画像・映像用評価基準 ver.1
本規格の目的は,著作権保護と流通によるコンテンツ産業発展に貢献することである.コンテンツ産業の実態と今後の方向性を考慮し,画像,映像の区別なく符号化・復号化を必須とする.評価における煩雑さ,電子透かし技術の進歩,コンテンツ産業の実態を考慮し,必要に応じて規格改訂を実施する.
第一回コンペティションでは符号化による耐性を基本とする.今回は符号化以外の攻撃は必須としないが,提案者がアピールポイントとして以下の攻撃に対する耐性を有することを証明した場合は,査読上の加点要素とする.
1.画像(静止画)
(1)画質評価
評価画像はIHCより指定した,4608×3456ピクセルのカラー画像とする.電子透かしを埋め込んだ評価画像に1/10以下のファイルサイズとなる符号化・復号化を行い,同様の符号化・復号化を行った非埋込画像との差分がPSNR30dB以上となること.符号化はJPEGまたはJPEG2000とし,使用ツールは任意とする.
(2)耐性
電子透かしを埋め込んだ画像に,符号化・復号化を2回実施する.1回目の符号化・復号化で1/10以下,2回目の符号化・復号化で1/2以下とする.他の攻撃として次に示す信号処理への耐性はオプションとする.
(ア) 回転
(イ) 拡大・縮小
(ウ) 切り取り
1回目の符号化・復号化に関しては,埋込情報を100%検出可能なことを求めるが,2回目については検出率の高低によって優劣を定める.
(3)埋込情報量
64ビットとする.
(4)評価画像
IHC評価画像1〜6(YUV,RGBいずれでも可)
2.映像(動画像)
(1)画質評価
電子透かしを埋込み,MPEG-4(H.264)またはMPEG-2を用いて符号化・復号化した映像と非埋込画像を同様の方法で符号化・復号化した映像の差分PSNR30dB以上とする.今回は,映像の符号化は1回のみとする.符号化後の映像ファイルサイズは1/100以下とする.基準画像はITE標準動画像第一版No.2, No.8, No.20, No.23, No.46
(2)耐性
基準画像をMPEG-4(H.264)で符号化・復号化した画像をD/A変換した後,A/D変換を行った映像信号から埋込情報を100%検出可能なこと.D/A変換はビデオ機器等のアナログ出力端子を利用しても良い.
(3)埋込情報量
動画において32bit/30秒の情報が埋め込めること.
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