IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第35弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

光ファイバ通信の研究開発に携わって

桑原 秀夫(富士通株式会社名誉フェロー)

【開催日時】2023年3月16日(木)14:00~15:00

講演内容

 光ファイバによる大容量通信は、今日の情報化社会の根幹を支えている非常に重要な技術であり、1970年代から始まった研究開発は、大容量化、長距離化、高密度化、低コスト化などを目指して現在も続いており、本Webinarでも既に数名の著名な方々が紹介しています。今回の講演では、私が携わった光ファイバ通信の初期のころの研究開発の状況や、光モジュールの開発、波長多重通信、光増幅、コヒーレント光通信などについて、また北米での研究組織の立ち上げなどを経験して学んだこと、苦労したこと、感じたことなどをお話し、またこの分野で関連した本学会やIEEEでの活動で経験したことを紹介し、皆様のご参考の一助としていただければと思います。私はこの技術が立ち上がる時期にちょうど研究開発に参加できた幸運と、指導していただいた先輩方や、優秀な仲間たちと一緒に仕事ができた幸運のおかげ、と感謝しております。

石川悦子会計理事からの紹介文

 3月のPioneers Webinarシリーズに、桑原秀夫様にご登壇いただけることになりました。桑原様は、一貫して富士通研究所にて高速大容量光ファイバ通信の研究開発をけん引され、実用化に大きく貢献されてきました。コヒーレント光通信については80年代に光学定盤を離れ、実用化を見据えた装置イメージの動展示を進めたり、波長多重通信に早くから取り組むなど、培った技術力により日本メーカの北米通信市場進出・シェア拡大に貢献され、日本の技術力の高さをグローバルに示されてきました。また、学会活動としてもIEEEフォトニクスソサエティ会長、電子情報通信学会の副会長などを歴任され、フォトニクス分野の技術振興や後進の育成にも多大な影響を及ぼされてきました。 今回、ご自身の光ファイバ通信の研究開発活動とその技術の立ち上がり時期が一致したことによる活気づく様や、諸先輩方や同輩ともに一時代を築いたお仕事の醍醐味のお話を頂けます。きっと会員の皆様の心が揺さぶられるものと思います。ぜひ、多くの皆様にご聴講頂ければ幸いです。

講師略歴

桑原 秀夫

桑原 秀夫

1972年東京大学・工・電子卒、74年同大修士 富士通入社、光ファイバ通信の研究開発に従事。工博。 1991年(株)富士通研究所光システム研究部長、2004年同取締役、2006年同フェロー、2017年退職 富士通株式会社名誉フェロー。光産業技術振興協会櫻井健二郎氏記念賞。本学会:調査/会計理事 監事 副会長等を歴任。 業績賞 功績賞 受賞。フェロー 名誉員。IEEE:ライフフェロー、フォトニックソサエティ会長、フェロー審査員等を歴任。