はじめてのリビングラボ
「共創」を生みだす場のつくりかた
こんにちは、日本リビングラボネットワークの新井田です。以前に書いたコラム「デザイ
ンってなんだろう?」では、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」と
コンセプト「People's Living Lab(未来社会の実験場)」について、デザインという観点
から考察し、「リビングラボ」という概念をご紹介しました。今回は、この「リビングラ
ボ」について深く理解できる書籍をご紹介します。
リビングラボとは、人が実際に暮らしている空間などの“生きた”環境を実験室のように
使う活動で、市民や企業、公共機関、大学などが協働して社会課題の解決を行ったり,新し
い価値のあるサービスを生み出したりするための仕組みです。日々の生活や仕事の現場を研
究開発の場に見立て、多様な人々が協働してアイデアを創り出し,そのアイデアを実際に試
します。従来の企業による商品テストとは異なり、当事者が必要とするモノや未来社会に必
要とされるコトを「みんな」で試行錯誤しながら具体的なプロダクトやサービスに育てあげ
ていく点が特徴です。
今回ご紹介する『はじめてのリビングラボ ── 「共創」を生みだす場のつくりかた』
は,その名の通りこれからリビングラボの活動に関わっていきたいと思う人向けの入門書で
す。みなさんが学校で学んだSDGsに代表されるような、一つの組織で解決できないような
厄介な問題が世界には沢山あります。将来はこうした課題の解決に関わりたいと思う人も多
いでしょう。このような,それぞれの人が所属している組織やセクターを超えた協働が求め
られる現代の課題に対して、リビングラボがなぜ必要か、どうやってリビングラボ活動を進
めていくか、初学者に向けてわかりやすく解説しています。
本書は三部構成となっています。第1部では基本概念から可能性まで、第2部ではプロセ
スや手法、歴史的背景について、第3部では世界各地の10のケーススタディが紹介されて
います。コペンハーゲンストリートラボやノルウェーEVネットワークといった海外事例か
ら、おやまちリビングラボや鎌倉リビングラボといった日本の事例まで、多様な実践例を通
じてリビングラボの実際の姿を理解できます。
複雑化する現代社会において、「みんなで答えを探し実装する」リビングラボのアプロー
チは、希望ある未来を切り開く重要な鍵となるでしょう。ぜひ本書を手に取って、リビング
ラボの世界の扉を開いてみてください。
参考リンク:https://jnoll.org/publications/livinglabs/
(JNoLL 新井田 統)
木村篤信・安岡美佳(著)上坊菜々子(装丁)
2025/04/20刊/定価3,080円(税込)/A5並/224ページ
ISBN:978-4-7571-2392-2 /NTT出版
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