テーマ:「データ市場特集VI:異文化連携と生活空間イノベーション」および一般 bookmark

電子情報通信学会 人工知能と知識処理研究会の2月研究会では、「データ市場特集VI:異文化連携と生活空間イノベーション」と題し、多様な人が同じ空間を共有しつつも異なる文脈で活動し、移動し、交流する場である生活空間におけるヒト・データ間の相互作用によるイノベーションを創発・促進させていくための基盤技術、データ流通支援技術、デザイン技法及び事例に関する論文を広く募集いたします。

AI技術や5Gなどの通信技術の進展により、既存の分析技術や統計学では扱えない新しいデータが登場するとともに、AIが主要技術ではなかった分野においても注目が集まっています。その中で、一つの企業や組織のデータではなく、異なる領域のデータやAI技術を流通・交換・連携させることで新しい価値を発見し、問題解決を行う動きが活発となってきました。本特集テーマの提案委員らは、データ・AI技術・人間の相互作用によるデータの価値発見と交換によるイノベーションの場を「データ市場」と定義し、データ市場を創成するための仕組みについて議論してきました。国内外の学会活動としても当学会の他、IJCAI(Chance Discovery, Data Synthesis, Curation and Data Market 2015)、ECAI(European Workshop on Chance Discovery and Data Synthesis 2012, 2016)、ICDM(Workshop on Designing the Market of Data: MoDAT2013-2017, Cross-disciplinary Data Exchange and Collaboration: CDEC2018-2019)、人工知能学会2018年度全国大会ではデータ市場とデザインに関するオーガナイズドセッションシリーズを開催してきました。

このように、異種データを結合する分析や事業を展開する場合、関連ドメインが複雑かつ広域にわたるため、多様なステークホルダーの価値観、制約、前提を反映したシナリオ創出が必要となります。今回の研究会では、異なる文化、生活スタイル、背景知識、社会組織を有する人の営みが行われる生活空間におけるイノベーションをテーマに、産官学民から多様なデータ利活用事例、このような要請を満たすようなエコシステムのデザイン、またこれに資する多様なデータからの価値の発見と定量化、異種データのシナジーを活用したシステムデザイン、データ融合・デザインロジック(論理)、人の都合(価値観・制約・前提)を扱うシナリオ創出方法について、人工知能、知識処理、法制度意識を含む多様な視点から議論します。

電子情報通信学会の人工知能と知識処理研究会では、2013年からデータ市場をテーマに毎年研究会を開催しています。昨年は東京大学国際オープンイノベーション機構及び、関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構との共同シンポジウム"International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data"として開催し、国内外の著名な研究者の方々をお招きし、2日間に渡り熱い議論を展開しました(http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/symposium/ISSMD/)。

今年で6回目となる本会は、昨年度と同じくシンポジウム"International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data"と連続して開催となります。
2月14日(金):「データ市場特集VI」
2月15日(土):"International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data"
「データ市場特集VI」のご発表・参加費については電子情報通信学会の規定をご確認ください。また、"International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data"は無料で聴講のご参加いただけます。

国内外の著名な先生方をお招きしての研究会・シンポジウムとなりますので、奮ってお申し込み下さい。ご講演頂く方々の詳細はおってHPにて告知致します。

1. データ市場の環境デザイン
(ア) データの表現、モデリング、オントロジー構築
(イ) 情報アーカイブ、データベースの設計と構築
(ウ) データ概要情報の記述方法(データジャケット)及びこれらの生成・蓄積
(エ) 知識の構造化と検索システム

2. データのアナリシスとシンセシス
(ア) データ活用サービスとデータ提供
(イ) 大規模/中規模/小規模のデータにおける検索、分析、統合、可視化
(ウ) セキュリティ、信頼性、プライバシーのためのデータ管理、分析
(エ) データ融合活用のための手法・ツール

3. システムデザイン手法
(ア) デザインロジックの妥当性・健全性の検証手法
(イ) システム設計のための要求獲得
(ウ) ステークホルダーの都合を踏まえたシステムデザイン手法
(エ) システムデザインの支援手法・ツール

4. 生活空間における人の営み
(ア) 創造的コミュニケーション環境のデザイン
(イ) マーケティング、市場経済とその理論
(ウ) 教育システム、教育支援技術
(エ) 認知科学、創造性の理論

変化と革新の可能性に満ちた新しい分野です。さらに、本テーマとは別に、AIと知識処理一般のご発表も大歓迎ですので、奮ってお申し込み下さい。なお、研究会終了後には「交流会」も予定していますので、こちらへの参加もよろしくお願いいたします。

過去の研究会概要 bookmark

第1回(2014年@福岡:九州工業大学)
テーマ:創造的社会システムとしてのデータ市場のデザイン
http://www.ieice.org/~ai/jpn/index.php/20141129

第2回(2015年@福岡:九州工業大学)
テーマ:イノベーション資源としての論理とデータ
http://www.ieice.org/~ai/jpn/index.php/20151204

