTさきがけ),高橋 桂太(東大),苗村 健(東大)(敬称略)
- 可視光通信プロジェクタを用いた3次元形状の表現という独自の技術提案において、ピンの駆動部に用いる形状記憶合金を分割・積層し、個々に伸張・収縮の制御を行う手法を考案した点、プロトタイプの試作により、一定の精度でピン高の階調表現を実現した点が高く評価される。ピンアレイの多数化、及び高密度化等については更なる検討の必要があるが、プロトタイプの簡便な実装により、3次元形状ディスプレイにおける可搬性向上の可能性が示された点も併せて高く評価される。よって、MVE賞の授賞に相応しい。
- 講演番号:MVE2007-80
「いろどりん:食卓の彩り支援システム」(1月研究会) - 著者: 森 麻紀(お茶の水女子大),栗原 一貴(産総研),塚田 浩二(産総研),椎尾 一郎(お茶の水女子大)(敬称略)
- 日常生活に欠かせない食卓という環境に着目し、プロジェクタ、カメラ、画像処理という簡易システム構成ながら、食卓の彩りという新しい技術適用領域を切り拓いた点を評価する。プロジェクション内容の決定方法、視覚的に感じるおいしさの評価等、更なる検討の必要性はあるが、プロジェクションの内容、対象等に関する多様な適用可能性を示し、今後の発展性を感じさせる発表であった。よって、MVE賞の授賞に相応しい。
― 2007年受賞者 ―
- 講演番号:MVE2007-5
「仮想物体の変形に対する視触覚間同時性知覚の順応」(6月研究会) - 著者: 高橋康介(JST),齋木 潤(京大),渡邊克己(東大)(敬称略)
- 知覚心理学的な見地から異種感覚間の同時性知覚の順応に焦点を当て、視触覚間では視聴覚間と同様に主観的な同時点が10-20ミリ秒移動すること、聴覚とは異なり受容器間では順応の転移が起きないこと、などを示した点が評価される。また研究の目的が明確であり新たな結果を導いていることや、発表も要を得ており明快であったことも併せて高く評価される。
- 講演番号:MVE2007-28
「ゲーム木に基づくカーリングの戦略分析」(7月研究会) - 著者 : 浦 正広(名大),山田 雅之(中京大),遠藤 守(中京大),宮崎 慎也(中京大),安田 孝美(名大),横井 茂樹(名大)(敬称略)
- 高度な戦略とショット時の難しさを要因として持つ不確定ゲーム「カーリング」を題材に、ゲーム局面とショットをそれぞれゲーム木のノード、枝と捉え、さらに、物理シミュレーションと組み合わせることで、ショットの難しさも考慮した戦略探索手法を実現した点が高く評価される。また、オリンピックの具体的事例への適用において効果も示されており、有効性、信頼性の点でも評価できる。
- 講演番号:MVE2007-37
「多重解像度ファジーグリッドスナッピング法による
ファジー平面曲線の三次元姿勢スナッピング」(10月研究会) - 著者 : 栗田英皇(室蘭工大),佐賀聡人(室蘭工大)(敬称略)
- VR環境で3次元的に手書き入力された軌跡から3次元モデリングを行うBlueGrotto システムに対して、軌跡の大きさや描画の早さに応じて適切な解像度を自動選択する MFGS法を導入することで、多様な幾何形状をもつ物体を容易に作成可能とした点が評価できる。特に、提案手法を導入したシステムでは、様々な大きさの物体を短時間に生成できており、その操作性の高さから、有効性が高く評価できる。また、発表においても、従来手法の問題点とそれに対する解決法を実例を交えて分かりやすく説明するなど、適切な説明のための工夫がなされていた。