デジタル化

ハカセ 携帯電話誕生後、さまざまなサービスが順次始まっていきました。まず1988年には、携帯電話からの国際通話サービスが開始されました。その後、キャッチホン・電話帳・秘話などのサービスが次々に始まります。
チャメロ 携帯電話が徐々に一般の人たちに広まるにつれて、色々なサービスが必要になってきたのね。
ハカセ そして1993年にまず首都圏でデジタル方式のサービスが始まりました。デジタル化は、アナログ用に割り当てられていた電波が満杯になることを見越して行われたのです。携帯電話の仕組みでも話したように、デジタル方式を使うと同じ量の電波でも多くの人が利用することができるからです。
ケータ ちゃんと覚えてるよ。声の波を数字データにしてから送るってやつで、数字を上手く計算すると、使う電波の量を減らせるんだったよね。
ハカセ デジタル化する事によって、音質のむらが無くせるといったことは以前説明しましたが、他にも、いったん音声を数字データにすることにより、秘話能力が向上します。さらに、ほとんどの構成部品をLSIにすることができるため、小型化がすすめられるようになりました。
チャメロ 今の小さくて軽い携帯電話をつくるためには、デジタル化も重要だったんだ。
ハカセ デジタル方式が始まった翌年の1994年、PHS事業者サービスが開始され、さらに翌年には一般向けのPHSサービスが開始されました。PHSというのは、簡易版携帯電話とでもいったらいいでしょうか。普通の固定電話の子機をどこにでも持ち出せるようにした感じです。もちろん始めからデジタル方式です。
ケータ 前に持ってたから知ってる。街のあちこちに、小型のアンテナを設置するんでしょ。あれが親機ってわけだね。
ハカセ ケータ君、珍しく好調ですね。だいぶ詳しくなってきたんじゃないですか?さて、1995年頃になると、PHSも交えて、各携帯電話会社間での競争が盛んになりました。競争に後押しされる形で、自動車・携帯電話の通話料金体系が変更され、料金別プランなどのサービスがだんだんと一般化してきます。その後、番号通知やデータ通信などのサービスも始まり、1999年にはアナログ方式サービスが終了しました。アナログ方式サービスの終了で、一つの幕が下ろされたといえるでしょう。

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