IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第32弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

心を持った機械

橋本 周司(早稲田大学名誉教授)

【開催日時】2022年12月21日(水)15:00~16:30

講演内容

 機械が心を持ち得るか、あるいは人間は機械であるか、という問いは多分に哲学的に聞こえますが、あらゆる意味で人に馴染む機械をつくるという実用上の課題から見ても大いに興味を惹かれるものです。心を持つ機械の向こうには、人間と機械の新しい関係が見えます。さらには、生物学とは異なった道筋で、「生き物を創る」「人間を創る」という野心が見えます。ここ数年「機械システムの意識」に取り組む研究も現れてきました。神経細胞単体の数式モデルから始まって、既成概念を破壊するような最近のAIの登場までをリアルタイムで体験した者として、科学技術と人間の未来を「心を持った機械」を梃子に押し開けないかと思います。もとより浅学で思いだけの夢想なのですが、皆様のより深い思索のきっかけになれば幸いです。

渡辺昌洋 HCG運営委員長からの紹介文

 12月のPioneers Webinarシリーズのご講演に、橋本周司先生にご登壇いただけることになりました。先生は、画像処理、音楽・音響処理、ロボティックス、ケミカルロボティックス、メタアルゴリズムなどの研究に長く携わられております。早稲田大学ヒューマノイド研究所所長を務められ、ヒューマノイドロボット(ヒト型ロボット)の研究、人間と共存しコミュニケーションできるロボットの研究に長年、取り組まれています。最近は、ガンダムファクトリーヨコハマの取り組みにも参加されています。また、早稲田大学で長く教鞭をとられ、副総長を務められるなど大学教育にも力を入れてこられました。先生の研究室からは優秀な研究者が数多く輩出されています。
 今回、心を持った機械についてお話しいただきます。心と機械について考えたことのある方も多いと思いますが、先生の長年の研究体験を踏まえたお話は、会員の皆様にも刺激的な内容になると思います。私もお話を楽しみにしております。ぜひ、多くの皆様にご聴講いただければと思います。

講師略歴

橋本 周司

橋本 周司

1970年:早稲田大学理工学部応用物理学科卒業、1970年-1971年:富士通株式会社ディスプレイ技術部、1977年:早稲田大学大学院理工学研究科物理学及応用物理学専攻修了(工学博士)、1975年:早稲田大学理工学部助手、1979年:東邦大学理学部講師、1987年:同助教授、1991年:早稲田大学理工学部助教授、1993年:同教授。2018年:早稲田大学名誉教授。電子情報通信学会フェロー。