IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第30弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

浮草研究者と人工知能研究

池内 克史(米国マイクロソフト)

【開催日時】2022年10月5日(水)13:30~15:00

講演内容

 大学院を出てより、ボストン(3年)、筑波(5年)、ピッツバーグ(11年)、東京(18年)、北京(2年)、シアトル(5年)と浮草人生を送ってきた。この間、その地での研究機関に職を得て、人工知能の1分野である、コンピュータに目をとりつけ外界を認識させるコンピュータビジョンと呼ばれる分野で、禄を食んできた。ミンスキーやニューエルなど分野の原点と呼ばれるダートマス会議参加者とも直接話をする機会を得た。この経験から見た、人工知能研究の流れと当方の研究のからみ、並びにそこで得たつたない経験を話す。

佐藤真一情報システムソサイエティ会長からの紹介文

10月のIEICE ICT Pioneers Webinarシリーズの講演者として、池内克史先生にご登壇いただけることになりました。先生は「浮草研究者」とおっしゃっておられますが、マサチューセッツ工科大(MIT)、電総研(現産総研)、カーネギーメロン大(CMU)、東大、マイクロソフトと、世界に冠たる研究所を渡り歩いてきておられます。また、その都度、研究テーマも転換してきておられます。本講演では、先生の冒険家のような研究者生活についてご紹介いただき、こうした研究者人生の転換の契機は何であったのか、研究テーマ選択の秘密は何か、等についてお話しいただければと願っております。先生の冒険の一端を楽しませていただけるとともに、特にわれわれが人生の転機に直面した時のヒントとなるに違いないと確信しております。

講師略歴

池内 克史

池内 克史

1973年京都大学工学部機械工学科(音楽部交響楽団コントラバス科)卒業、1978年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了、工学博士。
MITでは滑らかさ拘束を提案しこれを用いて1枚の濃淡画像からの奥行情報の抽出、電総研では金属物体への照度差ステレオの適用、CMUでは人間行動観察学習ロボット、東京大学では奈良大仏やアンコールワット、九州装飾古墳群などの文化財のモデル化の研究を行う。マイクロソフト入社後は古典的なロボティクスの理論と深層学習、強化学習の融合をめざす。
IEEE-PAMI Distinguished Researcher Award、情報処理学会功績賞、電子情報通信学会業績賞/功績賞、船井賞、紫綬褒章、大川賞等受賞。