光通信システム (OCS) 研究専門委員会は、光ファイバ通信の興隆期にあたる 1987 年に時限研究専門委員会として設立されました。翌1988年には第一種研究会となり、以来、産官学の研究者及び技術者をつなぐ組織として、我が国における光ファイバ通信の発展の一翼を担って参りました。
昨今、光通信システムに求められる機能と、それを実現する技術は多様化しています。コア・メトロ・アクセスの各ネットワークのほか、データセンター内・センター間リンク、モバイルフロントホールなど、異なる場面のそれぞれに適した技術が必要とされています。また、物理層におけるセキュリティの強化、災害に強い安心・安全かつ持続可能なネットワークの実現など、光通信システムの課題は極めて多岐にわたってます。
これらの多種多様な研究ニーズに応えられるよう、OCS では、関連する研究会との共催・併催や、シンポジウムにおける他分野の講演者の招聘、サマースクールにおける技術レビューなどを企画し、広い視野と深い知識をご参加の皆様に提供できるように努力を続けて参ります。また研究会における自由闊達な議論は、得られた知見を活性化し、新たな発想を生み出します。若手・ベテランを問わず、また個々の専門を問わず、開かれた議論のできる雰囲気づくりを心掛けて参る所存です。
今後ともOCSへのご支援を賜りますよう、また多数のご参加をいただきますようお願い申し上げます。
なお、新型コロナウィルス感染防止の観点から、今年度も引き続いて従来とは異なる活動形態を取る必要がございます。皆様にはご不便をおかけすることとなり大変恐縮ですが、オンラインなどの新しい手段の特性も活かしながら、研究会の提供価値を高めて参りたいと考えております。皆様のご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
2021年6月
光通信システム研究専門委員会
委員長
星田 剛司
光通信システムの技術コミュニティを活性化し、技術革新と産業化を促進することで、 未来の豊かなICT社会の実現に貢献する。
研究分野 | トピックス |
光通信方式 | 光変復調方式,ディジタル信号処理アルゴリズム,コヒーレント光通信,光増幅・中継技術, 非線形・偏波技術,空間・可視光伝送,量子通信・暗号化技術,空間分割多重(SDM)伝送技術 |
光通信機器 | 光増幅器・光中継装置,光/電気クロスコネクト・OADM,光/電気多重・分離,光送受信機, 光端局装置,ディジタル信号処理・誤り訂正,光通信計測,データコム用光通信機器 |
光ファイバ伝送路 | 通信用光ファイバ,光ファイバコード・ケーブル,機能性光ファイバ,空間分割多重(SDM)光ファイバ技術, 光接続・コネクタ・配線技術,光インターコネクション,光線路保守監視・試験技術,光ファイバ測定技術 |
デバイスの光通信システム応用 | 光信号処理,光通信用新機能デバイス,光集積回路,光アクティブデバイス, 光パッシブデバイス,光モジュール・実装,光測定技術,光通信用LSI |
光通信網・規格 | コア・メトロシステム,海底伝送システム,光アクセスシステム・次世代PON,イーサネット, 光伝達網 (OTN),伝送監視制御,光伝送システム設計・ツール,モバイル光連携 |
このうち、光ファイバ伝送路については、光通信システムに使用する伝送路に関する研究分野の議論を主に行っています。