今年の電気接点国際会議は、この分野の創始者Dr.Ragnar Holmの生地で開催された ことから、彼の経歴等に関する講演がオープニングにて行われ、彼の名著「Electric Contacts,Theory and Applications, 4th Edition」が参加者全員に配布された。
セッションは、Fundamentals, Low Power Switching, Circuit Breakers 1,2, Arc Electrode Phenomena, Current Limiters, Contact materials, Contact Failure, Contact Spots, Arc Erosion, Plated Contacts, Design, Aluminium Connectors, Automotive Contacts, Reliability and Testing, Frettingであった。各セッション とも、コンタクトの物理解明に関する発表が多くみられた。日本からの参加者は13人 で、発表論文は6件であった。最も参加者が多かった国はドイツ(50人)、次にスウ ェーデン(39人)であった。
今後の開催予定は、2002年 スイス,チューリヒ、2004年 アメリカ,シアトルと なっている。また、2006年には日本で開催されることが暫定的に発表された。
ホルム会議は,電気接点の分野で長い歴史を有するものの一つで あり,ホームタウンであるシカゴで開催された。今回の特色は,42 V系に関するチュートリアル講演である。自動車業界では,電装品 の増加によって電源を14Vから42Vへ切りかえる動きがあるが,この 変化によって電気接点の現象が全く異なるものになり,信頼性確保 のために新しい研究が必要になる。この問題について2件の講演と ともに熱心な討論が行われ,企画がタイムリーであり,参加者の要 求によく一致していることを示していた。車載用接点の一般セッシ ョンもあったほか,他のセッションでも車載用接点に関する発表が あり,この分野に研究が集中している。
その他のセッションは,コネクタ,低電流アーク現象,モデル化 と試験方法,高電流アーク現象,基礎現象,銀合金酸化物,及びフ レッティングであった。全般的に,実験的な現象分析や理論的考察, 及び,劣化例の分析や実験的評価などにわたって,件数はさほど多 くないものの,実に幅広い研究が報告されていた。その概要は,わ が国からの参加者により,本学会の機構デバイス研究会(2000年11 月,信学技報EMD2000-69)において報告されている。次回は2001年 9月10〜12日にカナダのモントリオールで開催される。
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