IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第28弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

デジタル時代のサイバーセキュリティ

三宅 功(NTTデータ先端技術株式会社 フェロー)

【開催日時】2022年8月5日(金)15:30~17:00

講演内容

 近年の様々な技術革新とその実用化、社会実装による情報と情報通信システムのデジタル化は人類社会の在り方を一変させる社会基盤となりつつあります。この変化は、あらゆる社会活動、個人生活に浸透し、コミュニケーションやビジネス、生産活動の生産性向上、多様な社会福祉の実現といった人類社会の向上に大きく寄与しています。一方で、この社会基盤が広く普及するに従って、意図的或いは意図せずに我々の社会活動に大きな弊害とリスクをもたらしうることにもなってきています。
サイバーセキュリティはデジタル化された社会システムのリスクマネジメントです。リスクマネジメントは、この社会システムが将来にわたって期待通りには動かなくなることを防止することです。しかし、現代のデジタル社会システムは様々な立場の人々、組織、国家が参加し、利用目的も様々な複雑で創発的なシステムになっています。立場と見方、目的によってリスクとその予測は異なります。対策も、主観的なものになってしまいます。このような複雑で困難な状況を少しでも改善するには、サイバーセキュリティリスクに対する幅広い状況認識を共有することが基本になると思います。今回の講演では、現在のサイバーセキュリティの状況をグローバルな観点で、微力ですがお伝えできることを目的としています。これからの電子情報通信技術の研究開発とその実用化、社会実装において、サイバーセキュリティを考えることは必須です。聴講頂ける皆さんの今後の活動のお役に少しでも立てればと考えています。

辻ゆかり通信ソサイエティ会長からの紹介文

 三宅様は、日本電信電話公社(現NTT)入社後、一貫して高速・広帯域パケットネットワークおよび関連システムの研究、開発、実用化に携わられました。その後、NTTデータ先端技術株式会社の代表取締役社長として、公共系、金融系および大手法人系ユーザのIT基盤構築を推進し、特に、情報セキュリティマネジメント、サイバーセキュリティ関連ビジネスに注力してこられました。経営者となってからも、自らCISSPやCISAの資格を取得される等、最先端の技術・動向を追い続けておられます。また、電子情報通信学会の通信ソサイエティ会長等、学会活動や後進育成にも力を注がれております。
 ネットワークやセキュリティに関する幅広い知見と、長きに渡る経営経験をふまえた、情報セキュリティマネジメントシステムのあるべき姿についてのお話は、情報通信分野の研究開発に携わる方々にとっても、DX化を推進されている企業の方々にとっても、大変興味深い内容であること間違いなしです。是非、一人でも多くの皆様にご聴講いただければと思います。

講師略歴

三宅 功

三宅 功

1980年東北大学理学部数学科修士卒、同年日本電信電話公社(現NTT)武蔵野電気通信所入所.
1993年 NTT交換システム研究所 主幹研究員
1997年 同 広帯域システム研究室 室長
2001年 同 サービスインテグレーション基盤研究所 担当部長
2003年 NTTデータ先端技術(株)代表取締役社長
2007年 NTT サービスインテグレーション基盤研究所 所長
2009年 NTT 情報流通基盤総合研究所 所長
2011年 NTTデータ先端技術(株)代表取締役社長
2018年 同  相談役、最高技術顧問
2020年-現在 同  フェロー
工学博士、CISSP、CISA
日本セキュリティ監査協会 副会長
筑波大学人工知能科学センター 客員教授
1986年 篠原記念学術奨励賞
2008年 通信ソサイエティ功労顕彰状
2009年 当会フェロー
2009年-2011年 電子情報通信学会 編集理事
2014年-2015年 電子情報通信学会 通信ソサイエティ会長