日時:2021年11月29日(月)~30日(火)
会場:オンライン
参加登録料:無料(要事前申込)
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バイオメトリクス利用の倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
岸本 充生 先生(大阪大学)
Real or Fake? フェイクメディアの生成と検出,インフォデミックの
克服に向けて
越前 功 先生(国立情報学研究所)
電子情報通信学会 バイオメトリクス研究専門委員会 (BioX)
高性能なセンサを内蔵したスマートフォンの普及により,他人の顔や音声,さらには指紋や虹彩といった膨大な生体情報が,撮影や録音を経て,サイバー空間に共有されることで,プライバシーの侵害だけでなく,生体認証の突破といった脅威が指摘されている.さらに,これらの高品質な生体情報を学習データとして用いることで,ディープフェイクを始めとした高品質なフェイクメディアの生成が容易になっており,社会に恐怖や混乱を引き起こす不確かな情報の氾濫「インフォデミック」が危惧されている.本講演では,このような脅威を概説するとともに,講演者らが取り組んできた,サイバー空間における生体情報の流通を,本人の意思に応じて制御する技術や,講演者らがJSTの戦略事業 (CREST)のもとで現在進めている,フェイクメディアの生成・検出技術をはじめとした「インフォデミックを克服するソーシャル情報基盤技術」を紹介する.
バイオメトリクスは日常生活の様々な場面で実用化され、便利さを与えてくれる反面、しばしばネガティブな側面にも注目が集まる。特に顔認識技術の警察による利用は、迅速な犯人逮捕に貢献する一方で、プライバシーや差別、自律性といった問題により、利用を制限する法規制や条例が提案されている。本講演では、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)という考え方を切り口に、具体的なケースも踏まえて、海外および国内の議論の動向を概観する。また、既存技術の新たな用途も次々と探究され、感情認識を始めとする派生技術も次々と開発されていく中で、研究開発や社会実装側に求められるガバナンスのあり方についても提案する。
未だ収束が見えない世界的なコロナウィルス感染症のなか,無観客を前提とする未曾有の状況下で開催された東京2020大会.我々NECは,東京2020大会の成功をテクノロジーで支えること,また,その先にレガシーとして社会に残る資産の創出をめざし,安全・安心の確保を最優先の課題として,世界一の照合精度を誇る顔認証技術など,さまざまなテクノロジーを通じてサポートを行った.本講演では,東京2020大会で採用されたNECの顔認証システムについて,大会でどのように用いられたかを紹介するとともに、顔認証という技術がどのように受け入れられ、オリンピック・パラリンピックで活用されるに至ったかという点について紹介する.