dot 名称

リアルタイムコミュニケーション言語時限研究専門委員会(電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ所属)

英語名称: Language as real-time communication (LARC)

dot 研究会設立の経緯と目的

1994年10月に電子情報通信学会教育工学専門研究委員会内に第3種手話工学研究会が2年の時限研究会として開始され20年以上が過ぎた。この研究会では、手話のラベル化方法の検討と日本国内でそれまでに発表された論文などの資料収集を目的とした。この研究会のラベル化の成果は、sIGNDEXとして内外の学会で報告された。

一方、様々な機関による認識・翻訳・生成の研究は、なかなか成果が出せないでいる。この理由は、手話研究者が少ない、専門領域を超えたまとまったコミュニティが存在しない、認識のための高精度な計測手法が無い、研究に興味はあっても気軽に利用できる共通の言語データベースが無い、などが考えられた。 しかしここ数年で、手話の認識では、距離センサーなどの様々な優れた計測手段、deep learningなどの新たな方法が注目を集めている。生成では、3次元CG技術の進展、PCの高性能化などでよりリアルなアニメーションが可能となっている。

本時限研究専門委員会は、国内の手話関係の研究、聴覚障害者支援、言語学的な研究者を中心に学際的に手話を中心としたマルティモーダルコミュニケーションのメカニズム解明のためのコミュニティ形成と意見交換の場を提供することを目的とする。このコミュニティでは、人の大きな特徴である「言語活動」を、もっともプリミティブな対話言語に注目して、音声を用いる聴覚言語や、指点字などの体性感覚を利用する触覚的情報授受手段と対比しながら、視覚言語である手話による言語理解を探るための研究方法論の検討も行う。

研究の主な対象は、言語学的な側面、手話の認識や生成などの工学的な側面、広く聴覚障害者の支援的な側面、体性感覚系を使うマルティモーダルコミュニケーション的側面とする。また、共通なデータを基にした議論の活性化や新たな研究者の参加を促進するため、手話言語データベース/対話コーパスの収集方法の検討と構築も視野に活動を行う。データベースやコーパスは、画像で研究の進展をもたらしたSIDBAの手話版標準言語データベースを目指すものとする。

本研究専門委員会は、研究者相互の啓発および研究者の連携を行うことを主体とするが、各研究機関においては競争的資金を申請し新たなネットワークを構築しながら研究を推進する予定である。

dot 担当する研究分野

言語学、手話工学、言語理解、聴覚認知、音声工学、福祉工学、障害者支援、 聴覚障害、コミュニケーション支援、CG、データベース、ヒューマンインタフェース

dot 設置期間

平成28年6月1日~