第3回(2017年@岡山:就実大学)
テーマ:コミュニケーションによるデータ価値化とエクスチェンジ
http://www.ieice.org/~ai/jpn/index.php/20170218

第4回(2018年@東京:東京大学)
テーマ:計算機・データ・人材の融合による異分野データ連携と価値化を促す技術群
http://www.ieice.org/~ai/jpn/index.php/20180217

第5回(2019年@東京:関西大学東京センター)
テーマ:異分野データ連携技術とイノベーション
https://www.ieice.org/~ai/jpn/index.php/20190222

日程と会場 bookmark

日程:2020年2月14日(金)・15日(土)
("International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data"として2日間開催ですが、電子情報通信学会の研究会としてのご発表日は14日(金)のみとなりますので、ご注意ください。)
場所:島根大学 出雲キャンパス(医学部 看護学科棟 2階 N21講義室)(https://www.shimane-u.ac.jp/campus_maps/map_izumo.html
共催:東京大学国際オープンイノベーション機構、関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構、データジャケット推進WG、イノベーション・システム研究環(~愚人の輪~)

申込方法 bookmark

発表の申し込みは終了いたしました.ありがとうございました.
原稿の締め切りは研究会の3週間前頃です.正確な日付は,学会事務局から連絡があります.

プログラム bookmark

※15日のシンポジウムのタイムテーブルは別HPにてアナウンス致します。
2月15日(土)開催のInternational Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Dataについては、こちら

10:00 - 10:10
オープニング 早矢仕晃章(東京大学)

10:10 - 10:30
創造的データバリューチェーン記述モデルの提案
○早矢仕晃章・石村源生(東大)・白水督久(DJWG)・大澤幸生(東大)

10:30 - 10:50
丸の内データコンソーシアムの取組について
○奥山博之・小松原 綾(三菱地所)

10:50 - 11:00
ディスカッション

11:00 - 11:20
地域体験プログラム「いわみん」の展開と効果について
○伊藤康丈(イワミノチカラ)

11:20 - 11:40
子育て支援策と出生率の全国市町村データ流通・集積の必要性
松永佳子・○日紫喜光良(東邦大)

−−− 昼食 ( 80分 ) −−−

13:00 - 13:40
[招待講演] 最先端スマートシティにおけるAI活用の実践~日本初の民間主導による益田サイバースマートシティ~
豊崎 禎久(アーキテクトグランドデザイン株式会社 ファウンダー チーフアーキテクト、一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会 専務理事)

−−− コーヒーブレイク ( 20分 ) −−−

14:00 - 14:20
決定木学習と多項式モデルを用いた麻酔薬目標血中濃度推定に関する研究
○荊 天・榮坂俊雄(北見工大)

14:20 - 14:40
データ分析手法を用いたストレスチェックデータの活用
○岡田佳也・大西圭介・秋元正博(構造計画研)

14:40 - 15:00
データの分析と合成を巡るクワイン哲学 ~ 現代の観点から「経験主義の2つのドグマ」を再考 ~
○小池 誠(小池誠マイクロ波研)

15:00 - 15:10
ディスカッション

15:10 - 15:30
データジャケット論理に基くデータ価値連成の可視化
○大澤幸生・早矢仕晃章・石村源生(東大)・白水督久(DJWG)

15:30 - 15:50
共創的合意形成を支援する因子の解明とコミュニケーション環境の提案
○近藤早映(東大)・宮前太一・葛谷正明・笹川佳蓮・関川博之(イトーキ)・沼田崇志(日立)・大西耕大郎・大野裕子(ハウス)・前田薫子・後藤智香子・小泉秀樹(東大)

15:50 - 16:10
IMDJ(Innovators Marketplace on Data Jackets)を利用した新しい科学技術コミュミュニケーション手法の提案
○石村源生(東工大)・早矢仕晃章(東大)・白水督久(DJWG)・大澤幸生(東大)

−−− コーヒーブレイク ( 20分 ) −−−

16:30 - 16:50
次世代専門商社のビジネスモデルとデータジャケット ~ 本モデルの10年間とこれから ~
○宇治桂一(INS)

16:50 - 17:10
共通変数から推定が容易な潜在変数を融合対象とするデータフュージョン
○西尾義英・谷田泰郎(シナジーマーケティング)

17:10 - 17:30
t-SNEを用いたベネフィットセグメンテーションによる顧客分析
○齊藤史哲(千葉工大)

17:30 - 17:45
講評・クロージング 大澤幸生(東京大学)

18:00 -
参加者交流会

参加者交流会 bookmark

研究会終了後、バスで移動,会費:7000円程度の予定です。参加される方は予約の都合上、1/31までに info -AT- panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp まで連絡をお願いします。当日キャンセルの場合はキャンセル料が発生する可能性がありますのでご注意ください。

問い合わせ先 bookmark

●問合せ先:メールのタイトルに「j-modat」と記載し、下記のアドレスに送付ください。
大澤研究室事務局(info -AT- panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp)