IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第15弾~

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主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会

フェイクとの闘いー暗号学者の視た理念と現実・太平洋戦争からコロナまでー

辻井 重男(中央大学研究開発機構 フェロー・機構教授)

【開催日時】2021年9月22日(水)13:30~15:00

講演内容

 太平洋戦争から暗号・サイバーセキュリティの研究、コロナ禍までの発表者の生涯を、理念と現実の相克と軸として振り返り、自由の拡大、公共性・安全性、個人の権利・プライバシイの矛盾しがちな理念の三止揚を、Management, Ethics, Law and Technology によって達成すること、即ち、MELT-UP することを提案する。また、究極の本人確認方式と、耐量子コンピュータ暗号の提案、シニア・女性研究者の活動支援のための光輝会活動や、Y00量子ストリーム暗号研究支援等、最近の活動について紹介する。
【主な項目】
①小学校高学年の戦争体験と皇道理念
②太平洋戦争に対する文化人たちの現実認識
③研究履歴:伝送理論・デジタル信号処理から暗号理論研究とサイバーセキュリティ総合科学の提案
④情報セキュリティ大学院大学学長としての人材育成
⑤電子情報通信学会100周年(2017年)記念における偉業(マイルストーン)取り纏め
⑥シニア研究者としての研究( 究極の本人確認方式の為の3階層公開鍵暗号の提案、多変数公開鍵暗号による耐量子コンピュータ暗号の開発
⑦セキュアIoTプラットフォームフォーム協議会活動
⑧中央大学研究開発機構におけるシニア研究者の活動紹介と光輝会の設立

高橋篤司 基礎・境界ソサイエティ会長からの紹介文

 辻井重男先生は、東京工業大学、中央大学などにおいて、 暗号理論を中心に、伝送理論・デジタル信号処理や,情報倫理などの文系的な要素も含む情報セキュリティの研究など幅広い分野で活躍されてきました。また,近年は,社会貢献に情熱を抱くシニア研究者に活動の場を提供し,シニア研究者ならではの経験や知識を,学生から現役の第一線会員への助言や支援などを通して社会に還元できるよう,本会において,光輝会(特別研究専門委員会)の設立を主導されるなど,本会の発展や人材育成にも注力されています.本講演では,辻井先生のこれまでの研究成果のご紹介だけでなく,人材育成や様々な社会活動,コロナ後のNEW NORMAL時代も見据えた暗号技術研究など,最近の活動についてもご紹介いただきます。

講師略歴

辻井 重男

辻井 重男

1933年 9月13日生、1958年 東京工業大学卒業、1970年 工学博士、1979年 東京工業大学教授、1994年 中央大学教授、 1996年電子情報通信学会 会⾧、1999年 中央大学研究開発機構 機構⾧、2003年 日本学術会議 会員、2004年 情報セキュリティ大学院大学初代学⾧ 中央大学研究開発機構教授、2007年 日本ペンクラブ会員、2010年 (一財)マルチメディア振興センター理事長、2013年 (一財)放送セキュリティセンター理事長 、2017年 (一社)セキュア IoT プラットフォーム協議会理事長
 瑞宝中綬章、NHK 放送文化賞、C&C 賞、高柳記念賞、信学会功績賞、 IEEE 第三千年記 記念賞、発明表彰等を受賞。郵政省 電波監理審議会会長、総務省・内閣等の諸官庁における、電子署名法、 住民基本台帳法等の多くの法制度創設に関する委員会委員長を歴任。